伏字にしたり罵倒したり打ち損じたり… 「誤変換当て字」
「誤変換」「誤変換当て字」 とは、ある言葉をパソコンなどで文字入力する際に、わざと漢字変換などを間違えて表記する、独特の表現方法です。 「誤変換文字」 あるいは 「異表記文字」 とも呼びます。 似たものに 誤読言葉 (「雰囲気」 を 「ふいんき」 と間違えて読んで平仮名で書く) などもありますが、ネット などで特有の文字遊び、言葉遊びのような感じの使い方です。
多くの言葉は、チャット やそれに近いスピードで書き込まれる 掲示板 で、変換ミスをしたのがそのまま書き込まれた際に、それが面白かったりすると流行ったりといった他愛のないきっかけで使われるようになったりします。 ここらは、パソコン通信 の時代からおなじみのネット特有の現象ですし、インターネット の時代となって 2ちゃんねる などが広まると、そこでも頻繁に使われるようになり、俗に 2ちゃんねる用語 と呼ばれるものにも、こうしたものはたくさんあります。
代表的なものに、
ロリ → 炉利
中坊 → 厨房
死ね → 氏ね
オナニー → 尾奈煮
キチガイ → 基地外
ワレズ → 割れず 割れ
アカウント → アカ → 垢
人多すぎ → 人大杉
俺がいる → 俺ガイル
パソコンがぶっ壊れた → パソコン蛾物故割れた
またキーボードの打ち間違いと誤変換を混ぜたもの、例えば
やつ → やし → 香具師
おれ → もれ → 漏れ
気がする → きがす → 希ガス
あるいは略語を誤変換化したもの、もしくはそれらが合わさったもの、例えば
今来た 俺に三行で説明してくれ → 今来た 三行 → 今北産業
お疲れ様 → おつ → 乙
激しく 同意 → 激同 → 禿同
同人関係などでは
一般人 → 逸般人
社会人 → 社壊人
婦女子 → 腐女子
真性童貞 → 神聖童帝
なんてのもあります。
ほとんどヤンキーの 夜露死苦 みたいなノリも
その一方、中には 検索避け のための 伏せ字 として使うことを意図していたり (山田さんを山打など)、あるいは対象を貶めるためにあえて ネガティブ な漢字や言葉を当てはめたり (山田さんを疚駄、三次元を 惨事 など)、あるいは自分が好きなタレントや キャラクター を表す漢字をあえて使うとか (怪しい を 綾しい、皆さん を 美奈さん など)、実際の使われ方、意味、意図するところは様々です。
「打ち間違い消し忘れ」 で、「生姜繊維」 なども
「誤変換」 とは厳密には違いますが、似たような理由で使われるようになった言葉に、「生姜繊維」 なんてのもあります。 これは 「三国志」 に登場する武将の 「姜維」 という名前をキーボードで打つ場合に、辞書登録されてない状態ではまず 「生姜」 と 「繊維」 と打った後に 「生」 と 「繊」 を消す必要があり、しかし面倒くさがってそのまま 「生姜繊維」(もしくは 「生姜」) と書いて、それが一部のコミュニティでそのまま定着してしまったものです。
こうしたものは 打ち間違い消し忘れ などと呼ぶようにしていますが、見る人が見れば意味はわかるのですが、話題が異なるときに唐突に出てくると、さっぱりわからないケースなどもあります。