こいつは間違いなく 「ホ・ン・モ・ノ」… 「パネェ」
「パネェ」 とは、「半端じゃねぇ」 という意味の言葉です。
「半端」 とは 「中途半端」 のことで、すなわち 「パネェ」 とは、「徹底している」「完璧だ」「本物だ」 といったような意味となります。 「マジパネェっす」 とは、「マジ (真面目に、本気で) でハンパじゃないっす」 の意味で、「ガチパネ」 は 「ガチ (ガチンコ、真剣) でハンパじゃねぇ」 という意味になります。 ニュアンス としては後輩が敬語を使い先輩を賞賛するような言葉となりますが、ただし実際の使いどころは、後輩が先輩を持ち上げる形をとりながら、相手を茶化すような使い方がもっとも近いでしょうか。 似たような言い回しに 「パない」 もあります。
この 「パネェ」、元々はヤンキーやつっぱりと呼ばれる人たちが1970年代末頃から使い始めた言葉、「半端じゃねぇ」「ハンパじゃねー」 などからきています。 意味は2000年代にリバイバルした現在の 「パネェ」 と基本的には同じですが、例えばケンカなどで手加減せず、相手を殺す勢いで徹底的に叩きのめす、やり方がえげつなく常軌を逸している、もはや常識では計り知れない… ヤバイ やつだ、キチガイだ… 香ばしい …といった、強い畏怖の念を含んだある種の賞賛表現でした。
2000年代になり、古めかしい言葉がリバイバル
こうした 「ヤンキー言葉」 は、1990年代にもなると暴走族やヤンキーなどが古臭いものとなり、流行らない時代となって自然に消滅しますが (ただし地域差が結構ありました)、ヤンキーを扱うような マンガ などでは慣用句、成句として細々と生き残り、それが 一周回って、逆に若い人たちの間で新鮮な言葉に。
昔からある 「チース」(こんにちはです → こんちはっす → ちはっす → ちーす/ 「チャス」 という呼び方も) のような言葉の短縮系が 「ハンパねえ」 を 「パネェ」 としたことで (不良少年 キャラ の登場する格闘ゲームなどの影響もあります)、チャラい 男性 (チャラ男) などが再びシャレで使うようになっています。
ネット の 掲示板 などでは、大学生や社会人などが、揶揄や冷やかしの意味で面白がって、ことさらに若者言葉をわざとらしく使う風潮もありますし、DQN の犯罪などがニュースになると、後輩が先輩を褒めるような口調でからかい揶揄するようにもなり、大学生あたりが集うコミュニティなどで、中学生や高校生あたりの リア をからかう用途で広まるようになっています。
なお似たような カテゴリ の言葉に、△ や フルボッコ、ディスる なんてのもあります。