「ニワカ」 批判をスルー、「一周回って元に戻りました」
「一周回って」「一周回る」 とは、原点回帰のことです。
同人 やら おたく 界隈 で使う場合には、例えば好きな ゲーム とか、特定の アニメ作品 に登場する自分の好きな キャラクター (推し) の変移・変化の中で 「一周回って○○が好き」(他の作品やキャラも全て見た上で、やっぱり○○が一番だと理解、把握した) というような意味になります。 「最初も好きだったけど、回りまわって最後にもやっぱり好きだった」 という訳です。
別に 普通に 「○○が一番好き」 で良いのに、わざわざ 「一周回った」 というのは、その 「○○」 が大ヒット作品の 主人公 だったり一番人気のメジャーなキャラ、ありがちなキャラだったりした場合、「そこらのニワカ、新参 と違い、他のキャラを全て吟味、通過した上で総合的に判断したからだ」 を言外に匂わすためです。
しばしば 「おたく」 や 「マニア」 が マイナージャンル だったり知る人ぞ知るような 地味 なキャラ、玄人好みのキャラを好む傾向があるので (そういうのをマニアックでかっこいいとする風潮もある)、あらかじめ予防線を張るような感じでしょうか。
一旦離れてから戻ると、新鮮に感じられて再び 「萌え萌え」 に
ただし言葉のあや、言い訳や弁解、エクスキューズとして使うだけでなく、実際にいくつものキャラ、作品をぐるっと見て回って、最後にやっぱり○○が良かった…と、心の底から思っている場合なども結構多いものです。
作品やキャラの好みが変わることを俗に 転ぶ などと呼びますが、放送中、連載中の作品などは新しいキャラが途中で参加してきてそちらに一時的に心を奪われるケースもありますし、ひとつのものに集中していると飽きてきて他のものに目移りも当然しますから (そして一旦離れてからまた元の○○を見ると新鮮に思える)、「一周回って」 が 普通 の日本語ではなく、オタク界隈で使われるようになった初期、あるいは現在の多くの人にとっても、それなりに正直な自分の感想なのでしょう。
なおマイナーなキャラを推す場合でも、「一周回って」 と頭につけて説得力を増すよう会話を誘導したり、「今二週目だ」「5週回ってやっと○○にたどり着いた」 などと表現して、お気に入りキャラ○○の価値を最上のものとするよう 「箔付け」 のために使う場合もあります。 反対に 「5週回ったが○○は一度も選択肢にすら入らなかった」 などとして、対象を貶めるために使う場合もあります。 RPGや美少女ノベルゲームでは、クリア後に同じゲームを何度かプレイする、周回 を重ねることがよくありますから、ここらの影響も途中からはありそうですね。
マルチエンディングのゲームで、同じルートを何回も…
ちなみに 「○○ルートを11回やった」 などは、全てのキャラ別ルートを 攻略 しようとしたものの、特定のキャラが余りに可愛くて結局同じルートを11回も繰り返してしまった…などといった意味になります。 美少女ゲームなどでは特定キャラのルートを選ぶと、それ以外のキャラが主人公と離れ離れになったり死んでしまったり消えてしまう場合もあります。 そのキャラが好きで、それがどうにも受け入れ難かった…なんて状況なんでしょう。
マルチエンディングのゲームなどでは、それぞれ異なったエンディングがありながらも、作品シナリオ全体で 「真実の結末」「真のエンディング」 とも云うべきエンディング、トゥルーエンド があるものですが、そんなものはどうでも良い、俺は○○ちゃんと添い遂げるのだ…との悲壮な決意が感じられます。