そこはかとなく漂う、芳しい香り…あいつこそまさに、香ばしい奴
「香ばしい」 とは、行動や言動、あるいは 書き込み 内容が 「ちょっと人と違う」 ような人、そこはかとなく頭がおかしい感じがする、ほとんど犯罪者的な感じ、どす黒い何かを隠し持っている感じ、何かがプンプン匂うような、そんなヤバ目な人を指す言葉です。
もっぱら 電波 とか、厨房、あるいは ドキュン と呼ばれるような人が対象となりますが、強烈な恨みや悪意、負のオーラを隠し持っているのが漂っている人にも使われます。 意味も使い方もシンプルで、「あいつ香ばしいな」「この書き込み、香ばしい」 なんて感じで使用します。
深夜に脳天を直撃する連呼CM、ゴマとコーンの こうばしコーン
元ネタ ですが、1997年から 1999年頃にかけ盛んに流れていたハウス食品のスナック菓子、「ゴマとコーンの こうばしコーン」(1997年7月8日発売/ 75g入り/ 130円) のテレビコマーシャルのフレーズ、「ゴマだけでも香ばしいのに、コーンだけでも香ばしいのに」 からきています。
食品系、とりわけハウス食品のテレビCMは、深夜帯には気が狂ったかのように同じものが繰り返し繰り返し何度も何度も流れるものですが、この 「こうばしコーン」 のCMも同じで、しかもゴマ担当がゴマフアザラシ、コーン担当が狐で、この2匹のアニメキャラが歌い踊るこの広告は、深夜アニメ目当てでテレビを見ている人の脳みそを直撃。 一種の流行り言葉となっていました。
その後この 「ゴマだけでも香ばしいのに、コーンだけでも香ばしいのに」 が、「○○だけでも香ばしいのに、□□だけでも香ばしいのに」 と使いまわしの利く慣用句として、おかしなウェブサイトやその 管理人 などをウォッチしている 掲示板 の一部で頻繁に使われるように。 次第に 「○○だけでもプンプン臭うのに、さらに□□か」 のような使い方となって、前述した 「電波系の人」「頭のおかしい人」 を指す言葉として定着したようです。
その後、利用者が膨張する掲示板 2ちゃんねる (2ch) において言葉として定着。 今ではすっかり 「ヤバい 人」 を指す形容詞となっています。 ちなみにハウス食品系CMの連続連呼の脳天直撃による流行言葉としては、「ふーん、玄米ビスケッツがあるのにね」 なんてのもあります。
その他の語源の説としては…
いわゆる 「ヤンキー用語」 として、ヤバい奴を 「香ばしい奴」 と呼ぶ地域があるそうです。 「ヤバイ」 ことを 「きな臭い」 などと呼ぶ場合がありますが、ここらは言葉のイメージとして類似点がありそうですね。
また漫画家の西原理恵子さんの作品中で、類似の意味でフレーズとして使われているものがあり、そこから転じているとの説もあるようです (筆者 未確認です)。 ヤンキー用語や西原理恵子さんの マンガ などの 「元ネタ」 があって、それが前述した 「ゴマとコーンの こうばしコーン」 のテレビCFを大きな発火点として爆発し、流行語として流布したのかも知れません。