作ったり更新したり管理したり… 「管理人」
「管理人」 とは、何かを適正な状態に保つよう気を配ったり取り仕切る人、すなわち管理する人という意味の言葉です。 一般でもアパートやマンションといった物件の管理人とか、組織や個人を管理する人の意味で使われますが、ネット の世界では 「場」、とりわけ ウェブサイト (ホームページ) や ブログ を立ち上げ、更新や保守管理をする人、中の人 を指して使うことが多いでしょう。 この場合、それぞれを 「ウェブマスター」 や 「ブロガー」 と呼ぶこともあります。
サイトの管理自体は個人で行う場合もあれば、商業 サイトや法人サイトの場合、企業や組織が行う場合もあります。 管理人は個人が 趣味 で立ち上げたサイトや、それが発展したサイト、あるいは管理人個人の個性や存在感が色濃く反映しているケースでよく使われるようです。 元々は自称する言葉でしたが、広くサイトの 作者 を意味する言葉として定着すると、親しみを込めてサイトの利用者などが 「管理人さん」 と呼ぶこともあります。
なお ネットスラング として 「主」 あるいは 「サイト主」 と呼ぶこともあります。
あまり偉そうでなく、自称するのに都合が良い 「管理人」 という肩書
ネットにおける管理人という言葉には、場を管理している以上の意味がついて回ります。 サイトを立ち上げて、サイトに掲載した 絵 や文章といった コンテンツ を創作し、また 掲示板 や チャット があれば甲斐甲斐しく訪れた人への応対をしたり、問い合わせの メール などへ レス (返信) もします。 時には オフ会 などの催しや イベント を 主催 することもあります。 管理と云えば管理ですが、管理する対象を自ら作って広げていくなど、様々なことをしているのですね。
日本でこうした行為を行う人を 「管理人」 と呼ぶようになったのは インターネット 以前、パソコン通信 の頃です。 当時は掲示板やデータライブラリやチャット、それらを包括するフォーラムやシグが主な管理対象だったので、管理者はフォーラムマネジャーやシステムオペレーター、それぞれのサブとボードリーダー (BL/ 議長)、スタッフなどいった肩書・名称でその管理を行っていました。
これらは大手商業ネットであれば 運営企業 の社員などが行うこともありますが、利用者らの中の有志がボランティアで担う部分も多く (通信料が免除されたり、大規模フォーラムなどでは割と大きなお金も動いていて数千万円クラスの報酬を得ていたなど色々うわさもありましたが)、文字通り 「保守管理を担う人」 という意味で、前述の肩書や名称の他、自称で管理人や管理者を名乗るケースが結構ありました。
このあたりはコンピュータ用語としての アドミニストレータ (Administrator) がそのまま使われたものなのでしょうが、自称しても 「不必要に偉そうな言葉」 ではない 「管理人」 は、堅苦しいリーダーや議長、マスターに比べて、とても使いやすいものでした。 IT 関係の仕事でシステム管理者などをしていれば言葉の連続性もありますし、それでもなお 「管理者」 ではなく 「管理人」 という云いまわしが生き残ったのは、親しみやすく語感的にも優れた言葉だったからでしょう。
副管理人や特権ユーザー、バーチャル管理人
なお人が多く集まる人気の掲示板やコミュニティ系・交流系のサイト、あるいはサイト同士を結ぶ規模の大きな ウェブリング や 同盟 等の場合、副管理人やサブ管理人 (副管/ サブ管) が置かれる場合もあります。 この場合はサイトの維持管理をするための権限、例えば掲示板の不適切な 書き込み を削除するなどを与えられることもあり、それが行き過ぎて 「削除人」 などと呼ばれることもあります。 こうした存在は、特別な権限を持つユーザーとして 「特権ユーザー」 や 「スーパーユーザー」 と呼ぶこともあります。
一方、管理人が自作の キャラクター などを自分のサイトの管理人として 設定 する場合もあります。 この場合、キャラの イラスト が 2D か 3D か CG かを問わず、バーチャル (仮想) を接頭して 「バーチャル管理人」 と呼んだりします。 これは1990年代のバーチャルブーム、1990年代末から2000年代初頭に流行した バーチャルネットアイドル の存在が大きかったでしょう。
キャラは単なるイメージキャラ・看板娘・息子に過ぎない場合もあれば、管理人の アバター (分身) として管理人が なりきる ような形で運用するケースもあります。 ネット上の外見がどうであれ中身は同じはずですが、間にかわいいキャラを挟むだけで何やら 雰囲気 が和んだり トラブル が生じにくくなったりするのは面白いです。
この場合利用者はバーチャル管理人とは呼ばず、人間同様に管理人さんと呼ぶか、親しみを込めてそのキャラの名前で呼ぶのがある種の お約束 でしょう。 まぁ深刻なトラブルが生じてキャラで謝罪という訳にもいかなくなり、最終的に中の人が出てくることもありますが…。