出版社など、営利企業による媒体や作品を指すことが多い 「商業」
「商業」 とは、出版社などの営利企業から出版・販売される商業雑誌 (商業誌) や商業本のこと、あるいはそうした場で創作活動を行うことです。 一般の言葉でいえばプロや職業 (商業作家) としての創作活動という意味になります。 非営利・趣味 としての創作活動や自費出版となる 同人誌 などと対比する言葉として、同人 の世界ではよく使われる言い回しでしょう。
とはいえ、同人でも営利目的で制作する 作家 もいますし、オリジナル作品 を中心に業として同人を行い、専業で生活している人もいます。 ある程度以上の利益が出た場合、法人成り(法人化) する場合もありますし、また非営利のつもりで活動していても利益が出てしまう場合もあります。 同人誌の書店での販売 (書店委託) や Amazon などの大手商業書籍通販サイトで電子版の販売ができるなど、流通部分も含め、その区分けはあいまいになってきています。
同人作家が商業に行ったり、商業作家が同人に行ったり
一般的には、雑誌や書籍なら ISBN や 書籍JAN、雑誌コードなどを持った刊行物で、問屋 や取次を経由して一般の書籍流通に乗り、街の本屋さんやコンビニの売り場に並んだり取り寄せが可能だったり、売上スリップ (短冊、売り上げカード) による補充注文ができるものを商業出版物と呼ぶことが多いでしょう。 一方で、それらに乗らない無料配布本でも、出版社や企業が刊行したものは商業と呼びますし、こちらも最近では区別が難しくなっていると云って良いでしょう。
それ以外の使い方としては、パソコン通信 における 草の根 と商業パソ通ホスト局を区別するために使われたり、音楽や映像関係、さらに ゲーム などでも、同人 (インディーズや自主レーベル) と商業レーベルやメジャーレーベル、あるいは 公式・版権元 とを区別する意味でも使われるようになっています。
一般人 の場合、そもそも自費で本を出版をしたり、自費出版本などを頻繁に手にするような機会はあまりないので、書店売りしている雑誌を商業誌と呼ぶこと自体、あまりないかもしれません。 前述したパソ通や音楽、ゲームにおける言い回しもそうですが、そもそも何かに商業という区分をしてそう呼ぶこと自体、わりと おたく や 腐女子 をはじめ、クリエイティブっぽい世界の言葉なのでしょう。