年に2回開催される、世界最大のマンガの祭典 「コミケ」
よしっ!! コミケに行こう (同人する子) |
「コミックマーケット」「コミケ」(Comic Market) とは、現在は原則的にお盆と年末の年に2回、有明の東京国際展示場 東京ビッグサイト で開催される、世界最大の マンガ、アニメ の祭典、同人誌即売会 のことです。
別の愛称として、コミケット、あるいは夏開催のものは 「夏コミ」、冬開催のものは 「冬コミ」 とも略します。 主催 はコミックマーケット準備会です。
「コミケ」 第一回は漫画批評を行っていた同人サークル 「迷宮」 の主催により、1975年12月21日に 日本消防会館 の会議室で開催されましたが、当初は大学のマンガ研究会 (漫研) の会報や、既存漫画の批評や感想をまとめたような同人誌の 展示 (頒布 ではなく、回覧、いわゆる 肉筆回覧誌) などがメインだったようです。
当時は参加者の数もそれほど多くなく、それぞれの同人誌は頒布用のものも部数が少なかったようですね。 またコミケ発祥の母体のひとつである 「日本SF大会」 や、コミケと何かと因縁のある 「日本漫画大会」 のように泊りがけの 合宿 もあり、もっぱら同好の士との交流がメインとなっていました。
つまりは パソコン通信 も ネット もない時代、年に何度かは学校が休みの盆暮れ (当初は春休みに合わせて、年3回、春にも開催されていました) に漫画好き同士で集まって漫画の話をしようよと云うわけで、ただし 一般参加 (一般入場) もこの時からありましたが、当時の参加者の コメント によると、その多くが中学生や高校生などの少女マンガ ファン の女の子であったそうです。
マンガファンの交流と情報交換、そして新しい才能の発掘
コミケ開催中の東京ビッグサイト |
コミケは回を重ねるごとに回覧・閲覧から作品の配布や頒布をメインにするようになり、元からあった 「同人誌即売会」 としての性格を、より強く持つようになります。
サークルが発表する同人作品 (会報や同人誌) も、批評や情報を取り纏めた会報から、マンガをメインとしたミニコミック、アマチュアマンガ雑誌のような外部への 露出 を強く意識した体裁をとるようになってゆきました。 コミケ側の 「新しい才能を発掘する」 との目的もあり、創作系がその中心に躍り出ます。
それでも初期の頃は 版権もの の 二次創作 には 著作権 などの法的に問題があるとして、頒布する場合には公認の FC などに限るような慎重さもありましたが、アニメやマンガの人気に押され、徐々に現在のスタイルに近づいていきます。
時期 | 年代 | コミケット番号 |
コミケット初期 | 1975年〜1981年 | C1〜C18 |
第一期晴海 | 1981年〜1986年 | C19〜C30 |
TRC・第二期晴海 | 1986年〜1989年 | C31〜C36 |
幕張 | 1989年〜1990年 | C37〜C39 |
第三期晴海 | 1991年〜1995年 | C40〜C49 |
第一期有明 | 1996年〜1999年 | C50〜C57 |
第二期有明 | 2000年〜 | C58〜 |
1974年に放映されたアニメ 「宇宙戦艦ヤマト」 の大ブーム (再放送から映画化にかけ、コミケを強力に牽引する空前のアニメブーム、声優ブームが発生)、それに続く 「機動戦士ガンダム」 の人気は、コミケへの 新規 参加者を増やす原動力に。
さらに元から 同人 の世界では最大勢力であった少女漫画に加え、コミック時点で人気があった上に 1981年のアニメ放映開始で空前のブームとなった 「うる星やつら」 の人気、1985年からの女性同人活動のあらゆる基礎を作り上げたとすら呼べるオバケ作品 「キャプテン翼」(C翼) の大ブレイクにより、コミケの規模と参加人数はますます膨張。
勢いは止まらず、さらに 1990年代に入り、アニメ 「美少女戦士セーラームーン」 のヒットにより、それまでは比較的参加者が少なかった男性サークルや男性一般参加者が激増し、会場 を 東京国際見本市会場 や 幕張メッセ、東京ビッグサイト など次々に移りながら (ただし規模拡大だけが会場移転の理由ではなかったりしますが… (^-^;)、「屋内イベントとしては世界最大」 とまで呼ばれるほどの巨大イベントに成長しています。 なお 2007年冬のコミケ (コミケット73) では、3日間開催でのべ 55万人がサークル、一般で参加しました。
写真で見るコミックマーケット(73)
国際展示場駅 コミケ期間中は駅広告は萌え一色 |
駅ロータリーから続く歩道を ビッグサイトを背に |
そびえ立つ東京ビッグサイトの 巨大な建物 |
負のエナジーを集めまくる 逆ピラミッド下部に進入口が… |
これが東京ビッグサイト本館の 入り口。内部は巨大 |
ウォーターフロントの風景が 近未来っぽくてかっこいい |
「コミケ」 様々な呼び方
私とコミケに逝ってミル? |
なお呼び名として 「コミックマーケット」「コミケット」「コミケ」、夏や冬それぞれを 「夏コミ」「冬コミ」 と呼ぶほか、「ミケ」(その誤変換当て字で 「三毛」)「アレゲ祭り」「きんもーっ☆祭」 などとも呼ばれます。 開催ごとに通し番号が振られていて、例えば 60回目なら「コミケ60」 とか、「C60」 などと呼ぶ場合もあります。
また同人イベント全般の一般名詞として、他のイベントを 「コミケ」 などと呼ぶ人 (主に初心者) などがいます (仙台コミケ、広島コミケ、名古屋コミケ、大阪コミケ…などなど)。
これは一般名詞として使っている場合には誤りとなりますが、昔からそうした名称で開催されているイベントもありますので、正式な名称を知っているのか、ごっちゃにして一般名称として使っているのかの判断は微妙です。
1980年代に複数の○○コミックマーケットというイベントが各地で誕生していて (新潟コミックマーケット、ガタケット などが有名)、その頃から続いているイベントの名称や、古い資料などをあたる場合には、注意が必要でしょう。
現在は有限会社コミケットにより、コミケットやコミケは商標登録されていますが (1998年より)、東京から離れた地方などでは地元のイベントを一般名詞、普通名詞として 「コミケ」 と呼ぶ場合があります (逆に本来のコミケは、東京のコミケ、東コミとか、本コミなどと呼んだりするケースもあります)。
例えば 「フリーマーケット」 は完全な普通名詞で、それを 「フリマ」 と略すのは一般的ですので、1990年代からは商標登録以前の実用上の話として、「紛らわしいので他のイベントをコミケと呼ぶのはやめよう」 という意見が多数とはなっていますが、異論を持っている古くからの同人関係者も一部に存在します。
「コミックマーケット」 参加のためには…
参加には大きくわけて3つの方法 (スタイル) があり、サークルが 「同人誌」 などを持ち込む サークル参加、それを読んだり買ったりするために参加する一般参加、そして 「コミケ」 そのものを 運営 するためのボランティア、スタッフ参加 があります。 また コスプレ をするための参加、コスプレ参加 や、それを見物したりカメラに収めるためのカメラマンとして参加するもの、後半は、企業ブースに出展するための 「企業参加」(ディーラー参加) などもあります。
コミケットカタログ |
参加にはそれぞれ所定の手続きと費用 (サークル参加申し込み書やコミケットカタログの購入、サークル参加のための費用) が必要です。 ただし一般参加の場合、必ずしもカタログの購入を求められるわけではなく、無料での参加も可能になっています。
ただし 「コミケ」 の参加には、参加者に求められる明文化されたルールと暗黙の お約束 などがありますので、とりわけ初めて参加…などという場合には、カタログなどをきちんと購入し、ルールを熟読したいものです。
まぁ、カタログなしで初参加では、広い混雑した会場で、どこにいったらよいかも分からず何もできないと思いますが…w またカタログの販売による収益はイベント参加のための費用となりますので、カンパのつもりで購入するのが良いと思います。 ルールもイベントごとに細かく変わったりしますし、確認するのは大切です。 なおコスプレに関しては、「登録料」 として、1日 800円が必要です。 カメラマンなどはお金がかかりません。
通常の 「コミックマーケット」 が開催された会場
日本消防会館
板橋産業連合会館
大田区産業会館 (現 大田区産業プラザPIO)
東京都立産業会館 (現 東京都立産業貿易センター台東館)
川崎市民プラザ
横浜産業貿易ホール
東京国際見本市会場 (晴海)
幕張メッセ
東京ビッグサイト
定期開催ではない、特別なイベント 「コミケットスペシャル」
数年に一度、定期的に開催される通常の 「コミケ」 とは異なるイベントが、「コミックマーケット準備会」 により開催されています。 これは コミケットスペシャル と呼ばれます。