同人誌なり同人ゲームなりを発表する主体の 「団体としての最小の単位」 です
同人 とは同じ志や 趣味、興味の傾向を持つ人たちが集い活動すること、およびその集まり、あるいは場所のことですが、「同人サークル」 とは、それらの集まりの一番小さい単位を表す言葉です。 「結社」 とも呼びます。 歴史的にも一般的にも文芸の世界でよく使われる言葉となっていて、明治43年(1910年) に創刊された文芸同人誌 「白樺」 を発行した同人会などが有名ですが、現代のそれも、基本的には同じです。
このサイトで主に触れる同人サークルの場合は、コミケ などの 同人誌即売会 で、自作の 同人誌 や 同人グッズ の 頒布 を目的とする複数人、もしくは個人で作る趣味の集まりとなります。
制作するものは マンガ や SS (ショートストーリー/ 小説) などが多く、オリジナル のものもあれば、既存のマンガや アニメ、小説や ラノベ、ゲーム や芸能の ネタ などの 二次創作 (パロディ や評論、批評など) もあります。 またアニメやゲームを作ったり、音楽を作って頒布する場合もあります。
サークルを立ち上げたり中心となって 運営 を行っている人は 主催者 とか 代表 と呼びますが、後年になり ネット用語 から派生する形で 主 (サークル主/ サク主) と呼ぶ場合もあります。 それ以外の人は参加者とかサークルメンバー・サークル員などと呼びます。 なお コスプレ をメインに活動しているものは、チームと云う呼び方をしている場合もあります。 この場合、主催者や代表をリーダーなどと呼ぶ場合もあります。
組織としては単なる任意団体の場合が多く、誰でも自分が同人サークルだと云えば同人サークルを名乗れますが、コミケなど同人イベントの規模や市場が大きくなり、さらに 商業 と同人との境界線が曖昧になる中で、一部のサークルはその後有限会社や株式会社などの法人となったり、逆に法人や会社組織を解散して参加者や組織名、作品タイトルなどはそのままに、同人サークル化する場合もあります。
個人サークル全盛の時代になっても
サークルに集っている個々人、生業・本業としてではなく、マンガや小説の執筆を “非営利の趣味、道楽” として行う人を、一般に 同人作家 や同人漫画家と呼びますが、大半の同人イベントでは サークル参加 を 「同人作家個人の参加」 ではなく、あくまで 「同人サークルの参加」 という形式をとります。
これは大学などの漫研 (漫画研究会/ 学漫) の同好会やサークル活動、地域の同好会や FC などがこうした世界の黎明期に大きな影響力を持っていたからで、現在では個人 (1人) で活動しているものも 「同人」 であり 「サークル」 と呼ばれ、こちらの方が中心となっても同人サークルという名称がそのまま使われています。 区別するために1人でやっているサークルは 個人サークル と呼ぶ場合もあります。 逆に個人サークルが2つもしくはそれ以上で一緒に参加する 合体参加 を前提とした集まりは合同サークルとか ユニット みたいな呼び方をすることもあります。
当初は仲間との語らいや研究結果の発表など、大学漫研における 「集まり、場所」 こそが、同人そのものでした。 その際に会報として既存のマンガやアニメ作品を批評したり、それらを モチーフ にちょっとしたお遊び漫画 (初歩的な創作系) を描き、サークル仲間と 原稿 を寄せ合って一冊の同人誌を作るような活動がありましたが、これらは仲間うち、サークル内部のみで閲覧、回覧するもので、印刷どころかコピーすらせず、肉筆で大学ノートに描かれたようなものがメインでした。
やがてそれらの会報、同人誌のうちいくつかは、大学漫研の交流会のようなもので評判を呼ぶようになり、とりわけ 絵 が上手い人に注目があつまり、最終的には同人誌そのものの制作と頒布が、同人と同人活動そのもののようなイメージになってきました。
やおいとエロ、同人サークルは本格的に創作系が中心の活動に
こうして同人サークルは、趣味や好みを同じくする仲間との語らいの場と云うよりは、対外的に何かを発表するための グループ、「サークル」 というよりは 「プロジェクトチーム」 のような感じになって来てますね。
途中で やおい などのエロを扱うに及び、「いかにたくさんの同人誌を頒布したか」「どのサークルが今一番人気があるのか」 との 商業出版 に対する興味と同じような興味を、同人サークルにも見るようになっています。 間に 「同人バブル」 とも呼べる 1980〜1990年代のコミケ・同人世界の膨張期もあり、こうした傾向はますます顕著化している感じがします。
うちのしょぼい同人サークルの場合は…
ちなみに 筆者 は 「喫茶《ぱらだいす☆あ〜み〜》」 という同人サークルを友人から引き継ぐ形で主催していますが、これは元々は パソコン通信 内のセーラームーンの ファン 掲示板 という形でした。 コミケへの 一般参加 は 晴海時代 からですが、サークル参加をしようとした当初は創作活動をして同人誌をコミケで頒布するのはうちのサークル的に是か非かなんて議論を、延々とやっていたもので
筆者個人は同人誌作りやコスプレは1970年代からやっていましたが、コミケ黎明期には直接立ち会ってはいません。 コミケやその前身とも云える日本SF大会などに初期の頃から参加しているサークル仲間や知人らの体験談を聞いたり、その後コミケをはじめ多くの イベント に一般・サークル参加して自分が追体験したイメージなどを関係者からの雑談などを交えながらこのサイトでは再構成している感じです。 で、大昔もちょっと前も現在も、扱う テーマ や道具が少々変わっただけで、何となく 「所詮は同じ人間 (というか、おたく や 腐女子 な人種)、やるこたぁ一緒だな…」 などと思ってしまいます。