何となく、よりクリエイティブな印象がありますよね
「オリジナル」(Original) や 「創作」「オリジナル創作系」 とは、既存の アニメ や マンガ、ゲーム などの作品や、そこに登場する キャラクター を元にしたもの (いわゆる 二次創作) ではなく、自作の 世界観 や自分の作ったキャラ (オリキャラ) のみで作り上げられた作品の事です。
一般的に 同人 の世界では、パロディ や 版権もの に対する用語として使われる場合が多いようです。 ただし 「創作系」 と云うと、かつては同人誌の主流がマンガ批評だった時代には、パロディを含むマンガ作品全体に使われていた言葉でもありました。 現在でも、タレント本などで芸能人などの ファン 活動をしているサークル (芸能同人) では、創作系はマンガ表現や SS を表す場合があります。 結果、オリジナルやオリジナル創作という呼び方がもっともポピュラーなようです。
なおオリジナルを略して 「オリ」「オリジ」「オリ創作」 と呼んだり、「二次創作」 に対して 「一次創作」「元作品」「パロ元 (パロディ元)」 などと呼ぶこともあります。 二次創作の一部にオリジナル要素が入る場合は 「二次オリ」 と呼ぶこともあります。
自称オリジナルと、自称版権もの
ちなみに、どう見てもオリジナルとしか思えない作品・内容なのに、作者 が 「パロディ」 だと言い張る場合と、反対にどう見ても 「版権もの」 なのに、作者が 「オリジナル」 と言い張る場合 (主に版権者対策として、“ リボン が青だから美奈子じゃない”、“ 髪の毛 の分け方が左右逆だから亜美ちゃんじゃない”) などもあります。
まぁここらは人気プロ作家が数百万部売るような商業誌に連載してるような作品でも、まま見かけるものだったりしますが…最近はプロでも偶然の一致やインスパイアでは済まないようなパクリ、盗作、トレースなんかも発覚してきたりしてますしね。 ちなみにパクリなのにオリジナルと言い張ってる場合には、ネットスラング で 「ウリジナル」 などと呼ぶ場合もあります。 これはコピー商品や偽物、パクリが多い韓国の人たちがオリジナルを主張するのを、「ウリ」(韓国語で自分という意味) と当てはめて揶揄したものです。
なおパロディ作品を語る場合に、その元となった作品を 「オリジナル作品」 と呼ぶ場合もあります。 「Original」 には 「本物」 という意味がありますから、これは正しい使い方ですが、オリキャラなどと同様に様々な意味で利用される、前後の文脈を見ないと定義しづらい言葉の代表みたいな感じですね。
何から何まで自分で作り上げる恍惚と苦悩
オリジナル作品は、パロディ作品などに比べると、遥かに 「体力の必要な」 創作形態です。 18禁 な内容の短編読み切りならストーリーを考えなくても大雑把な 設定 や シチュエーション だけで話が済む場合もありますが、ストーリーものにしろギャグものにしろ、独自のキャラを立て、世界観を作り上げる (かつそれを、独りよがりにならないようにキチンと物語でドラマチックに説明してゆく) 作業は、並大抵の苦労ではありません。
また読み手側も、既存の設定を使っていない訳ですから、キャラを掴んだり内容を把握するためにある程度継続して読むなどの努力が必要になります。 一定の評価が得られている作品や作家のものならば当たり外れもないでしょうが、作品のデキや自分の好みまでハードルとして考えると、マッチした作品に出会うのはかなりの苦労です。
結果、いわゆるパロディものの作品に比べると、とっつきにくいイメージがある一方、おしなべてクリエイティブな印象やその評価の高いのが普通ですが、描いている作家さんご本人は、「好きでやっているのだから」 と、とくに一見さんお断りなんてつもりも気負いもなく、趣味 として自然体で打ち込んでいる場合が多いようですね。 根っからのマンガ好きで、それこそ小学生の頃から自分なりの世界観を作っていたような人も多く、「新しく作る」 と云うより、「温めてきたものを描きとめる」 みたいな感じになってる場合が多いようです。
もとより、オリジナル作品とパロディ作品とを比べて、どちらが上でどちらが下か…などという考え方は全くのナンセンスである訳ですが、読み手から見ると、若干敷居の高いオリジナル作品。 けれど既存の作品にはない魅力的な作品を見つける事も可能な ジャンル なのですから、妙に高尚的なイメージを持たずに気軽に楽しんで行けたら良いですね。
オリジナル創作系最大の同人イベント、コミティア
なお 同人誌即売会 では一部の オンリーイベント を除き、それなりの規模のものならオリジナル創作専門の カテゴリ やジャンル、スペース や ブース がたいていは用意されています。 また自主制作漫画誌展示即売会として、オリジナル系最大の同人イベントに コミティア (COMITIA) とか そうさく畑 (2016年まで) というイベントもあります。
オリジナル専門の人、パロディ作品を出しながらオリジナル系の活動もやってる作家さん、あるいはプロとして商業誌に連載や掲載をしている傍ら、そのキャラで作品を同人出版している人など、参加の形態も様々です。 街の本屋さんで見かけるだけのマンガに飽き足らなくなったら、こういった世界を見てみるのも面白いと思います。