アニメ作品のキャラと世界観を借りた二次創作物 「アニパロ」
「アニパロ」 とは 「アニメパロディ」 の略で、既存のアニメーション作品の キャラクター や物語・設定・世界観 を借りて、自分なりの別の作品を作り上げること、あるいはそうして作られた作品のことです。 英語では 「Anime Fan Art」 などとも呼びます (日本製のアニメに関しては、Animation や Animated Cartoon などと呼ばず、Anime と呼称するケースが多いようです)。
本来 パロディ という言葉は、風刺や批判を笑いの要素で包みながら模倣して作る作品を呼びますが、日本における 「アニパロ」 発祥の頃の言葉の使い方とは大きく異なり、現在は 「既存アニメ作品からキャラや設定を借りたマンガ」 という意味になっていると云ってよいでしょう。 作品傾向はギャグがメインですが、18禁 なアダルト要素のある作品も多く、「エロアニパロ」「エロパロ」 などと呼ぶ場合もあります。
同人イベント などでとりわけ人気があるのは、こうした 元ネタ (原著作物) ありの 「パロディ本」 と呼ばれる 同人誌 となります。
初期の頃はギャグパロが中心、その後エロパロが台頭
「アニパロ」 の歴史は古く、例えばスポ根アニメ (スポーツ根性もののアニメ) やスーパーロボット関係のアニメなどは、昔からそれなりに 「突っ込み所満載」 なところがあり、子供心にも矛盾点に首をかしげたり、「明らかにおかしいだろこれ」 って所に 突っ込み を入れる作品は、大昔からありました。
大学あたりのマンガ研究会 (漫研) ではこれらの考察が面白おかしくなされていて、初期の 「同人誌」 は批評や作品の感想を綴ったものが多かったのですが、「あの通りに動くとしたら、中身はこんな感じか?」 などと、ロボットのおかしなギミック (無限に出てくるミサイル、関節がないのにしなやかに動く肢体) の透視図による再現などがギャグタッチでされていました。 これらは漫画の体裁にはなっていませんが、批評をユーモアで包んで模倣するという、教科書通りの 「パロディ」 となります。
しかしその後、同人の世界でも創作 (二次創作 を含む、イラスト や漫画や小説 (SS) などの作品の執筆) が広まって行くと、女性アニメキャラのちょっとエッチなイラストや、4コマ漫画、さらには長編の漫画などが次々と登場。 これらもくくりの上では オリジナル ではなく 「パロディ」 なので、そのまま定着することになりました。
著作権や法的な取り扱いとパロディ
元ネタ (原著作物) となった アニメ や マンガ、ゲーム などには原作者や版権所有者がいて、作品に対する権利は 著作権 で守られています。 著作権侵害は親告罪であるため、原作者が訴え出ない限り罪には問われませんが、違法性がないとまでは云えず、著作者黙認によるグレーゾーンの存在となっています。
コミケ の人気や、同人の盛り上がりを見て、一定の条件をつけて自作品の二次創作を認める発表を行っている美少女ゲームのソフトハウスや、自社が版権を持つアニメなどの作品の二次創作を認めようと話し合っているアニメ制作プロや、プロジェクトチームなどもありますが、一方で、断固とした法的処置も辞さないとする版元もいます。
自分で何かのアニメ作品の 「二次創作」 をしようと思った場合には、回りの空気や状況判断はしたほうが良いでしょう。 ちなみに有名なところでは、ディズニーアニメのパロディはご法度というのは お約束 となっています (恐らくどこかの 印刷屋さん に同人誌の 印刷 を頼んでも断られると思いますが)。