同人用語の基礎知識

ツッコミ

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ボケとツッコミの軽妙な掛け合いが笑いを誘う 「ツッコミ」

 「ツッコミ」 とは、上方漫才や吉本新喜劇を中心とした関西系のお笑い・漫才の世界での役割分担の一つで、相方 が行う ボケ に対して反論やおかしい部分の指摘を合いの手のように入れて話を進めることを指す言葉です。 「フリ」(前振り) を担ってボケのアシストをすることもあります。

 役割としてはボケの面白さ、おかしさを聴衆にわかりやすく説明したり、ボケとツッコミを交互にリズミカルに行うことにより、笑うタイミングを明確にしたり、際立たせる効果があります。 2人組の漫才の場合、ボケとツッコミが1人ずつ左右に立つのが一般的ですが、3人 グループ などでは2ボケ1ツッコミの他、ダブルツッコミになったり、役割が途中で変わったりもします。

 お笑い以外の日常生活の場においても使われ、ツッコミがされるのを前提にボケることは ツッコミ待ち、突っ込むべきポイントはツッコミどころ、それがたくさんある場合は ツッコミどころ満載 などと呼びます。 いったんボケに ノった と思わせて途中で突っ込むのは ノリツッコミ になります。

 同人 の世界における カップリング と対比されることもあります。 その場合、ボケは 受け、ツッコミは 攻め になぞらえることが多いでしょう。 これらは マンガ における キャラ の役割分担として扱われる場合もあります。

 なおマンガの世界にいかにも上方漫才や吉本新喜劇風のボケ&ツッコミの要素を組み入れたのは、「がきデカ」(1974年) で知られる漫画家、山上たつひこさんであると云われています。 元々硬派なシリアス系マンガを描いていた山上さんが最初に描いたギャグマンガ 「喜劇新思想大系」(1972年) からマンガにおける同様の流れが作られ、その後大ブレイクした 「がきデカ」 で完成し、他漫画家や作品に大きな影響を与えています。

ツッコミのスタイルや目的は様々

 一般的なツッコミのスタイルは、ボケに対して 「なんでやねん!」「そんなわけあるかーい」 などと大声で反論して否定する形でしょう。 その際、相手の体を手で軽く 叩い たりします。 あるいは 「おいおい」「やれやれ」 などと呆れて見せたりします。 これらはボケをクローズアップしつつ聴衆の気分を代弁する形で笑うべきタイミングを指し示す目的があります。

 一方、ノリツッコミなどとは別に、ボケの内容を解説・補足したり発展・飛躍させる形で笑いを誘って増幅するタイプのツッコミもあります。 例えばいかにも女性にモテない容姿の男性ボケ役が 「女の子から手紙もらった」 とボケたら、「逮捕状か」 と返すなどです。 この場合、非モテ なので 「女性から手紙などもらえるわけがない」 という否定や説明と、「もしもらえるとしたら性犯罪でも犯して女性警察官が逮捕しに来た時くらいだろう」 というボケに対する発展や飛躍が入っています。

 反論・否定パターンの場合、ボケの面白さを際立たせる形になりますが、解説・補足や発展・飛躍の場合、ボケよりはむしろツッコミが笑いの主役になる形でしょう。 実際はこれ以外にも様々なパターンがあり、お笑い芸人ごと、時代ごとの芸のスタイル・聴衆や ファン訓練のされ方 によってボケ・ツッコミの役割や面白さは グラデーション の中で揺れ動いています。

 お笑いは感覚的な部分も大きいので、全てがロジックで説明できるものでもないのでしょうが、言葉の選び方、解釈 の仕方やその説明方法、タイミングなどなど、話術・話芸として日々研ぎ澄まされているので、「なんでこれが面白いとされているのか」「どうして笑ってしまったのか」 を振り返って考えてみると、ギャグマンガなどを描くときのヒントになるかも知れませんね。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2005年2月21日)
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