思わずツッコミたくなる様々な仕掛け 「ツッコマレビリティ」
「ツッコマレビリティ」 とは、見た人が思わず ツッコミ を入れたくなるような状態、あるいはそうした隙や脇の甘さ、不用心さや間違いをわざと残すようなマーケティング手法の一つです。
主な手法としては、例えば答えがあまりに簡単すぎるクイズを出すとか、広告のデザインや 設定 のチープさ、ドキュメント風なのに作り物であるのがバレバレなわざとらしさとか、極端にゆるくやる気のなさを含んだ コンテンツ とか、あえて ネガティブ な部分をさらけ出す 疑似的・自虐的 な 自作自演 の ネガキャン などがあります。
こうした ガバい 広告や宣伝を見ると、つい 「バレバレやん」「どう見てもおかしいやん」「やる気だせやw」「ツッコミどころ満載」 といったツッコミやチャチャを入れたくなりますし、それは人にも伝えたくなったりします。 その結果、印象に残ったり、コミュニケーションのきっかけとなり口コミで話題が広がったりもします。
広告や宣伝は、単に情報を一方的に伝えるだけでなく、「見た人が次に何をするか」(させるか) を考えるのが大切です。 一般的にそれは 「その商品の実物を見たくなる」「買ってみたくなる」 といった購買に結び付けるものが多いのでしょうが、広告や宣伝があふれかえる現代にあっては、こうした 「ゆるい感じ」 が、ブランディング広告のもう一つの方向性として重視されるのでしょう。 またこれは、ネット や SNS など、口コミが大きく広がる装置がある現代でこそ、より活きる手法なのかもしれません。
あまりにあざといと、逆に冷ややかに見られたり
しかし一方で、いかにも ツッコミ待ち しているのが明々白々なものは、掲示板 における幼稚な 釣り行為 を連想させますし、釣り行為で 釣り針 が大きすぎるものはあざとくて見苦しく感じられて 無視・スルー されたり 痛い などと 叩かれ ますから、面白さとあざとさのちょうど良いバランスを探るのは結構難しそうです。
そもそも IT やマーケティング、コンサルティングの世界では、やたら 「○○+アビリティ」 のよくわからない陳腐なカタカナ言葉が造語されるので (○○ビリティ語なんて呼ばれますが)、この 「ツッコマレビリティ」 という言葉や 概念 自体が幼稚で寒々しいものだとする意見もあります。
ネットで何かを尋ねる場合は…
なお 「わざとツッコミどころを作る」 というのは、掲示板の世界の釣りなどと同様、かねてからその有効性は認識されていました。 例えば掲示板で分からないことを質問する際に、そのまま質問しても誰も返してくれない場合、あえて間違った レス を自信満々につけるとそれに対する批判・罵倒として正しい答えが返ってくると云うのは、2ちゃんねる などで急いで答えを知りたい時に有効な質問の仕方、裏技や ライフハック としてよく知られているものです。
こちらもあまりにあざといものは無視されたり、さらに間違ったレスがつけられて 大喜利 になることもありますが (だめじゃん)、「自分が正しい立場に立って他人を批判したい」 というのは人間の性なのかも知れませんね。