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社会交流か、人脈作りか、はたまた出会い系か…? SNS

世界最大のソーシャルネットワーキングサイト 「Facebook」(2004年)
世界最大のソーシャルネットワーキングサイト
「Facebook」(フェイスブック/ 2004年)
SNS の世界的大ブームを牽引した 「MySpace」(2003年)
SNS の世界的大ブームを牽引した
「MySpace」(マイスペース/ 2003年)

 「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」(Social Network Service) とは、人と人とのつながり、交流、あるいは出会いなどを主な目的とする ネット 上のコミュニティサービスのことです。

 末尾のサービス部分はサイト (Site) やシステム (System) の場合もありますが、指すもの、意味する内容はだいたい同じです。 略して SNSやYASNS、あるいはソーシャルメディア、単にソーシャルなどと呼ぶ場合もあります。

 ソーシャル (Social) とは社会という意味ですが、ネットの世界におけるソーシャル・ネットワーキングサービスとは、すなわち社会的なネットワークを インターネット の世界でシステムとして構築するサービスということになります。

 ほとんどのサービスで会員登録 (アカウント) が必要で、さらに登録・利用に対して実名や個人的な情報の入力が求められたり、参加のために既存会員の紹介や推薦が必要な場合もあるなど、「誰が参加するのか」「誰と誰がつながっているのか」 を重要視している点が、その特徴ともなっています。

 提供するサービスは、会員それぞれの プロフィール を紹介する機能、日記や ブログ、写真や動画を 共有 (シェア) する機能、共通の趣味や話題で情報交換するためのコミュニティやグループ機能、会員同士の メール やダイレクトメッセージ機能、そして誰と誰がつながっているのかをまとめた友達リスト機能などがあります。

 これらの機能は ログイン した会員のみが利用・閲覧可能で、基本的に非会員は見ることができませんが、SNS の世界が発展し、ポータルサイト、あるいはネットにおけるプラットフォーム的な性格を強く帯びる中、外部に積極的に公開してゆくスタイルにシフトしたサービスなどもあります (Twitter や Facebook など)。

「友達の友達は皆友達だ」? ソーシャルネットワーキングの考え方

 こうした社会的ネットワークを促進、発展させる試みは、当然ながらネットが登場する以前から存在しています。 友達が友達を紹介しあって人脈を作ったり、同じ趣味やビジネスに関わる人達が集まる交流会などがおなじみでしょう。 「友達の友達は皆友達だ」 というわけです。

 コミュニケーションの世界で、「六次の隔たり理論」(Six Degrees of Separation) というのがあります。 友達の知り合いの親戚の同僚の…といった具合に人間関係をどんどんつなげてゆくと、6人目くらいで間接的に世界中の誰とでもつながる可能性があるといった論理で、こうした考え方は人間関係をつなげて世界を広げようといった意欲的な取り組みを導くことにもつながっています。 SNSはネットの利用により地域を飛び越え、これを効率的、効果的に オンライン および日常生活で実現しようとの試みともなっています。

利用者同士のつながりを重視するサービス、SNS

「Theglobe.com」(1994年)
「Theglobe.com」(1994年)
「ClassMates Online」(1995年)
「ClassMates Online」(1995年)
「SixDegrees」(1997年)
「SixDegrees」(1997年)
「Friendster」(フレンドスター/ 2002年)
「Friendster」(フレンドスター/ 2002年)
「MyProfile.jp プロフィール&私書箱」(2002年)
「MyProfile.jp プロフィール&私書箱」(2002年)

 ネットの世界では、利用する際にほぼ完全に匿名の状態で参加が可能なサービスやコミュニティから、ある程度まで個人を特定するもの、完全に実名制のものなど、様々なものがあります。

 SNSの場合は、「人と人とのつながり、交流」 を目的としているため、参加者のある程度の特定が必須であり、またつながって交流するための情報 (利用者の プロフィール や個人名など) が強く意識され、誰と誰がつながっているのかを視覚的にあらわす点も重要視されています。

 こうしたサービスはインターネット初期、あるいはそれ以前の パソコン通信 の時代にもありました。 そもそも 電子掲示板チャット なども情報交換を通じた社会交流のためのツールだとも云えますし、趣味に特化したパソコン通信ホスト局は、SNSの原型とも云えます。

 またSNSそれ自体の考え方や 概念、定義も、時代を経るにつれ移り変わっていますから、ネットを使うのが人間である以上、ネットそのものがSNS的なものだとも云えます。

インターネット時代の SNS

 現在主流となっているSNSの直接の原型とも言えるサービスものは、ネット利用者らが自分や友人のプロフィール、メールアドレスのリストなどを公開したり共有するような使い方が注目を集めた、アメリカの 「ClassMates Online」(classmates.com/ クラスメイト・ドットコム/ 1995年) などの登場からとなります。

 しかし本格的に普及が始まったのは2000年代前後から、日本で SNS が話題となったのは 2003年の MySpace (マイスペース) の登場と、そうしたアメリカの情勢に影響を受けて 2004年に相次いで立ち上がった日本のサービス、GREE (グリー)、mixi (ミクシィ) の開設と発展、それをきっかけに 2005年に盛り上がった、いわゆる 「SNS ブーム」 からでしょう。

日本の SNS

 なお GREE、mixi の登場によって日本における SNS の時代が本格的に始まったのは事実ですが、アメリカで 「ClassMates Online」 が立ち上がったのとほぼ同じ頃に開設され、数十万から100万人超の会員を集めた 「みゆきネット」(1996年) や 「同窓会サイト 「この指とまれ!」(後に法人化し 「株式会社ゆびとま」 に) なども過去には存在し、実はかなり歴史があります。

 現在の SNS やプロフィールサイトに近いものでは、2002年9月から個人 運営 で開始された プロフィール 公開ページ&私書箱の無料提供サービス、「MyProfile.jp プロフィール&私書箱」 があります。 その後の相互コミュニケーション型の SNS に最低限必要な機能が揃いつつある点で、現在の日本 SNS の元祖的存在じゃないかなとも考えられます。

日本の SNS と出会い系、ゲームサイト

 一方、日本独特とも言える類似のサービスもありました。 アダルトな出会いを目的としたサイト、いわゆる 「出会い系サイト」 です。

 こうした種類のサイトは日本独自のものではないのですが、日本の場合、1999年2月に NTTドコモによる携帯電話によるネット接続サービス、i-mode (アイモード) がサービスを開始したことにより、「携帯電話でネットにつないで交流をするサイト」 という、独特の存在が世界に先駆け大きく発展することになります。

 この出会い系サイトは、個人が運営するもの、企業が運営するものの大きく2種類があり、一部に無料で利用が可能なものもありましたが、その多くは自販機で販売するプリペイドカードや携帯電話料金の 課金 システムなどを使い、有料で 「男女の出会い」 をサポートするサービスとなっていました。

 ただし企業系の運営サイトの実体は、サクラと呼ばれるオペレーターが一般会員のフリをしてユーザーを 騙し、有料のポイントを消費させる悪質な詐欺サイトが多くなっていました。 またサクラではない一般の利用者が男女ともに存在するサービスもありましたが、それにより児童買春や様々な犯罪の温床ともなっていたこと、さらに迷惑なスパムをたくさん送りつけてくることもあり、とにかく一般のイメージが悪いものでした。

 こちらの原型は、電話を使ったダイヤルQ2利用による有料伝言サービスや留守録サービスで、さらにその原型は繁華街にあるテレホンクラブ (テレクラ) なのですが、ネットを利用しない人、多くの一般人には SNS と出会い系の区別は付けづらく、また SNS の会員も出会い系としてサービスを利用する人が少なくない状況で、他国と比べてやや歪んだ、もしくは独創的? な発展を遂げているのは興味深く面白いところです。

ゲームサイトとネトゲとゲーム系SNS

 一方、ネットワークゲーム (ネトゲ) のゲームサイトも、SNSと似て非なる独特の存在です。 多くのネトゲでは、一緒にゲームをプレイしてもらうためのユーザー (プレイヤー) 同士のつながりをサポートする機能がついていますし、ゲーム 攻略 情報やゲームを一緒にプレイするためのチーム、仲間の募集のための掲示板や、ダイレクトメッセージ機能、チャット機能などを持っています。

 こうしたネトゲサイトの傾向は、その後はゲーム系ではないSNSもその要素を取り込み区別が無意味になりつつありますが、「ゲーム コンテンツ の提供」 というわかりやすい課金ポイントと、一部のサービスでは携帯電話料金からの利用料徴収という集金システムが利用できたためビジネスとして収益が上げやすく (一般的なネットビジネスと比べ、マネタイズしやすい)、不安定な広告収入に頼ることが多かったSNSのビジネスモデルが転換し、大きく発展する契機のひとつともなっています。

 また様々な専門性を持ったSNSが登場する中、過当競争も発生し、大々的にサービスを開始しながら早々に運営をうち切ったサービスなども存在します (2006年2月28日にサービス開始、2011年10月3日に運営を終了した Yahoo! Days など)。 今後のSNSの行方はかなり流動性を持っていると云えるでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2005年2月22日)
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