まったり、ゆっくり募集中なう…「緩募」
「緩募」「ゆる募」 とは、ゆるく募集しています、不定期にのんびり募集中、期限を設けずまったり募集中といった意味の ネットスラング の一種です。 読み方は 「ゆるぼ」 です。 「かんぼ」 ではないのは、「ゆるく募集」 の略語だからです (ちなみに何となく援の影響で 「えんぼ」、暖の影響で 「だんぼ」 とも読んでしまいますが、これは間違いです (筆者 もそうでした…)。
用語の成り立ちとしては、求人広告などに 「急募」(急いで募集します、大至急募集中) という表現がありますが、言葉としてはこれの対義語 (というより、しばしばシャレとしての ネタ 概念) となります。 別に急いでいるわけでも、あるいは場合によっては本当に募集しているわけでもないけれど、もし集まったら良いなぁ、応募があったら面白いなぁといったかなりアバウトな使われ方をする言葉で、求人や話題、ネタの募集、アンケートの募集などに使われる場合もあります。 いずれにせよ、あまり厳密に定義に沿って使われる言葉ではありません。
「急募」 に対して 「緩募」 というのは誰でも思いつきますし、言葉としては昔からありますが、ネット の世界ではコミュニティ系のサイトなどで友達や同じ 趣味 の人を集うような形で比較的初期の頃から使われています (「まったり募集中」 も多かったです)。 その後、2000年代後半に普及したミニブログ、Twitter などでヘッダとしての隅付きカッコ (【】) つきの 【緩募】 が頻出。 広く使われるようになりました。
急募と書いて全然集まらなかったら…ちょっと恥ずかしいよね的な
Twitter などでよく使われる 「緩募」 |
ネットの中でも迅速でリアルタイム性が特徴の Twitter などで、ことさらに 「ゆるく」 募集するのも、用語としてシャレが効いていて面白いものですし、急募の対義語としての面白みもあるのが 「緩募」 です。
しかし、実際にそうしたネタのつもりで使っている人もいる一方、本当に募集したくてこの言葉を使う人もいます。 その場合、普通の募集ではなくあえて 「緩く募集」 とするのは、なぜなのでしょうか。 これについては、「きちんと真剣に募集して全く応募がなかったら、ちょっとみっともない」 という、独特の空気からこうした言葉を使っているケースも少なくないようです。
フォロー の募集や、同人サークル の仲間や コスプレ の仲間を集めたり、お題 を出してのネタや話題の募集など、様々なケースで 「緩募」 は使われますが、メール による個別対応と違い、Twitter の場合はダイレクトメッセージを除けば外から ツイート (つぶやき) や他の利用者からの反応があけすけに見えてしまいます。 反応ゼロ、応募ゼロだった場合に備え、ある種のエクスキューズ、あるいは 壁打ち としてこうした表現を使っている人も案外多いのかも知れません。
自分の好きなもの、クラスタを表現する使い方も
なおネタ用語として使う場合は、自分の好きなもの、興味のある話題や 属性 などを紹介する目的で使う場合もあります。 例えば人気タレントの ファン なら、「【緩募】○○ちゃんみたいな女の子」 などと書いて、自分はタレント○○のファンだ、その クラスタ の人間だと表す意味になります。