もう学校も会社も取引先も全部爆発しろ!
「爆発しろ!」 とは、気に入らないものや人、見ていて腹の立つものや、嫌で嫌で仕方がないもの、例えば学校や会社、仕事や上司、人間関係などを 「この世から消えてしまえばいい」 と罵倒する言葉です。 相手もろともこの世が滅べとの 「地球爆発しろ!」 とか 「粉々になれ!」 なんて言い方もあります。
言葉としては マンガ における 「爆発オチ」 とか、ある種の破滅願望の極端な過剰表現で、意味として一番近いのは 「死ね」 とか 「くたばれ」「FUCK YOU」 なんて感じなんでしょうが、「爆発しろ!」 にはちょっとしたコミカルな印象もあり、ネット 界隈 では非常によく使われる ネットスラング のひとつともなっています。 運動会が嫌な子供が 「明日雨になれ」「学校が火事になれ、いや爆発しろ」 などと表現することは良くありますが、そうした幼児性のある言い回しが、ちょっと微笑ましい感じです。
なお 誤変換当て字 で、「爆発白」 とか 「爆発城」 なんて書かれるケースもあります。 また似たような表現で、「爆ぜろ」(爆発しちまえという意味で、はぜろ (はぜちまえ) の意) という言葉もあります。 ファンタジー系 のマンガや アニメ・ゲーム で、魔法使い などが敵である モンスター を爆殺するような呪文詠唱的描写であり、使いどころはだいたい同じですが、意味や ニュアンス はこちらの方が近いでしょう (なお30歳まで 童貞 だと魔法使いになれるという話もありますが、関係があるのかないのかは不明です)。
毒気のないコミカルな言い回しが 「Twitter」 でブレイク
こうした表現は パソ通 の時代から存在し、また インターネット の 掲示板 やら チャット の世界でも良く使われる言葉ですが、とりわけ2007年頃から広まったミニブログ Twitter (ツイッター) の 「つぶやき」 で、2009年頃から数多くつぶやかれるようになり、新しい流行語のような形で広がっています。
携帯端末から今の自分の気分をあけすけに 「つぶやける」 だけに、憂鬱な雨が降る月曜の朝とか、非モテ で寂しく一人で歩いていると街中ですれ違う キャッキャウフフ と元気な リア充 などに対する 自虐的 な憎悪の言葉といった感じですが、「死ね」 に比べると毒気もなく、面白みのある言い回しとなっているので人気となっているのでしょう。
なお 「リア充爆発しろ!」 と云われたリア充は、その反論として、「いや…、俺が爆発すると困る人がいるから…」「悲しむ人がいるから…」 などと切り返すのが徐々に定着しているようです。
頭爆発とスキャナーズと 「頭がパーン」
ちなみに 「頭爆発!」 なんて言い方もあります。
「頭爆発!」 は自分が切羽詰ってテンパること、「頭爆発しろ!」 は、気に食わない人の頭が爆発して粉々になれ、頭パーンしろ! との意となります。 「スキャナーズ」 も同じ意味で使われます。 こちらはSFホラー映画 「スキャナーズ」(Scanners/ デヴィッド・クローネンバーグ/ 1981年) の、超能力により相手の頭を吹っ飛ばす描写に由来しますが、映画が大ヒットとなったこと、頭が破裂する衝撃的なシーンが宣伝に多用され話題となったこともあり、当時は日本でも流行語となっていました。
また 「頭がパーン」 といえば、「頭破作七分」(頭破七分) というのもあります。 一部の仏教系宗教団体などが使っている言葉で、その宗教団体の教義上、悪いこと (頭破作七分の罪) をすると頭が7つに別れて破裂して死ぬ、そして地獄へ落ちるというもので、その団体の熱心な 信者 とされるテレビタレントが使っていた言葉としても一部で知られています。
マンガやアニメにせよゲームや特撮、宗教にせよ、悪は最後には爆発四散して跡形もなく滅ぶ、消え去るのが お約束 なので、自分とは相いれないリア充をそれに見立てる子供っぽいヒステリーさは、同じ境遇の人にとっては ネタ として笑えたり共感できるものなのでしょう。