睡眠から目覚め寝床から起き上がった… 「むくり」
「むくり」 とは、目が覚めた、起床したとの意味の ネットスラング のひとつです。
主に Twitter など、リアルタイム の情報のやり取りが行われる場所で使われ、むくりと布団やベッドから起き上がる様をあらわす擬態語をそのまま使った言葉となります。
単なる独り言として扱われる場合が多く、とくに返事を求めるものでもないのですが、これを見た フォロワー などが 「おはよう」 などと リプライ (リプ/ 返事、レス) を返してくれると喜んだりもします。 ある種の 生存証明 というか、「もう起きたから、今からリアルタイムで Twitter でやり取りできるよ」 といった意思表示にもなっているのですね。 一方でこうした言い回しを 「キモイ」「押し付けがましい」「これが ツイッター廃人 か…」 と感じる人も少なくないようです。
「おはよう」 じゃなく 「むくり」 なのは、なぜなのか?
誰かに向かって自分が起床したことを伝えるのなら、普通は 「おはよう」 や 「おはようございます」 でしょう。 あるいは 「今起きた」(今沖田) などでも良いはずなのですが、なぜ単なる擬態語である 「むくり」 がこれほど広まっているのでしょう。
これはひとつには、「おはよう! …と挨拶して誰からも返信がないと恥ずかしい、みっともない」 といった独特の感覚から、「無視されても構わないぶっきらぼうな言い方」 が、好まれているという部分もあるのでしょう。 睡眠から覚めて 「今から Twitter でやり取りができますよ」 とはっきり文章で書く意思表示よりも手軽ですし、反応が皆無でも 「むくり」 なら腹も立たないし自分も傷つきません。 そんな ネット の微妙な距離感に、これがピッタリとマッチするのでしょう。
もっとも、いったん流行語となって広まると、そうした意味やそのつもりなどなく、「単に面白そうな Twitter 用語 を使っているだけ」 という意識でつぶやいている人も多いのでしょうけれど。