有名人がつぶやくと…急激なアクセス増加でサーバがピンチ 「Twitter砲」
突然のアクセス増加でサーバがピンチ 「Twitter砲」(ツイッター砲) |
「Twitter砲」 とはミニブログ Twitter において、有名人、著名人など数十万人からの フォロワー を持つ利用者が、URL つきのつぶやき (ツイート) を行うことによって、その ホームページ (ウェブサイト) に膨大なアクセスが殺到する状態のことです。
例えばフォロワー数が40万人の有名利用者がいて、その人がTwitter上でサイトの紹介を 共有 する目的で行うと、40万人のフォロワー全員がアクセスすることはないにしても、短時間に数千から数万ものアクセスが発生するでしょう。
さらにそのツイートが興味深く面白いものだった場合、フォロワーが リツイート (元ツイートを転載する形でつぶやくこと) を行い、そのリツイートしたフォロワーのフォロワーがさらにリツイートを繰り返すなど、ねずみ算式に情報の 拡散 が進み、一挙にアクセス数が膨れ上がることになります (フォロワー数の少ない利用者のツイートを、フォロワー数の多い利用者がリツイートすることにより拡散する場合もあります。
ネット 上で、大勢の人が見ている場所での紹介が元でアクセスが殺到する現象には、日本最大の総合ポータルサイト、Yahoo!JAPAN (ヤフージャパン) のニュースに紹介されたことにより発生する Yahoo!砲 という言葉があります。 Twitter砲 (ツイッター砲) は、これの派生語となります。
なぜ 「砲」 なのか?
なお 「砲」 という攻撃ツールのような名前が付いているのは、ネットの世界でウェブサイト (サーバー) に負荷、トラフィックを与え攻撃するためのツール類を 「砲」 と呼ぶ習慣があるからで (田代砲 に由来)、あたかも DoS攻撃 や DDoS攻撃 を食らった時のように高い負荷が発生することから、ある種のシャレ、ネットスラング としてこう呼ぶようになっているからです。
Twitter砲 や Yahoo!砲の発信者には基本的に悪意はなく、素晴らしい情報だと好意的に紹介しているだけなのですが、あまりに影響力の大きな個人やサイトが取り上げると、それだけでまるでDoS攻撃を仕掛けたかのような膨大なアクセスが発生します。 サイトを立てているサーバが脆弱なものだった場合には、それによってサイトの動作が極端に遅くなったり、最悪のケースでは接続できない状態に陥ること (落ちて しまう) もあります。
もっとも Twitter の場合には、晒し あげ、悪意から紹介する場合もあり、善意からの紹介であるYahoo!砲とは、言葉の ニュアンス としてはやや異なる場合もあります (本来は好意的に紹介された場合のトラフィック増を指す言葉として使われるようになった言葉ですが、そうでない使い方をする人もいます)。
バイラルマーケティング、炎上マーケティングと Twitter砲 (ツイッター砲)
2009年頃から日本でも利用者が増大した Twitter。 それにより、個人のクチコミツールとしての使い方を超え、商業 マーケティング、業者による広告広報の手段として、Twitter が利用されるケースも増加しています。 ソーシャル・ネットワーク・サービス関係では、フラッシュマーケティング が有名ですが、これと同じようなマーケティングは、様々なものがあります。
商売抜きのクチコミのように見せかけて、実は広告費を貰ってやらせの宣伝をしている ステルスマーケティング (ステマ) や、不誠実な バイラルマーケティング の一種として、この Twitter砲 を使う人 (アカウント) も増えています。 通販サイトによっては、ツイッターのツイート経由でアクセスを行い購入にまで至ったユーザーを識別し、それによって対価を支払う専用の アフィリエイト を実装しているところもあります。
こうした Twitter を利用したマーケティングは功罪相半ばすといったところでしょうが、中には悪質なものもあります。 とりわけ、ネット上でわざと問題のある発言などを 自作自演 で行い、いわゆる 炎上 や 祭り と呼ばれる状態を意図的に引き起こして注目を集める 炎上マーケティング (炎上マーケ) などは、モラル的に問題がある 「悪いマーケティング」 の代表選手のような存在でしょう。
炎上系は興味半分で見たくなることもありますが、こうした意図的な炎上に付き合うのも時間の無駄でしょうし、わざわざリツイートなどして、その情報拡散のお手伝いをするのも馬鹿げた話です。 まして炎上マーケを仕組んだ人が、詐欺まがいのネット商売などをしている場合、その悪事を間接的に手伝うことにもなってしまいます。 しかも Twitter を利用する場合、その悪事の被害に遭うのは自分を フォロー してくれている友人や理解者たちです。
自分なりのモラルときちんとした ネットリテラシー を持って、賢くネットを利用したいものです。