サイト更新したら寝てるだけで小遣い稼ぎ…? 世の中そんなに甘くない ><
「アフィリエイト」 とは、自身が 運営 する ホームページ (ウェブサイト) や ブログ、メルマガなどを広告媒体とし、そこに企業や 商業 サイトへとつながる リンク を 設定、閲覧者がリンクを経由してその企業や商業サイトでサービスを受けると、リンク元となった広告媒体の持ち主に報酬 (紹介料) が支払われるタイプのウェブ広告のひとつです。
アフィリエイトという名称はアフィリエイト・プログラム (Affiliate Program)、もしくはアフェリエイト・マーケティング (Affiliate Marketing) の省略された名前ですが、さらに略して 「アフィ」 としたり、別の名称でアソシエイト・プログラム (ネット通販大手 Amazon が提供しているアフィリエイトのサービス名) や、アフィニティ・プログラム (Affinity Program/ 親近感のある広告) と呼ぶ場合もあります。 なお Affiliate そのものの意味は、英語で提携する、関係する、系列、加入といった意味となります。
アフィリエイト広告は、クリックによるサイト誘導や商品の購入、サービス利用、新規 会員登録などの 「成果」 が生じて初めてインセンティブとしての広告費が生じる広告であるため、それ以前までの 「単に表示するだけ」 のPR方法に比べ、広告を出稿するクライアント企業にとって 費用対効果 の優れた広告手法とされています。 また広告と販売方法とが一体化し、特定のユーザーに積極的にPRを行うダイレクトマーケティングの1つとして、広告そのものの効果も高いとされています。
その広告費発生の仕組みから、成果報酬型広告、成功報酬型広告、売上成功報酬型広告とも呼ばれます。 また広告媒体を持っていてこうした広告を積極的に配信して報酬を得る人達を、とくにアフィリエイターと呼びます。
アフィリエイト広告の登場と、クリック報酬型と成果報酬型
初期のアフィリエイトサイト cybererotics.com |
初期のアフィリエイトサイト amazon.com |
こうした手法の広告については、アメリカのアダルトサイト運営企業、Cybererotics (右図) が、サイトへの誘導を図るクリック報酬型 (クリックスルー型) の広告を 開発、1990年代に配信したのがそのルーツとされています。
その後、同じアメリカの書籍通販大手、Amazon がアソシエイト・プログラムを開発。 人気企業サイトのみならず、個人の人気サイトからも膨大なアクセスと通販成立を集め、急激に成長することで新しいウェブ広告手法として定着しました。
広告主、アフィリエイター、ユーザー、皆が得する広告?
ネット における広告手法には様々なものがあります。 単にリンクや バナー、ブログパーツ を貼るだけの広告や、商品名などをサイト上に表示して知らせるだけの広告などもあります (広告費還元がないものもある)。これらに比べるとアフィリエイト広告は、PR広告を出稿するクライアント企業にとっては具体的な効果があって初めて費用が発生する点でムダがなく、費用対効果が極めて高い有利な広告プログラムとされています。
またアクセス数が少なく、表示回数で報酬が発生するタイプの広告では利益がでないか全く相手にされない規模の広告媒体に過ぎない個人サイトでも、記事と広告を上手くマッチングさせるなどの工夫によって、高い成約 (コンバージョン) を得て十分な収益を得られる可能性があります。 これは結果的に広告掲載媒体が大手サイトだけに 限定 されず、露出 機会を大きくする効果をもクライアント企業にもたらす効果もあります。
さらにその広告媒体となるサイトやブログを利用する閲覧者も、サイトの記事やエントリーで触れられている商品の詳細をクリックするだけで見ることができたり、気に入ったらそのまま購入することができて利便性が上がるなど、十分なメリットがあるといって良いでしょう。
この結果、「関わる人全てがハッピーになれる広告」 として、2000年代からは主流のウェブ広告方法として広まることになりました。 いわば win-win-win の広告方法だとされたのですね。
なお広告の配信ルートとしては、amazon や後の楽天、その他のショッピングモールのように、自社でアフィリエイトプログラムのシステムを運用し、独自にアフィリエイターを集めているケースもあれば、広告出稿者と広告媒体との間を取り持つ代理店 (ASP/ アプリケーションサービスプロバイダ) を挟む場合もあります。
寝ている間にお小遣いが稼げる…そんなうまい話はないです><
まるで良いことずくめのようなアフィリエイトですが、実際はそう簡単に売り上げが発生することはなく、掲載する媒体の規模や記事傾向によっては、その他の広告方法の方が誰にとっても有利になる場合も少なくありません。 またよほどアクセスが多く、かつサイトやブログの記事内容とそれを利用する閲覧者の傾向とアフィリエイト広告の種類が合致しなければ、いくら宣伝しても利益が生じないケースもあります。
アフィリエイトを利用しているサイトやブログの運営者、アフィリエイターのうち、およそ7割から8割が、月に1,000円未満のアフィリエイト収入しか得られておらず、月収5,000円未満が9割を超え、毎月3万円を超える報酬を得ている人は全体の2%程度との調査もあります。 これでは、毎日何時間も頑張ってアフィリエイト活動をしても、得られる収入は最低賃金をはるかに下回る レベル でしょう (アフィリエイトは業務の請負や委託などと同様、労働法における最低賃金の 枠 に入りませんから本人が納得していれば構わない話ではありますが)。
一方で、アフィリエイト上級者やトップアフィリエイターと呼ばれるような人は、それ専業で生活が成り立ったり、会社組織として多くの利益を得られるケースもあるのですが、ようはアフィリエイトの世界でも大きな格差、稼ぐ人稼げない人の二極化が生じているということなのでしょう。
またアフィリエイト広告を配信する ASP のシステムやサーバが脆弱だった場合、アフィリエイト広告の表示に時間がかかり、それが原因でサイトが重くなったりデザインが崩れるなど、サイト運営に悪影響を与えるようなものもあります。 悪質 ASP の場合、成果があったのにそれをアフィリエイターに申告せず利益を還元しなかったり、広告クライアントが集められず、利益の発生しない自社広 (自社広告) ばかり掲載される状況もあります (どこを見ても、アフィリエイトなら A8.net バナーだらけ…)。
さらにアフィリエイトが儲かるといった話がひとり歩きし、スパム、詐欺まがいのアフェリエイトサイトが無数に量産されてネット全体に広がり有益な情報が見つけにくくなってしまったり、広告に誘導するための騙しリンクや、広告であることを隠した ステルスマーケティング (ステマ) といった偽記事や嘘エントリーも広がるなど、「アフィリエイトの出現でネットがつまらなくなった」 との感想を持つ人も少なくない状態ともなっています。
どうせ大したお金が儲かるわけでもないのに、必死にアフィリエイト広告のためにサイトを作る人は、外から見ていて哀れにも感じられ、時には 「アフィ乞食」 などと罵倒されるケースもあります。
アフィリエイトの仕組みと報酬額は…?
アフィリエイトの仕組みは簡単で、商品やサービス提供へのページへ飛ぶリンクを設定する際、URLの一部に広告媒体主を識別するID (アフィリエイトID) が含まれていたり、クッキー (Cookie) にリンク元の情報を持たせ、「どのサイトのどのリンクから飛んできたのか」「どの商品を買ったのか」 を、判定するだけです。
クッキー制の場合、誰かのアフィリエイトクッキー情報を持ったまま閲覧者が購入を行うと、直接広告媒体からジャンプして購入しなくても、一定期間はそのアフィリエイターの 「実績」 としてカウントされる場合もあります (これを悪用し、他人のアフィリエイトのクッキー情報を上書きすることだけを目指し、サイト自体にクッキーを仕込んで強制するスパムサイトなどもあります)。
報酬額は、購入にまで至った商品の価格の2%とか5%などが一般的ですが、アダルトショップや情報商材系、金融、健康食品や一部の高額商品などの場合、売り上げの50%や100% (月額制の動画サイトなどで、継続利用を前提に、申し込み金額の全額が報酬になる) などの、高歩合なものもあります。 またアフィリエイターとしての実績を積み上げ、一定額以上の売り上げを継続して維持すると、報酬額が上がってゆくタイプのものもあります。
報酬はいつでも支払ってもらうことができますが、あまりに小さい金額ですと銀行振込手数料などの支払いコストがかさむため、通算で5,000円以上になった場合とか、10,000円以上になった場合のみ支払いが可能になるタイプのものが多くなっています。 そうした制限がないものもありますが、支払い手続きごとに手数料が発生するケースが多いため、なるべく金額を貯めてから支払ってもらった方が有利なものが多いでしょう。
中でも海外に会社やサーバがあるアダルトサイトなどは、支払いも ドル → 円 の為替手続きを挟むため、手数料が高額となる場合もあります。 もちろん円高など為替相場によって日本円での受取額が変動しますから、そうした部分もしっかり管理する必要があるでしょう。
儲からないなら、アフィリエイトはやってもムダ?
これらの話を見ると、毎日数万から数十万以上のアクセスを持つサイトやブログを持っているとか、アフィリエイト専門の集客サイトを複数持っている人でもない限り、「アフィリエイトで小遣い稼ぎ」 も難しい現状が見えてきます。
ネットが普及しだした初期の頃 (1995年〜1990年代末頃まで) は、クリック保証型の報酬も高額でしたが (PCサイトで1クリック30円とか50円とか、ありえない高額報酬でした…携帯サイトはそれ以上の場合も)、2005年以降は、「苦労してアフィリエイトリンクを貼る手間を考えたら、やらない方が金銭的に合理的」 な状況もあります。
しかし一方で、アフィリエイトには別の側面もあります。 例えばサイト運営者が、人気のテレビタレントやアイドルの 画像 などを勝手に自分のサイトに貼り付けると 著作権 で違法になりますし、場合によっては肖像権侵害で訴えられる可能性もあります。 しかし amazon のタレントやアイドルの写真集・カレンダーなどの広告素材をアフィ素材として貼るぶんには、法的な問題は生じなくなります。 好きな芸能人の写真などを自分のサイトに合法的に貼って飾るために利用する人は、実は結構多いものです。
またあるサイトを利用している人にとって、そのサイトを応援したい、苦労して更新してくれている 中の人 に何か貢献したいと思った時に、アフィリエイトはある種の 「投げ銭システム」 として機能している面もあるでしょう。 筆者 も、どうせネットで買物をするのなら、いつも面白い話題で楽しませてくれている個人サイトのアフィリエイトリンクを経由して買うようにしていたりしますし。
さらに 「自分買い」 が規約で許されているアフィリエイトに登録すれば、アフィリエイト収入分の割引で購入しているのと同じ効果があるでしょう。 オタク な人で自分のサイトを持っている人は、オタク系の通販サイトのアフィリエイトに登録して、自分のサイト経由で買い物をしている人もいますし、自分買いが規約で許されていない場合、友人のサイトを経由してお互いに買い物をしてお金を節約している人もいます。 わずか5%程度のインセンティブであっても、DVD BOX やゲームハードなど、数万円もする高額商品を買えばメリットも小さくないでしょう。
さらにさらに、より ニッチ すぎる使い方としては、自分のサイトの記事が 炎上 するなどして急激に注目を集めた際に、有象無象がやってくるのを避けるために、ことさらにアフィリエイトを貼りまくるという嫌がらせ? もあります。 何らかのまとめサイトなどから飛んできた人は、アフィだらけのサイトを見ると 「炎上しているやつにお金儲けをさせている」 ような気分や錯覚を覚え、白けてしまうのですね。 これが原因で逆に炎上が激しくなることもありますし、実際はほとんど売り上げなども経ちませんけれど、実際の効果はケースバイケースではあるものの、炎上の内容によっては考慮してみても良いかもしれません。
一口にアフィリエイトといっても、ようは 「使い方次第」 といったところでしょうか。
コピペするだけでアフィで楽に稼げる…? それを嫌う空気も
∧_∧ (´・ω・`) n  ̄ \ ( E) フ アフィ /ヽ ヽ_// |
スレッドなどに貼ってアフィリエイトサイトや ブログを揶揄し、まとめの邪魔をするAA |
ネットでアフィリエイトを使って利益を得ることを嫌う空気のことを、俗に 嫌儲 と呼びます。
狭義には、掲示板 2ちゃんねる などの面白い スレ (スレッド/ トピック) などを 「コピペ」(コピー&ペースト) して作った 「コピペブログ」(転載ブログ)、まとめブログ (2ちゃんねるコピペブログ)、まとめサイト などにアフィリエイトを設置・活用して、「お金を稼ぐこと」 を嫌う感情や意見を指します。
その後この言葉は2ちゃんねるコピペブログから離れ、アフィリエイトだらけで中身があまりないスパムまがいのブログに対する嫌悪感や、2ちゃんやネット関連の 書き込み の引用やコピペ中心で作った書籍類の発売への反発や、動画サイト などで公開された音楽PVの商業展開、ひいては 「他人がネットを通じて金儲けすることそれ自体が気に食わない」 とする感情、ネットの空気を表す言葉ともなっています。
実際は面白いスレッドを見つけ迅速適宜に編集してアップするのは大変な手間がかかりますし (全て自分で考えて長文を書くよりは楽かも知れませんが…それを毎日継続するのはかなり大変です)、アフィリエイトもそう簡単に儲かるものでもありません。 性格やモチベーションのありようにもよるのでしょうが、余暇時間の大半を費やすか、専業でもなければ、続くものでもないと思います。
しかし2ちゃんねる系のコピペブログ (アフィブログとも) はアクセス数が膨大な 大手サイト が多く、トラフィックを求めるブログサービスが、通常は個人のこの手のサイトでは内容的に規約からまず利用が不可能な グーグルアドセンス (Google Adsense) を仲介して利用が可能となっている点などもあり、それなりの利益は得ている可能性が高くなっています。 その結果、何かと 叩かれ がちなムードがあります。