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うわっ…私の年収低すぎ…? 盛り上がる 「広告パロ」

 「広告パロ」 とは、主に ネットサイト などに掲出される バナー画像) による広告を ネタ とした パロディコラ二次創作 のことです。 「広告ネタ」 とも呼びます。

 それ以前にもテレビ CM や雑誌広告、あるいはそれらを発端とする流行語などを題材・元ネタ にしたパロディや二次創作などはありました。 しかし インターネット の時代となり、パソコンやスマホが普及すると、一部の 「うざい くらいに頻繁に掲示されるアドセンスのバナー広告」 が注目を集めるようになります。 これらのうちのいくつかは、その内容から ネットスラングネットミーム が生まれたり、AA になったり、それを元にした作品なども作られるようになりました。

 もちろん広告などは膨大な種類がありますが、やたら目にして誰でも知っているであろう レベル の広告はある程度絞られます。 またありがちなコンプレックス系広告でも気持ちの悪い画像を伴うもの (例えば鼻の毛穴などから老廃物や角質がでるようなもの) は不快感が強すぎて、ネタにすら選ばれない場合が多いでしょう。

 という訳で、ここでは 時代や カテゴリ ごとに、代表的なものを少し見てみましょう。

時代を彩る? やたら表示されまくった実写系バナー広告


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うわっ…私の年収低すぎ…?AA

 もっとも有名で、ある意味でもはや伝説化しているのは、株式会社キャリアデザインセンターが 運営 する転職サイト 「@type」 が展開した 「うわっ…私の年収、低すぎ…?」 シリーズでしょう。

 口元を手で覆い、驚いた表情をする顔画像で構成されたこの広告はあまりの掲出頻度の高さ、キャッチーでインパクトのある内容からブレイク。 またこれと同じような内容の 「えっ…俺の不動産、こんなに高く売れるの…?」 という不動産一括無料査定サービス 「イエイ」(セカイエ株式会社) の広告もありました。

 いずれも フリー素材 のモデルさんの写真を使ったバナーでしたが、とくに後者の不動産査定サービスのそれは、起用されたモデルさんが 「日本一インターネットで顔写真が使われている男」(大川竜弥さん) と呼ばれるほどの話題となりました。

 また少し遅れてサントリーウエルネスが展開した 「ニオイ」 シリーズも、その気持ち悪さから話題に。 もっぱら若い女性のバストアップ写真に 「パパ、いいニオイ♪」 とか 「お父さん、いいニオイ♪」 などと大きなキャッチが入り、「実は、女性の9割は男性のニオイを気にしています。」 や 「いいニオイのパパが好き!(26歳 女性)」 などのリード文がついたものでした。

 これは男性向け商品の広告ですが、女性向商品の場合は 「えっ、42歳?子持ちに見えない!」「えっ、48歳?カワイイ!」 などのアンチエイジング系広告が多く配信されていました。 中には男性向け強壮剤で 「52歳「スゴイ!」と妻が…」 とか 「52歳、妻を喜ばせたい!」 といった、男性週刊誌の広告にありがちなストレートすぎるものもありました。 サントリーウエルネス系広告は一時期大量に配信され様々なバージョンがありますが、大手有名企業らしからぬ直接的で品のない広告ばかりで、その気持ち悪さから批判の声も多く、その後こうした表現のものは激減しています。

マンガ・アニメ系バナー広告も様々なものが

 マンガアニメ 関係のバナー広告の場合、非エロ・健全系 では 「めちゃコミ」(めちゃコミック) の広告が有名でしょう。 アニメgifによって何コマか切り替わるタイプのものが大半で、中でも同サイトに掲載されているマンガ 「ワタシってサバサバしてるから」「パンメーカーのコムギくん」「足場やろう」「国民ボタン」 の広告は、バナー広告四天王と呼ばれています。 普段利用しているサイトやネットサービスにもよりますが、この4つの広告は日本人でネットを頻繁に使っていれば誰でも数百回は見ているかもしれません。

 中でも 「ワタシってサバサバしてるから」(ワタサバ) は作品そのものの面白さから 百合系 をはじめ二次創作もかなり作られ、それを受けたスピンオフも登場し大きな話題に。 2022年12月にはあろうことか NHK で実写ドラマ化され、「我が道を行く自称サバサバ系の ”ワタサバ” 女が贈る、痛快共感型コメディー」 として 主人公 網浜奈美の人気がうなぎ登りとなっています。

 また同じくマンガ系で広告を出しまくっている 「コミックシーモア」 の作品群もよく話題に上ります。 こちらで特筆すべき存在と云えば、俗に 「エジプトBL」 とも呼ばれる 「ENNEAD」(エネアド) の広告でしょう。 エジプト神話を題材とした BL 作品の広告ですが、SNS を中心に手広く配信されており、その圧倒的な掲出頻度と無料分で全体の4割、30話分も読めること、何より 普通に 作品として面白くて 「ウザいくらい広告がでるけど面白いから読んでみて」 といった自主的な 布教 にいそしむ 読者 が現れる騒ぎとなっています。 筆者 も読んでみましたが、まあ普通に面白いですw

 ゲーム 関係では、「ビビッドアーミー」(ビビアミ) の広告が有名でしょう。 とりわけサービスを開始した2019年3月前後くらいからしばらくは、ちょっとネットをよく使う人なら、1日300回やそこらは自分のデバイスのモニタにビビアミの広告が表示されていたはずです。

 この広告がとくに印象に残るのは、その掲出頻度もさることながら、実際のゲーム内容とはかけ離れた、エッチな内容となっていたからでしょう。 その内容は、「な、なんですか? しまってください…」「下半身に響く超戦略バトル♥」「…ここで…するの…?」「置いていかないで 捨てないで…」 といったキャッチにおおむね恥ずかしがったり困ったり泣いている女の子の イラスト があしらわれたものです。

 さながら 18禁 のエロゲーのようなたたずまいですが、ゲーム自体は リアルタイム ストラテジーゲームであり、一部で詐欺だ誇大広告だなどと騒がれる結果にも。 その後は様々なアニメとの コラボ なども行い、それに伴いコラボアニメのキャラのバナーなどに置き換わり、徐々に掲出頻度も下がることになっていますが、全盛期には1日600回は表示されていたかも知れません。

 エロ系バナーは、それこそ有象無象の世界ですが、圧倒的掲出頻度でビビアミ同様話題になったものには、「今オナニーできないなら絶対にプレイしないで下さい (今オナ)」 で有名な 「DMM GAMES.R18」(FANZA) のアダルトゲームの広告宣伝があります。 こちらもバリエーションがたくさんあり、インパクトのあるキャッチなどと共に、ネタにされることが多い広告です。 こちらはおおむね1日1,000回は見る羽目になっていたかもしれません。

 一方、主に海外系エロサイトなどに表示されるものでは、「ブスな女の子はチンポ求めてる (ブスチン)」 もあります。 そのあんまりと云えばあんまりな文字列が話題になり、ネタとして触れられることもありますが、広告元は複数あるものの基本的には詐欺かそれに近い海外の出会い系サイトなので、クリックして訪れるのはやめた方がいいかもしれません。

怪しい日本語、へたくそ失敗プレイ…イラつかせポイントマックス

 パソコンで閲覧した際に出てくる一般サイトの広告とはまた別次元の存在感を示す広告に、スマホで無料ゲームをプレイした際にでてくるウザ広告・クソ 広告の数々があります。 これらは前述したエロっぽいプレイ原則無料ゲームの広告が多く、またその数も膨大にありますが、代表的なものに 「おねがい社長」「マフィアシティ -極道風雲-」「魔剣伝説」 などがあります。 中国製ゲーム広告らしい怪しい日本語、ゲームそのもののデキも疑問符など、異常なほどの掲出頻度と併せ、プレイヤー をイラつかせる抜群の存在感を見せています。

 またブロック崩し風パズルゲームであからさまな失敗プレイ動画を使う 「トゥーンブラスト」「ガーデンスケイプ」 も、プレイヤーのイラつかせポイントをピンポイントで突く中々の出来となっています。

2ちゃんねるのスパムと云えば 「25歳。去年まで金無し君」

 広告と呼べるかどうかはともかく、掲示板に貼られたり メール として大量に届くスパムに関しても、頻度や内容のインパクトから話題になり、ネタとしていじられたものはたくさんあります。 2ちゃんねる の初期の代表的なスパムと云えば 「25歳。去年まで金無し君」 があります。 ピーク時にはほとんどの板や スレ絨毯爆撃 され、その余りの認知度もさることながら、とぼけた味わいのある文章は文字数も手ごろなコンパクトサイズなため、改変された コピペ なども出回りました。

 スパムは話題になったものに事欠きませんが、例えば 「主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました」 や 「なにやっとるん?あんたのお母ちゃんよ」 といった完成度が極めて高い大作は元々の文章が 斜め上 に振り切れている上に文章量も多く、それ自体が伝説化してしまって、改変されたネタなどはあまり見かけませんでした。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2008年8月19日)
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