上を行くだけでなく、捻りながら予想外の方向へ…「斜め上を行く」
「斜め上を行く」「斜め上」 とは、予想を裏切り全く予期できない、ありえない方向へと行動を起こすこと、その状態や発想のことです。 しばしば想像を絶する行動、あるいは単に意味不明な行動となり、それを指してある種の賞賛、あるいは逆に罵倒するような言葉となっています。
ネット上で使われるきっかけは、人気マンガ 「レベルE」
ネット 上でこれらの言葉が使われるきっかけとなったのは、1995年から1997年まで週刊少年ジャンプに月に1度のペースで連載されたSFコメディマンガ、「レベルE」(集英社/ 冨樫義博) の作中に出てくるセリフ、「あいつの場合に限って常に最悪のケースを想定しろ 奴は必ずその少し斜め上を行く!」 でしょう。
独特のオムニバス形式のこの マンガ では、バカ王子やら宇宙人やらが奇想天外な騒動を巻き起こしますが、主人公、バカ王子のお目付け役、ドグラ星王立護衛軍隊隊長のクラフトが、バカ王子からの数々の嫌がらせに対して 「奴は必ずその少し斜め上を行く!」 と、そのイジワルの悪知恵を評します。 つまり 「私たちの予想を上回るだけでなく、さらにヒネリまで入っている」 のを 「斜め上」 と表現した訳ですね。
予想に対する結果の評価には、「予想通り」「覆す」 などのほか、普通は 「上」 とか 「下」 を使いますが (予想を上回る、下回ったなど)、「斜め」 というのは面白いですね。 この使い方自体は、マンガ 「レベルE」 が初出という訳ではないのでしょうが (野球関係では、ボールの動きに当てはめて、斜め上に行く、斜め下にいく、なんて表現をしているケースがあります)、おたく 界隈 では何かと話題となる漫画家の作品ですし、インパクトは格別といった感じでしょうか。
お隣韓国の反日嫌がらせを 「斜め上」 と表現し流行
その後この 「斜め上を行く」「斜め上」 は、嫌がらせをする人や、行動が予測できずにはた迷惑な人 (電波 な人の非常識な行動) などをあらわす言葉として一部で使われるようになりますが、インターネット の時代となり、1990年代末から2000年頭にかけネット上の 掲示板、中でも 2ちゃんねる でお隣の国、韓国の様々な反日行動などに当てはめて使われるように。
とりわけ 2002年の日韓ワールドカップ前後の盛り上がりの中で、突拍子もない反日行動 (共催国の日本を罵倒する韓国メディアの非常識さ、韓国人サポーターの問題行動や、あるいは反日デモで日の丸を踏みつけたり食いちぎったり、日本の政治家の写真を燃やすなどの過激な行動) を、「ありえない」「常識から逸脱している」 として 「発想が斜め上」 と表現。 いまではすっかり、「斜め上」 と云えば、韓国人や韓国人的な気質を持っている人を罵倒する ネットスラング として定着してしまうことになりました。
韓国がらみの言葉には、マンセー や ファビョる、ホルホル、○○しる などがありますが、これらと並んで頻出する言葉となっています。