ウリナラマンセーでございます
「マンセー」 とは、韓国・朝鮮語で 「万歳」(バンザイ) のことです。 ハングルでは 「」。
「バンザイ」 と云えば、日本語や中国語の 「万歳」(聖寿萬歳) や英語の 「Cheers」「God Save」(それぞれ ニュアンス がちょっと違う)、あるいはドイツ語の 「Heil(ハイル)」、ロシア語の 「Ypa (ウラー)」 などが有名ですが、いずれの場合も ネット でことさらに使われる場合には、かなりの揶揄、嘲笑、あるいは批判的な意味が含まれているようです。
言葉として 「万歳」 が嘲笑的な意味を持つのは、この言葉が元々皇帝を称えるための言葉で (皇帝陛下が万年も長生きしますように、この皇帝陛下の帝国が万年も続きますように、との意)、多くの民主主義国家の国民が 「前時代的な言葉」 だと認識していることが挙げられます。 「ハイル」 も無事に、健やかに、健康にといった意味ですし、英語など他の言語でも基本的には 「神のご加護がありますように」 との意味ですから、ここらは洋の東西を問いません。
とりわけ日本では、皇室に対して否定的な立場をとる人や、戦中の、いわゆる 「万歳突撃」 などを帝国主義、軍国主義の惨めな結末、成れの果てと批判的に表現するケースがマスコミなどでとても強く、本来の意味や使い方と離れて 「万歳という言葉そのものがダメ」 的に、否定的に見るべき言葉として使われてきた経緯があります。 本来は、君主や国を祝福し繁栄を願うおめでたい言葉なのですが、こうした印象の変化は、「ハイル」 や 「ウラー」 なんかも同じですね。
なお日本で 「万歳」 という言葉と、両手を挙げるしぐさが行われ定着したのは、諸説あるものの中国の影響を受けつつも、直接は明治維新の後、ヨーロッパ、中でもイギリスなどの影響が強いとも云われます。
1990年代末から2000年代にかけ、ネットの世界で流行
その後北朝鮮の将軍様を称えるニュース映像などが日本で頻繁に流れるようになり、その際に使われる 「マンセー」 が 「万歳」 を揶揄するのと同じような理由により、面白おかしく取り上げられ話題に。 中でも 「パワートダイ」(POWER TODAY BBS) を初め、アングラ系 のネット有名コミュニティなどで徐々に定着。
「ウリナラマンセー」(我が国万歳) という言葉や、当時作られた 「ウリナラマンセーの歌」(面白フラッシュ動画としても流行) などと共に、「盲目的な賛美」「自画自賛」「独善性」 の象徴のような言葉として、膨張する 掲示板 2ちゃんねる のハングル板 (ハン板) などで、「幸せ回路」(自分に都合の良い話で酔いしれる状態) 発動中の人を皮肉る言葉として猛烈に外部にも広まるようになりました。
使い方としては、韓国や北朝鮮のものに限らず、例えば特定の アニメ や ゲーム、タレント、会社や団体などの熱狂的な ファン を、侮蔑的に 「あいつは○○マンセーだ」 と呼んだり、他の罵倒語である 厨房 とアレンジされ、「○○マンセー厨」 などと呼んで使います。
なお韓国・朝鮮や、それらの言葉 (の発音) 由来の言葉には、ファビョる (理不尽で自分勝手な理由により我を忘れるほどの激怒をする、逆ギレする)、斜め上 (発想が上にいったり下にいったりせず、予想不能なとんでもない方向にいく/ マンガ 「レベルE」(冨樫義博) に由来)、ホルホル (慢心し、誇らしげに笑みを浮かべる笑い声の擬態語)、○○しる (韓国の国会議員の日本に対する謝罪要求の プラカード の誤字に由来) などがあります。