同人用語の基礎知識

サイレント魔女リティ

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私には聞こえるのです…そう多くの魂の声が

 「サイレント魔女リティ」 とは、「サイレントマジョリティ」(Silent Majority) の誤変換当て字 による表現です。 間に 「☆」 を入れて、「サイレント魔女☆リティ」 と書かれる場合もあります。

 「サイレントマジョリティ」 は、「静かなる多数派」「声なき多数派」 といったような意味で、自分の意見を外に向けて主張、発信はしないけれど、ちゃんと自分の意見を持っていて、例えば選挙の結果や消費行動の結果などでのみ、その声なき声が聞こえてくる、見えてくるような状況を指す言葉です。

 ただし表だって反対意見などを述べないので、真意を測りかねたり、あるいは自分に都合よく 「私たちの意見に賛同してくれているんだ」 などと思うと、思わぬしっぺ返し、予想を覆す結果をもたらす原因ともなります。 対義語は 「ノイジーマイノリティ」(やたら声が大きく騒々しい少数派) となります。

アメリカ・ニクソン大統領の演説から広まった 「サイレントマジョリティ」

 この言葉が大きくクローズアップされたのはベトナム戦争時代のアメリカの大統領、ニクソンが1969年11月3日に行った演説で、「ベトナム反戦運動が学生を中心に大きく盛り上がって、まるでその意見が全てのアメリカ国民の声かのように見えるが、表立って運動や意見をしない人たちの方が実は圧倒的に多数で、そうした人たちはアメリカ政府の方針を支持してくれている」 といった趣旨で 「サイレントマジョリティ」 に言及。

 実際にその後の大統領選挙ではニクソンが圧勝し、「大声でわめく人の意見だけが意見ではなく、その影に隠れている声なき大衆の意見を正しく汲み取ることこそが大切だ」 という認識が強まることになりました。 ただしこのニクソンのベトナム戦争に関する使い方は、「戦争に賛成している」 というよりは 「反戦運動に反対している」 という方が正しい状況 (反対運動をしている学生が兵役を果たさない一方で、他の社会人などの有権者は兵役を果たしていて、反発が強かった) で、「反対に反対しているから賛成」 というのは、かなりの曲解ではあります。

 また 「声なき声」 は、声がないわけですから、特定の立場の人たちから自分に都合よく利用される危険性もあります。 選挙や商品の売れ行きなどで 「結果」 が伴えば、ある程度はその 「声なき声」 の正当性も立証できるでしょうが、ただの 「少数派」 の意見を、「声がしないだけで実は多数派」 などと事実をひっくり返して使うケースもあります。 声がない以上、具体的な検証などができないので、ある意味 「言いっ放し」 になってしまう危険性もあります。

…で、「サイレント魔女リティ」 って何なの!?><

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サイレント魔女リティ」 のAA

 こうした 「サイレントマジョリティ」 が、なぜ 「サイレント魔女☆リティ」 という、ちょっと 萌え萌え な感じの言葉 (後に萌えキャラ風に 擬人化 された美少女 キャラ 「魔女リティ」「舞野リティ」 なども登場) になったのでしょう。

 それは、2006年10月31日に毎日新聞サイト 「MSN毎日インタラクティブ」 に掲載された作家・石田衣良さんのコラム、「石田衣良の白黒つけます!!」 において掲載された 「中国、韓国と仲良くした方がいい? しなくてもいい?」 の本文に、この 「サイレントマジョリティ」 が都合よく使われていて、ネット掲示板 2ちゃんねる などで話題となり、ある種の お祭り になったからです。

 黒を白にする鮮やかなテクニック、「サイレント魔女リティ」 のマジカルパワーの秘密や実際のお祭りの内容などは、同じ 元ネタ で広まった ふー、びっくりした の項目などでお読みください。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2006年11月2日の日記の再構成です)
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