よくわからない謎のカタカナ… 「シュエエアィサィ ターアィーサィ」
「シュエエアィサィ」「ターアィーサィ」 とは、訳の分からないことを言う人を揶揄したり、そうした相手に対して 煽る ような言葉です。 単に呆けている、寝ぼけているといった文脈で使う場合もあります。
とは言ってもこの言葉単体で使う場合はほとんどなく、一部の不謹慎 ネタ の アスキーアート (AA) と一緒に広まったことから、「池沼」「あうあうあー」「てんす」 などと同列に語られる場合もあります (後述します)。
言葉やAAとしては、2010年5月末から広まり、夏ころにかけて流行しました。
シュエエアィサィ ターアィーサィ、元ネタは北朝鮮魚雷設計図の謎のカタカナ
この 「シュエエアィサィ」「ターアィーサィ」 の元ネタですが、2010年3月26日に韓国・北朝鮮が黄海上の軍事境界線と見なす北方限界線近辺で発生した、北朝鮮の魚雷攻撃によると韓国側が主張する韓国海軍哨戒艦 「天安」(浦項級コルベット/ PCC-772/ ROK Chonan) の爆発沈没事件 (天安沈没事件/ 乗員104名中、46人が行方不明、その後死亡) に由来します。
この事件では、2010年5月15日になって 現場 海域から魚雷とされる残骸が引き上げられ、韓国政府により詳細な調査が実施。 その後調査団による発表 (5月20日) がありました。 結論としては、北朝鮮潜水艇による魚雷攻撃で、哨戒艦 「天安」 は外部水中爆発を生じ、その結果沈没したというものでした。
記載されていた内容 | 記載位置 |
1345(シュエエアィサィ) |
魚雷の推進装置シャフト (回転軸) の後部 |
270(ターアィーサィ) |
魚雷のスクリューの 前方部分に記載 |
その調査結果発表の際、魚雷の残骸の他に、北朝鮮製の魚雷の設計図もあわせて公開されましたが、その設計図になぜか日本語のカタカナの表記があるのが23日になって判明。 記載の形は、数字の後にカッコで囲む形の半角カタカナで、翌24日には、日本の各メディアもこの情報を報道しました。
この日本語のカタカナは言葉として意味が通るものではなく、無意味に文字を羅列しているだけのように見られますが、そこに書かれていたカタカナの羅列が、すなわち 「シュエエアィサィ」 と 「ターアィーサィ」 だったのでした。
北朝鮮の魚雷設計図になぜ日本語が…またこの事件の原因は…
この妙に中国語っぽいイントネーションの意味不明のカタカナの意味と、そもそもなぜ北朝鮮の設計図に日本語のカタカナがあるのだとの謎は深まり、大きな話題に。 一説には北朝鮮が魚雷を海外に輸出売却する際、高性能をうたって価格をつり上げるために、高品質な日本製の機械部品、電子部品が使われていたように偽装するためだったのではないかとも云われています。
北朝鮮に限らず、韓国や中国の電気製品やその梱包などには、なぜか意味不明な日本語の漢字やひらがな、カタカナが書かれているケースが多いのですが (しかしよくみると、シとツを間違えていたり、ロ (ろ) と口 (くち) を取り違えていたり)、それと同じ日本製や日本製部品を使ったとの偽装という訳ですね。
. |___ . / (^p^ ) シュエエアィサィwwwww / / \ | | | | ___/ /__.| |___ // // (Ξ´ ‘ミ) . |^ω^ ) . と ノ . | /___ . / (^ )彡 !? / / \ / | , / )) ____/ /| _/ /___  ̄(⌒__/  ̄ . | . |彡サッ . |__ / ( ) ターアィーサィ!!!!! / γ⌒\ 7``) / / \ .`ヽヽ / X ミ ヽ ヽ___ノミ\ \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
シュエエアィサィ ターアィーサィ AA |
魚雷攻撃という事件自体は決して許されない行為ですし、実際に多くの被害者が出ており、隣国の日本としても笑い話で済ませて良いものでもありません。 軍事緊張が高まり、新たな災禍を招く可能性もあります。
このカタカナの存在が報道される前には、20日の発表を受け政権与党民主党の鳩山由紀夫総理が、「私たちはこの問題で国際的に協力してしっかりと戦っていかなければならない」「ある意味で日本が先頭で走る」(22日) とまで コメント していましたし…。
しかしそれはそれとして、「シュエエアィサィ」「ターアィーサィ」 という文字列が、あんまりと云えばあんまりの文字列だったので、ネタとして広がることになったのでした。
北朝鮮側は 「韓国政府の捏造」 と主張
なお北朝鮮側はこの事件を韓国側の謀略と主張しており、この発表には強硬に反対しています。 またそもそも、魚雷が命中して爆発したのなら、魚雷の残骸があのような形で残るはずがないとの意見もありますし、爆発当時の艦船の配置状況など、「魚雷発射が可能なのか」 と不自然な点も指摘されています。
韓国国内でも、「沈没は座礁と衝突によるものだった」 とする意見 (任意の軍民共同調査団) もあり、さらに2012年8月になって、韓国海軍が過去に放置した機雷が爆発、それに巻き込まれた末の爆沈だったのではとの調査・観測データ (韓国地震研究所とイスラエル地球物理研究所) が韓国メディア複数で発表され、原因はますます謎に包まれています。
現時点では詳細は不明ながら、もし韓国の遺棄機雷による爆沈事故だったのだとしたら、この北朝鮮製ミサイルの残骸と設計図は、いったい何だったのでしょうか…。
AA化して 「シュエエアィサィ ターアィーサィ」 がブレイク
その後この 「シュエエアィサィ」 と 「ターアィーサィ」 は、掲示板 の 2ちゃんねる のニュース系の板などで、2010年5月24日の中日新聞紙面を元ネタとして、使われるようになり、前述した 「池沼」「あうあうあー」「てんす」(主に知的障害者を揶揄する言葉) などの文脈でもその後使われるように。 不謹慎かつ不条理ネタのような扱いで広まりました。
中でも 「シュエエアィサィ」 などに笑いを表す w や、感嘆符 (!) を付けて言葉に表情をつけ、リズミカルな3コマAAとした右図のものは改変のしやすさから大流行し、こうしたAAが良いのか悪いのかはともかく、様々な板でしばらく良く見かける言葉ともなっていました。
なお ネット で使われる韓国や北朝鮮由来の謎のカタカナ語としては、笑いを表す ホルホル や ウェーハッハッハ、謎の高貴なコレクション アイテム マトボッククリ や、日本の伝統遊戯 イシマタラ (イシマタ) などもあります。 またアダルトサイトがらみと思われるハングルによる スパムメール の文字化けが元ネタの言葉では、シコタホア や コッックーカーキョッッョ、コッッョオョッソ などもあります。