同人用語の基礎知識

コラボレーション/ コラボ

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クリエイターが協力し合って一つの作品を創る… 「コラボ」

 「コラボ」(コラボレーション) とは、協同作業や共同活動を指す言葉です。 英語の 「Collaboration」 が元になっており、創作・芸術や コンテンツ 関係の 「合作」「共演」(共同制作) といった意味で使われる言葉ですが、後には範囲が拡大し、ビジネスの世界でも 「協業」 や 「タイアップ」 の意味や言い換えで使われます。

 創作や芸術、コンテンツについては、例えば音楽活動で異なるアーティストが一緒に曲を作る、アルバムを作るなどが代表的です。 この他、アニメゲーム に登場する キャラ が別の作品の一部に登場する、イベント などで共演する、別の 世界観世界線 の中で別の物語を構築するなどがあります。 アニメやゲームのタイトルとコンビニなどの小売店がコラボして、その店舗専用の商品 (コラボ限定商品グッズ) を販売するなどもあります。

 ビジネスの世界での代表的な使われ方としては、異なる企業が手を組み、それぞれの看板商品の特徴やブランドイメージを合わせた別の商品を開発して販売するとか、メーカーと小売店が新規商品を共同開発して独占販売する、販促キャンペーンを行うといったコラボの形があります。 異なる業種の企業や団体がコラボするケースが多く、元々の意味にもそうした ニュアンス がありますが、同業者がコラボして高いシナジー・相乗効果を狙う場合もあります。

 いずれもおおむね一つの企画のみ、あるいは期間を 限定 した状態でのコラボとなり、単なるゲスト参加や寄稿、素材提供、広告の出稿、出資、協賛、長期・無期限で行うような事業提携や業務委託のようなものはコラボとは呼ばない事が多いでしょう。 しかしその境目はかなりあいまいです。 とくに広告出稿やタイアップよりも言葉としての定義があいまいで使い勝手が良いことや、元々創作や芸術の世界で使われている言葉であることからクリエイティブで前向きのイメージがあることも手伝い、時代を下るにつれて協業やタイアップの言い換えが進んでいる印象があります。

同人におけるコラボと合同誌・アンソロ誌

 なお 商業 の世界だけでなく 同人 の世界でもコラボは使われますが、ある サークル同人誌マンガイラスト などを別のサークルが提供することはゲスト参加や寄稿と呼ばれ、コラボとは呼びません。

 コラボの場合、2つかそれ以上のサークルが共同作業で一冊の本を創るようなケースのみをおおむね指しますが (コラボ誌)、この場合、合同誌 や合作本という呼び方や、2人 (2サークル) で作ったものは 「2人誌」、3人なら 「3人誌」 などといった名称が一般的かもしれません。 不特定多数のサークルが集い、どこかのサークルが企画の 主催・幹事となって一冊の本を創る場合は アンソロジー (アンソロ) という呼び方が多いです。 対義語は 個人誌 です。

 動画などの場合は、単にゲストとして一方の 作者配信者 の動画に別の人を呼んで動画を創ったり配信することをコラボと呼びますが、その動画や配信の単位では共同制作している形になるため、文字通りのコラボと云って良いでしょう。 動画配信者同士、とくに強固な ファン をそれぞれが持つ Vtuber 同士のコラボの場合、メリットだけでなく様々なデメリットもありますが、それでもメリットの方が大きいと判断されて活発にコラボが行われています。

 一方で単なる広告出稿 (企業案件・PR) や協賛をコラボと呼ぶのは、言葉本来の意味からするとかなり違和感があり、ビジネスやお金の匂いを消すための単なるきれいごとに感じるような視聴者もいるようです。 もちろんこれは、動画や配信の面白さ次第ではありますが。

「消費者庁コラボ」…? スラング化も

 コラボは様々な分野で行われますが、おたく腐女子 に近いところでもっとも活発なのは ネトゲ などでのコラボ企画でしょう。 他のゲームやアニメなどと盛んにコラボが行われ、ゲームタイトルによっては数か月に1度のペースでコラボを繰り返しているようなものもあります。

 そうした中、コラボという言葉も俗語・スラング化。 中でも風刺が効いているのは、誇大広告 (優良誤認) 気味な宣伝をしたり表示と異なる挙動を行うゲームに対して揶揄として使われる 「消費者庁コラボ」 でしょう。 これは不誠実あるいは不正なサービスを行う 運営 に対し、「消費者庁に通報する」「消費者庁から措置命令などのお叱りを受ける レベル だ」 といった揶揄を込めて使われるもので、とくに ガチャ などの排出率に疑念が生じた場合などによく使われます。

 ガチャなどは、もともと排出率が低い上に出る人は出るけど出ない人は出ないといった状況から被害妄想に陥りがちで、運営が不正をしているとか バグ が生じているといった プレイヤー の訴えは的外れの場合も多いものです。 しかし人気ゲームとなれば短期間に3桁万円レベルの 課金 を躊躇なく行うプレイヤーも少なくありませんし、大勢のプレイヤーが検証し、情報を 投稿 してそれが取りまとめられるようにもなります。

 その結果 「偶然」 では説明できないほどの状況であることが明白となると 炎上 し、サイレント修正 (プレイヤーに 告知 せずに仕様を変えるなど) をしたりそれが発覚したりで、運営側が 公式 に謝罪を行ったり、課金したプレイヤーに返金対応をすると云った事件も度々生じています。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2007年11月15日)
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