同人用語の基礎知識

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ネット上の影響力をマネタイズ 「案件」

 「案件」 とは、日本語としては課題や問題になっている出来事、対処すべき事柄、議題や話題、仕事や業務といった意味の言葉です。 注目すべき事象や事件といった意味で使うこともあります。 ビジネスの場では、実際に課題や問題の解決のために枠組みを作ったり人が動き出すことは 「案件化」 などと呼びます。

 一方で ネット、とくに何らかの創作物を制作しネットで公開している場合における ネットスラング としてのそれは、ほぼ 「企業広告案件」 を指して使うと云って良いでしょう。 別の言い方をすると、依頼を受けて行う 「広告」 とか 「PR」、企業から対価を得た広報活動全般を指して使う言葉となります。

 この場合、似たような使われ方をする言葉に タイアップコラボ商業 コラボとも)、協賛などもあります。

 ただし同じ利益目当ての広告でも アフィリエイト による広告とか、他社広報ではなく本人の企業なりビジネスなりの広報を自ら行う場合 (自社広) は、一般に案件とは呼びません。 あくまで広告主となる企業なり団体なりに直接的・個別に依頼された広告業務を、自身の創作物やチャンネルなどの情報発信力・拡散力 を持って行うことのみを指すと云って良いでしょう。

 また 「事柄」「出来事」 といったプレーンな意味で使うことも当然多く、例えば違法行為に対して警察沙汰だとの意味で使う 「警察案件」 とか、個人の お気持ち に過ぎない話を 「お気持ち案件」、胸糞 の悪くなる事件を 「胸糞案件」 と呼ぶなど、便利に使える多義的な言葉として幅広く用いられています。

「広告」 でいいのに、わざわざ 「案件」 と言い換えるのは?

 広告は広告で良いのにわざわざ案件と呼ぶのは、広告ではあまりに直接的に感じられたり、ビジネス用語としての案件に遠回しな ニュアンス があるからでしょう。

 案件という言葉自体は普通の日本語ですが、前述のような意味で一般層の間でも広く使われるようになったのは、YouTube といった 動画サイト における 配信者 や投稿者、とりわけ YouTuber と呼ばれる 素人 もしくは素人に近い個人事業主的なクリエイターらの影響が大きいでしょう。 またそれ以前からある Twitter やInstagram といった SNS における インフルエンサー などの存在もあります。

 一方、営利を目的とした広告であるのを知らせずに、まるで善意の第三者による口コミとして行うような広告を、周囲の人間が広告だと疑って企業案件呼ばわりすることもあります。 こうした 「案件だ」 というレッテルは事実無根の場合も少なくありませんが、一方で広告であるのを隠して行う広告は不誠実で不透明な行為だと思われ、ネットでは 「ステマ だ」 としてとくに嫌われていますから、実際にそうであったのが発覚した場合は、しばしば大規模な 炎上 なども生じています (その後ステマ自体も明確に違法だとされています)。

「案件」 の内容や規模で、信頼性が上がったり下がったり

 案件の是非は内容や規模、それを見る立場によって様々です。 いかにも胡散臭い健康食品や美容関係の商品やサービス、あるいは詐欺まがいや詐欺そのものの商材を紹介する案件などは批判され案件を請け負った人の評価を下げる一方、誰でも知っているような大企業からの大型案件などの場合は、配信者や投稿者が一気にメジャーになったような、信頼性を著しく高めるような効果を持つ場合もあります。

 またそこまで行かなくとも、配信者や投稿者が日ごろ制作して配信している コンテンツ と親和性の高い商品やサービスの紹介であれば、視聴者や リスナー にも好意的に受け入れられることも多いでしょう (まぁネットの世界は 嫌儲 の考え方を持つ人も少なくないため、広告や企業案件で金儲けしている時点で忌避感を与えてしまう場合もありますが)。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2013年8月10日)
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