ボーイズラブ…かわいらしい少年が愛に目覚めてゆく姿
「BL」(ビーエル/ ボーイズラブ/ Boys Love) とは、主に女性の 読者 向けの 「男性同性愛 (いわゆる ホモ)」 を扱った 作品ジャンル のうち、少年 (低年齢の男性) 同士、もしくは主に 受け の キャラ がそうした年齢層の時にもっぱら使われる言葉です。 本来の意味、狭義では 「少年愛」 の和製英語となり、「10代の美少年」 を対象とした同性愛を指し示す言葉となっています。
対義語は少女同性愛を示す 「GL」「ガールズラブ」、あるいは男女の組み合わせをあらわす ノーマルカップリング (ノマカプ/ ヘテロ)、少年ではなく成熟したアダルトなお兄さん、おじ様を愛好する アダコン などとなります。
なお 「BLは何の略ですか」 的な質問をする場合に、わざととぼけて 「ベーコンレタス」(Bacon Lettuce → BL) と答えたりする場合があり、転じてある種の隠語としてベーコンレタス、もしくはベーコンレタスバーガー (BLバーガーという商品が実際にあった) などと呼ぶ場合もあるようです。
JUNE より概念が発生した少年同性愛…いまや 「やおい」 の代名詞
ボーイズラブイメージ |
言葉のルーツとしては、退廃・耽美系の男性同性愛などを テーマ とし、その カテゴリ の代名詞ともなっていた雑誌、「JUNE」(ジュネ/ マガジン・マガジン/ 1981年11月〜1996年4月) と、その読者らから派生した言葉、概念 で、作品の様式や頻出する記号、登場キャラの年齢層などで作品をカテゴリわけするなかで出てきたものでした。
こうしたカテゴリの細かい区分け、あるいは概念の住み分けは、やおい や 薔薇、あるいは ホモ とか ゲイ、もしくは ショタ などと共にいくつもありますが、「ボーイズラブ」 という語感が他の言葉 (「やおい」 や 「ホモ」) より口にしやすいかっこよさがあり、また少年愛といった概念、登場キャラクターの年齢層の低下傾向などもあり、2000年頃には、実質的に 「やおい」 とほぼ同じような意味で使っている人が多いような感じになっています。
後に 腐女子 が若干 ニュアンス が変わりながらも 「乙女系」 となり、その聖地が 乙女ロード と呼ばれるようになっていますが、古めかしい言葉から、新しい言葉、語感と耳障りの良い言葉への言い換えが、近年進んでいるような感じがありますが、これは旧来の言葉に馴染めない若い女性 ファン の側からの動きの他に、出版社やゲーム業界など、企業側からの積極的な働きかけもありました。
BLゲーム (BLG) も大人気に、BLの意味も拡散
元々少女漫画や小説、ライトノベル などで盛んだった 「やおい」 作品や 「ジュネ」「BL」 でしたが、後に ゲーム の登場により、こちらのカテゴリからの影響も大きくなっていきました。 いわゆる 「美少女ゲーム」 のような恋愛をメインテーマとしたゲームに関しては、長らく男性向けの独擅場のような感じでしたが、1994年9月23日にスーパーファミコン (スーファミ) 用ソフトとして、ネオロマンシリーズ 「アンジェリーク」(コーエー) が発売されると、俄然注目を集めることに。
後に男性向け美少女ゲームの老舗、アリスソフトが女性向けBLゲームブランド、「Alice Blue」 を立ち上げ、健全 (非18禁) ゲーム、「隠れ月」 を発表。 その後、2001年6月22日に同じく健全系の 「おうじさまレベルワン」(RPG) を発表し、こちらは追加ディスクで 「18禁」 のイベントが追加されるという、この種のゲームの先駆けともいえる内容となっています。
ただしこれら初期のBL系ゲームは販売的にはどこも苦戦状態で (Alice Blue さんも、ついに 開発 中止に…)、やはり マンガ や小説で、自分の 世界観 を膨らませながら楽しむのが 「乙女流」 という感じなんでしょうか。 それともコンシューマー機やパソコンというプラットフォームが良くなかったのでしょうか。 個人的には 「アンジェ」 とか、ものすごく面白かったですけどw
そうこうしているうち、携帯ゲームなどではBLゲームが人気を得るようになり、2007年頃から2000年代末をピークに、ある種のBLゲームブームのような活況も呈しています。 それに伴い 「BL」 も意味がますます 拡散 し、登場するキャラの年齢層や受け攻めに関係なく、男性同性愛作品全般を指す言葉として広く使われるようになっています。