同人誌即売会があるから同人誌を作るのか、同人誌があるからイベントが開かれるのか…
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東京ビッグサイトでコミケ開催中 |
「同人誌即売会」(どうじんしそくばいかい) とは、同人誌 を、もっぱら 作者 本人、もしくはその個人的知り合いが直接 イベント会場 に持ち込んで 展示・頒布 (販売) している (することの出来る) 催しの事です。
いわゆる 「同人イベント」 の事で、同じような趣味を持つ人が同じような場所に集まる事から、単に物品の販売・交換にとどまらない、一種の交流の場・情報交換の場、何より年に数度のお祭りの場にもなっています。
内容的には文字通り 「同人誌」 を、おのおのの 同人サークル が自分の スペース (SP) で展示、即売する催しですが、コスプレ のための広場があったり、あるいは お茶会 や イラストボードオークション、MAD の上映会があったり、大規模な イベント では企業の ブース を設けたり、正規の中古グッズの販売も行ったりと、同人イベントごとに様々な趣向を凝らしたものも見かけます。
週末ともなれば、日本中でいくつも開催されている 同人誌即売会
規模や趣旨は様々で、また数年前からこうした催しが多少一般的になって来た事もあり、日曜や祭日ともなると、全国各地で多数開催されているようです。 東京を中心に大都市圏に集中するきらいはありますが、こまめに調べると中小規模のものなら日本全国のあちこちで見かけます。 こうしたイベントは、地方イベント などとも呼びます。
現在でこそ、ネット で気軽に 同人、のみならず、アニメ や ゲーム、その他のオタク系の話題がやり取りできるようになりましたが、コミケ が初めて開催された 1975年や、80年代を通して、こうした話題を同好の士と集まって思う存分行えるような場所はほとんどなく、その意味では現在以上に、一昔前までの同人誌即売会の意義や意味は、大きかったといえるでしょう。
一口に同人誌即売会といっても、いろいろなタイプがあります
なお趣旨を中心に大雑把に分けると、同じ作品や似たようなサークルのみで集う専門的なものである オンリーイベント と、あらゆる ジャンル を網羅した オールジャンルイベント の二種類があります。 “売り手” として参加する人・団体は 「同人サークル」 になりますが、最近は会社などが 「企業スペース」「ブース」 を取って参加するケースも多いようです。
とりわけ同じジャンルのみで開催される 「オンリーイベント」 は、コスプレイヤー によるちょっとした演劇やライブ・コンサートのようなものがあったり、マニア所有のお宝 (例えばアニメの 二次創作 のオンリーイベントですと、原作者の生原稿や色紙、セル画など) が展示されたりと、「同じ作品が大好きな人たちの集い」 のような楽しみがあります。
ネットの普及でオンライン中心のサークルが激増
2000年代となり、IT ブームが到来。 ネットを取り巻く環境も激変し、同人誌などの物理的な媒体の作品を作らず、ネットの中でのみ完結する同人活動も増えてきました。 イラスト はパソコンを使った CG だけ、マンガ や SS (ショートストーリー/ 小説) もネットで発表するだけというスタイルのサークルさんも増えてきました。
こうした オンライン 中心、さらには オンライン専門 (オン専/ 温泉) が増えると、それと区別する意味で、実際に会場に足を運んで参加するイベントを、「オフ」 とか、「オフイベント」 などと呼ぶようになりました。
「オフ」 と云うと、パソコン通信 時代に生まれた言葉で オフライン会 (オフ会) というものがありますが、10数年を隔て、ついに一部の カテゴリ では言葉の使われ方も逆転したといった感じでしょうか。 またイベントに出す本にしても、パソコン上で 原稿 作成の全ての作業 (絵 描きや トーン 貼り、写植 や ノンブル など) を行う人が増えたことにより、紙とペンを使う原稿描きを 「アナログ原稿」「アナログ執筆」 などと呼ぶようにもなっています。
同人イベントの未来は…
筆者 のサークルはパソコン通信生まれで、最初にネット上で 「SS」 や 「CG」 を発表するようになり、その後それらの作品をまとめた フロッピーディスク をイベントで頒布、その後、コピーやオフセット印刷の同人誌を発行するようになりました。 時代的には 2000年代以降の同人の世界を1990年代にちょっと先取りしていたような形ですが、正直、ここまで時代のテンポが早いとは意外でした。 筆者自身は1970年代から同人誌などを作っていますが、ガリ版から オンデマンド印刷、オン専 までおよそ 30年。 いやぁ、すごい時代に出くわしたぜ…って感じです。
この先、同人イベントがなくなることはないでしょうが (人と人とが出会う場ってのはなくなりようがありません)、集まり方、手に持つツール、そして 「言葉」 は、これからもダイナミックに大きく変わって行くんでしょうね。 まぁこれ以上の変化というと、VR (バーチャルリアリティ) を使った仮想現実の中の会場に集まるとか、コンピュータと繋がった脳に直接同人作品やコミュニケーションを流し込むくらいしか思いつきませんが…はるか未来の SF みたいな話ですが、意外や早く実現するかも知れません (で、やっぱり実際に集まった方がいいよねって結論になりそうなw)。
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