企業系同人イベントでは最大規模を誇る 「コミックシティ」
「コミックシティ」(COMIC CITY) とは、「赤ブーブー通信社」 が 主催 する企業系の 同人イベント では最大規模のものの1つです。 東京・大阪など全国各地で活発に イベント を開催しています。 愛称は 「シティ」、開催は 1988年 (昭和63年) からです。
とくに募集する サークルスペース が1万を超えるような 有明 で春に行われる 「HARUコミックシティ (HARUコミ)」 と、ゴールデンウィーク中に開催される 「Super Comic City (スーパーシティ)」 が有名です。 また後に、「GOOD COMIC CITY」「COMIC CITY SPARK」 も開催されるようになりました。
募集スペースが 4,000〜8,000程度までの中規模でレギュラータイプのイベントは、「COMIC CITY ○○」(○○の部分に東京とか大阪とか開催地名が入る、例えば 「COMIC CITY 東京 25」 なんて感じ) と呼びます。 キャッチフレーズは、「本を創る。本を売る。本を買う。COMIC CITY」。
現在は 「赤ブーブー通信社」 が自ら使い、また コミケ との混同を招く危険性のない略称 「シティ」 や、また 「シティ」 を日本語訳して 「都市」 などと呼ぶ場合もあります。 なお 「スーパーシティ」 は 「超都市」 と呼んだり、大阪開催の場合は、会場である インテックス大阪 の名称から インテ などと呼んでいるようです。
幕張メッセ騒ぎとシティ
少々一般的ではありませんが、略称として 「コミシ」「スーパーコミシ」「コミシテ」 と呼ぶ場合もあります。 あまりシティ系のイベントに参加していない男性同人関係者らが使ったり、パソコン通信 の時代に同人系のコミュニティの一部で使われていた略称なのですが、1989年の 「M君事件」(埼玉県幼女連続殺害事件) などを発端とする 有害コミック排斥運動 の直撃を受け、1994年10月2日に 幕張メッセ で開催予定だった 「Comic City in 幕張」 のドタキャン事件と、その後の千葉県の条例なみに厳しい 自主規制 により、いわゆる男性向け ジャンル が一時期ほぼ消える状態に。
その間に、イベント主催者自らが通報した男性向けサークル関係者の逮捕騒ぎもあり、以降は元々少なかった男性の参加者もさらに激減し、「コミシ」 といった略称はあまり使われていないようです。 ちなみに事実上の別件逮捕の直接の容疑は、「カッターナイフを所持していた」 という理由ですが…同人誌はビニールバンドで結束されガムテープで封をした段ボール箱で届くんですから、そりゃサークル関係者はカッターくらい持ってるでしょうよ。 当時はこうした対応に、批判の声が上がっていましたね。
なお 「赤ブーブー通信社」 とよく似た名前の 「青ブーブー通信社」(どちらも 運営 母体は同じ) が主催する 「こみっくトレジャー」 は、こうした経緯を踏まえ、男性向けジャンルを補完するような目的で別イベントとして開催されています。
オールジャンルの大規模イベント、各都市部で開催
赤ブーブー通信社の公式ウェブサイト |
オールジャンル のイベントですが、前述したようないきさつもあり、他のイベント同様もしくはそれ以上に、より女性参加者の多いイベントとなっていて、参加する 同人サークル の参加比率も、やおい や BL 関係がとても高くなっています。
これは、そもそも同人関係は元々女性が多いとか、幕張の一件もありますが、イベントが立ち上がったのが、いわゆる 「キャプテン翼」(C翼) の全盛期で、元々 「C翼」 のオンリーイベントとして開催される予定だったイベントを前身としていたこともあるようです。 初期から女性同人 ファン が作ってきたイベントなんですね。
他の特徴としては、コミックライブ との 共催 となっていたり、コミティア などの他の同人イベントや、「おたく系イベント」 などと同じ会場でバッティングするケースも多く (行き来自由の場合もあり、また実質的に 「コミックシティ」 と併設となっている プチオンリーイベント も多い)、タイミングによっては一粒で二度、三度と美味しいイベントになったりもします。
一般入場 には、1冊 1,000円〜1,200円程度の 「パンフレット」 の購入が必要で、それが イベント会場 への入場通行証となります。 パンフの前売りや書店売りがされるケースもありますが、当日手ぶらで訪れて、受付でその場で購入することももちろん可能です。
なお 徹夜待ち や朝7時前の会場近辺への行列は禁止、また コスプレ は東京、大阪ほかで禁止となっており、現在は福岡県の 福岡ドーム で開催の 「コミックシティ」 のみ、コスプレ参加 が可となっています。
主催の赤ブーブー通信社さんによる 公式 のウェブサイトは こちら です。
とにかく女性サークルと参加者だらけの 「コミックシティ」
筆者 のサークルは東京と神戸あたりを中心に何度か参加しています (1996年5月4日東京ビッグサイトでの 「Super Comic City 5」 への 委託参加、直参 は 1998年3月28日の 「HARU コミックシティ 3」 がたぶん最初)。
当時は 「セーラームーン」 の人気と共に美少女ものの大ブームで男性同人ファンが急増している時期でしたが、サークル参加、一般参加ともに、圧倒的に女性が多かった印象があります。 1994年の幕張メッセの騒ぎがあったことも一因でしょうが、2000年代になってこの傾向には拍車がかかっているようなので、それなりにイベントに足を運ぶ男性ファンでも、「実は一度も行ったことがない」 なんて人も多そうです。
こうした全国展開の大規模なオールジャンルイベントは、「コミケ」 などの中間を埋めるイベントとしてとても重要なものですが (混雑するコミケで買いそびれたり回りきれなかったサークルの本を、「シティ」 や オンリーイベント で買うなど)、90年代の同人世界の大きな盛り上がりの中で類似イベントが多数立ち上がり、ある種の飽和状態になっている時期、地域もありますね。
コミックシティ(Comic City)におけるジャンル一覧/ 1996年頃
ジャンル | ||||
C翼 | トルーパー | スラムダンク | るろうに剣心 | ジャンプ系FC |
ガンダム系 | マンガFC | アニメFC | 創作一般 | 創作JUNE |
小説FC | ゲーム | 芸能・音楽 | 歴史・古典 | 男性向け |
その他 |
その他のイベントの説明もありますので、リンク を辿ってみてください。