同人イベントでスペースが取れなかった場合の参加方法です
「委託参加」 とは、コミケ などの 同人イベント で、抽選漏れなどで自分の サークルスペース が確保できなかった場合に、仲のよい知人や友人のサークルに自分の 同人誌 などの作品、頒布物を委託するなどして (スペースである机の上の一部を間借りして並べさせてもらう)、参加することです。 単に 「委託」 とも呼びます。
原則的には、作品の傾向が同じ ジャンル のサークル同士の委託となります。 なお 「委託参加」 の対義語としては、直接参加 (直参)、もしくは通常の サークル参加 などになります。
また上記のような抽選漏れの場合だけでなく、例えばわざわざそのためだけのサークルスペースを取って 頒布 するほどの作品点数や在庫数ではない場合や、イベント の当日に急用があったり、イベント開催地が遠方だったりなどがあり、どうしても自分が参加できないので、知人のサークルに並べさせてもらうなんてケースもあります。
ほとんどのサークルは 個人サークル (作家 1人のみ) でやっているケースが多いですし、イベントが開催される土曜日曜に休めない仕事を持っていたりすると、これはやむをえない面もあり、大半の作品を委託で頒布しているサークルもあったりします。
委託参加専用のスペースが用意されるケースも
一部の大規模イベントでは抽選漏れが頻発し、その救済措置として、委託参加専用のスペースをイベント側が独自に用意している場合もあります。 したがって、「直参」「委託」 というのは、片方がイレギュラーな参加方法というよりは、「サークル参加には大きくわけて2種類ある」 という考え方の方が現実に即した考え方かなと思います (これ以外の特殊な参加の方法に、合体参加 というのもあります)。 まぁ昔と違って今はイベントの数も多く、「直参」 が昔に比べるとずっと当たり前のようになってはいますけれど。
委託で参加する場合、例えば
「1日目 西館 ○の○ サークル12345さん にて、委託で参加します」
のような案内をします。
ちなみに片方のサークルがメインでもう片方が委託という形にせず、2つのサークルが対等な立場でサークル参加する場合 (申し込みの段階で両サークル名称の併記もしくはその時のみの新しい ユニット 名をサークル名として参加) は、とくに 「合同参加」「合同スペース」 などと呼ぶ場合もあります。
前述した 「合体参加」 と紛らわしいのですが、合体は2つのサークル参加が一緒になったもの (イベントのルールに則った参加)、合同は2つのサークルが1つのサークル参加をするもの (サークル同士の決め事) といえばわかりやすいでしょうか。
お金のトラブルには注意です
ところで同人誌の頒布にはお金が 絡み ますし、売れ残った在庫の保存状態などで トラブル になるケースも多いようです。 金額的にはたいしたものではないのでしょうが、戻ってきた本が折れ曲がっていたり、乱暴に扱われた形跡があったりすると、心情的に許せない気分になってしまうのは仕方ないところでしょう。 一方で、委託されたサークルは、親切心で委託させてあげたのに文句を云われて不愉快、なんてことにもなります。 行き違いで揉めてしまって友達を失くすなんてことになったら哀しいものです。
筆者 の周りでは、委託参加する時には、本はその委託先サークルに無償で渡し、「売れたら代金はお昼ごはんの足しにして」 なんて頼むケースが多いですね。 売れ残りはイベントに参加した人が持ち帰らないといけないので、確実にさばけそうな最低限の数だけ託す…なんて配慮もあるようです。 ここらはサークルの 主催者 の人となりや交友関係、委託に対する考え方なんかで様々だと思いますが、なるべく問題にならないような方法にするのが良いのかなって感じがします。
トラブルになりにくい 「交換委託」 なんてのもあります
「委託」 の形として、交換委託 というスタイルもあります。 これは、あらかじめお互いのサークルの 「同人誌」 を物々交換して、それぞれがイベント参加の際におのおの頒布するという方法の委託です。
実際のやり方としては、「コミケ」 などにあわせて出した 新刊 を、当日コミケ会場で合流した知り合いのサークル同士で交換します。 頒布価格が異なる場合は、冊数で調整したり、差額をその場で支払ったりします。 お金のやり取りがその場で完結するのでトラブルになりにくく、こうした方法で 「委託」 しているサークルさんも結構いらっしゃいます。