同人イベントなどへ、同人誌を買いに行くことです
「一般参加」 とは、コミケ などの 同人イベント や ワンフェス、宝島 のような物販系イベント、ゲームショー などの 見本市イベント、コスパ のような コスプレ のための イベント に、見物したり 同人誌 を買いにいったり カメコ として写真を撮りに行ったり、あるいは場の 雰囲気 を楽しむためだけに、手ぶら・普段着で参加することです。
笑顔で楽しく参加しようね |
別の言い方をすると、出展者 (サークル、コスプレイヤー、ディーラー) として参加したり、スタッフとして手伝ったりするための参加以外の参加 (入場) となります。
一番わかり易い説明ですと 「客として行く」 などといった感じになりますが、同人系のイベントでは 「客」「ゲスト」 という 概念 がないので (後述します)、あくまで 「一般参加」 と呼びます。 また一般参加のために イベント会場 に入場することは、とくに 一般入場 と呼びます。
一般入場って、入場料はあるの?
たいていはイベント主催側の発行する 「パンフレット」 や 「カタログ」 の購入が必要で、その購入代金が 「入場料」 となりますが、パンフ売り切れにより、結果的に入場無料となる場合も非常に多いようです。 パンフはおおむね 500円程度から1500円程度までが多く、パンフ購入が必須のものは 「完全購入制」、そうでないものは 「入場自由」「フリー」 などと呼びます。
またイベントによっては入場規制を行い、有料時間帯、無料時間帯を区切って開催している場合もあります。 例えば朝10時から夕方16時までの開催だとすると、昼過ぎの13時からは無料ですといった区切り方です。 イベントによって入場方法は微妙に違いますから、現地に到着して右往左往することのないよう、事前にイベント公式サイトなどで入場のための条件などを調べるようにしましょう。
なおコミケにおいては、2019年より変則的なリストバンド型参加証による入場システムが設けられ、実質的な有料入場方法となったこともあります (後述します)。
客ではなく、あくまでイベントを一緒に作る参加者の一員としての参加
コミックマーケット一般参加 |
前述した通り、一般的に同人イベントでは、単なる買い物、見物、客として訪れるだけの 「一般入場」 も 「一般参加」 と呼びます (ついでに、販売も 頒布 になります)。
これは、「サークル参加 や スタッフ参加 ではない」 という区別の意味もありますが、「マンガ などは描き手と 読者 がいて初めて完結する」 という意味と、「どのような形であれ、イベントに関係する人たちの全てが互いに平等な立場で参加し場を盛り上げるべきで、一方的におもてなしされるだけの 「客」「ゲスト」 などは存在しない」 というボランティアによる 運営 の基本的な考え方からきています。 だからあくまでも 「参加」 なんですね。
いくつかの大型イベントでは、例えば企業によるスポンサードを受けていたり、規模があまりに大きくなって運営がシステマチックになっていたり、主催団体が法人化していたり、プロの警備員などが配置されるなどされていますが、誰かが商売のためにやってるイベントではなく、あくまでも互助による 趣味 の集まりであり、関わる人全ての協力で成り立っているイベント、全員が当事者であると云うのは、強く認識すべきだと思います。
もちろん 主催者 の側から要請されたからと云って、不合理で理不尽な要求、非常識な指示まで全てを呑む必要はありませんが (現場 のスタッフが暴走するケースもあります)、自分のことばかりでなく、相手の立場やイベント全体のことも考えて行動できると素晴らしいですね。 逆に云うと、わがままさんが大勢詰め掛けると、イベントが開催できなくなったり、新しくイベントを立ち上げる人がいなくなったりしてしまいます。
同人イベントには企業系のイベントもあり、この場合はボランティア主催イベントとはまた違った意味合いを持つ場合もありますが、あまりに自分勝手な文句や苦情を云いすぎて、イベントそのものが開催されなくなってしまっては元も子もありません。 文句ではなく、提案するつもりで、主催者側の仕組みに沿った手段できちんと伝えるようにしたいものです。 もちろんスタッフとして参加し、運営の一部となって一緒にイベントを作るのも良い方法です。
なお 「一般参加」 の人が、「自分はただ買い物に来ているだけ」 と 自虐的 に考える場合もあり、その場合に 買い専、やらずぶったくり、あるいは 読み専 などと卑下した呼称を使う場合もあります。 ただし買うだけだったとしても、サークルの主催者や 売り子、コスプレイヤーなどに 「いつも楽しみにしてます」「頑張ってください」 と一声掛けるだけでも、声を掛けられた側は嬉しく、また励みになるものですから、「やらずぶったくり」 ではないと思います。
できる範囲で、想像力を働かせて、みんなが気持ちよく参加できるようなムードになれば良いですよね。
一般参加する時に、ちょっと気にしたら良いかも知れない話
小銭は豊富に用意しましょう 500円玉と100円玉もたっぷりと |
基本的には、ごく普通のイベントやテーマパークに遊びにいく時と同じ心構え、マナー意識で構いません。 会場内で走ったりしない (間違っても 走り屋 となって、男津波 や肉雪崩を発生させない)、開場前にあまり早くから並ばない、待機列 などの行列の順番は守る、落し物や忘れ物に注意する、などですね。 また季節を問わず小まめに休憩を取る、水分補給をするなどの健康管理も必要です。 場合によっては コミケ飯 の持参も必要でしょう。
その他に同人イベントならではの注意点としては、同人誌を買う時に、サークルの売り子がお釣りで困らないよう、なるべく高額紙幣などを使わず小銭をたっぷり用意していく、手荷物がたくさんになったら、なるべく早めにコインロッカーなり宅配業者への配送手続きなどをして、「荷物で会場の密度を上げない努力」 をする、仲間と 共同購入 などをした場合には、同人誌の分配などは混み合う会場の中は避ける、通路に座り込むなどして行わない、スタッフの指示や誘導、お願いには快く協力するなどです。
あると便利なトランシーバー |
また仲間と離れて行動する場合には、予め待ち合わせ場所や時間を打ち合わせておくことも重要です。 年々改善はされているのですが、携帯電話が極めてつながりにくくなりますので、現地で状況を見ながら判断などは、かなり危険です (1995年頃はアナログ携帯が、2005年頃からは PHS が比較的つながりやすかったですが、2015年以降は携帯もスマホもやや重くなることはあっても、おおむね大丈夫な感じがします)。 もしハムの免許があれば、ハンディタイプのアマチュア無線機があれば強い味方になってくれるでしょう。
「おたく」 がかなり一般化したとは云え、まだまだ同人やコミケを取り巻く社会情勢は厳しいものがあります。 ほんのちょっとしたルール違反が深刻な トラブル となり、場合によってはイベントの開催ができなくなってしまうかも知れません。
「お客様」 ではなく、「いち参加者」 として、節度を持って 「お祭り」 を楽しみましょう。
東京オリンピックや新型コロナ感染症による情勢変化で一般参加の形も変化
コミケ (コミックマーケット) では長らく入場は無料となっていましたが、2020年東京オリンピックにまつわるイベント会場と日程状況の変化により、2019年の夏 (C96) から、入場規制中の入場にはリストバンド型参加証による有料の入場方式が取られるようになりました。 パンフレットにはイベント開催期間全日分 (4日分4本でそれぞれ色違い) のリストバンド参加証が付属し、入場の際にはこれを腕にはめて提示する必要があります (中学生以上の参加者について1人1本)。 なおDVD-ROM版カタログには付属していません。
パンフレットを購入しない場合は、入場前にリストバンドを単体で別途購入する必要があります。 リストバンドはパンフレット同様アニメショップ (アニメイト・とらのあな・メロンブックス) で事前販売されますが (税込み540円)、当日も会場入り口から離れた場所でリストバンド販売所が設けられました (税込み500円)。 この施策は C96 から C98 の3回が予定されていましたが、その後新型コロナ感染症による社会情勢の変化、東京オリンピックの1年延期などもあり、C97 までは実施されたものの、C98はイベントそのものが中止、C99も延期されています。
その後2021年12月の30日・31日に 新C99 として開催されましたが、オリンピックは終了したもののコロナへの厳しい対応は行われ、大幅な入場人数制限と参加のための事前の入場チケット購入方式へと変更されています。 チケットは参加形態ごとに3種類に分けられ、「一般入場」「アーリー入場」「コスプレ一般入場」 で、チケット代金はそれぞれ 2,000円、5,000円、3,500円となっていました。