同人誌選びは誰が描いたかを重要視 「作家・サークル買い」
「作家買い」「サークル買い」 とは、創作物などを選び購入する際に、選択基準としてその作品の 作者 (同人作家 や 同人サークル) を重視する行為、もしくは態度を指す言葉です。 現在は個人によるサークル (個人サークル) が大半なので、「作家買い」 も 「サークル買い」 も意味はほとんど同じです。 商業 作品や工業製品の場合、メーカー買いなどと呼ぶ場合もあります。
対義語は ジャンル や カテゴリ を重視する選び方を指す ジャンル買い、カテゴリ買い になります。
同人の世界では、ジャンルで選ぶのが多いものですが…
同人 の世界では、アニメ や マンガ、ゲーム、ライトノベル などの原作、元ネタ がある 二次創作 や パロディ の場合、その作品や キャラクター、およびその組み合わせ (カップリング) がひとつのジャンルとなります。 それによって ジャンルコード が割り振られ、サークルスペース (SP) などもそれにそって 会場 に 配置 されます。
このジャンルは同人の世界ではとても重要で、それを基準として 同人誌 などの購入を行うケースが多いのですが、そのうち同じジャンル内でも好きな作家やサークルが自分の中で決まってきますし、そうしたサークルがよそのジャンルに行ってしまったり、自分が別のジャンルに 転ぶ なりした場合には、「別ジャンルであってもその作家、サークルの本を選ぶ」 ことになります。 これが作家買い、サークル買いです。
コミケ などの複数日開催の大規模な オールジャンルイベント でジャンルが違うと、参加日が別だったり、広い広い 東京ビッグサイト を時間をかけて横断しなくてはならないケースもあり、かなり大変だったりもします。 しかし普通はいくつかのジャンルを掛け持ちしていたり、お気に入りの作家やサークルの1つや2つや3つや10こくらいはあるものですから、人ごみに揉まれながら大変な思いをして本を買いにいくことになります。
別ジャンルに行っても付いてきてくれるファンはありがたいもの…
こうしたケースでは、ある意味でその作家やサークル自体がひとつのジャンルとして感じられるケースもあります。 例えば過激な 18禁 を得意とする作家やサークルがいて、その表現がとても気に入っていたら、「アニメキャラ○○の場合はどう料理するのだろう」 などと興味が湧きますし、そもそも特定のジャンルを持たず、その時々でジャンルを移ろう よろずサークル や ジャンルジプシー な作家やサークルもいます。
趣味 の世界のことですし、単なる好みの問題でもあるので、別にジャンルと作家、どちらで選ぶのが正しいとか正しくないはありませんが、前述のとおりジャンルは作品選びに大きな影響を与えますから (例えばとても人気のあるジャンルなら、それだけで売りやすくなります)、そうしたものと無縁な作家の魅力だけで 読者 がついてきてくれるのは、作家やサークルの側からしたら、かなり嬉しく張り合いがあることかも知れません。
イナゴや同人ゴロも、ある意味、作家・サークル購入の対象
ただしジャンルを問わないサークルの中には、その時々で人気のある旬のジャンルを次々に乗り換えながら、ひたすら本の売上だけを目指す営利目的の半商業サークル (とくにひどいものは、イナゴ や 同人ゴロ などと呼ばれます) も 大手サークル にはいますから、一概に傾向を分けづらい点もあります。
こうしたサークルの本を購入する層は、大手サークル、人気サークルに付いて行っているサークルの ファン も多い反面、その時々の旬のジャンルを扱っているだけに、ジャンル買いの 一般参加者 も惹きつける、独特の存在です。 そもそもイナゴのファンは同じイナゴという面もありますし。
こうしたサークルは、夜の おかず として男性同人ファンの一部がありがたがる傾向がある一方、確固たる 自ジャンル を持ち、ジャンル命の活動をしている人たちからは、愛がない として毛嫌いされているケースもあります。