同人ゴロじゃ〜ん…みたいな感じですか?
「同人ゴロ」 とは、文字通り、同人 を食い物にする、この世界の 「ごろつき」 あるいは柄とお行儀の悪い 「ゴロマキ」(ケンカ、転じて揉め事を起こすような人) の事です (^-^;)。
元々は、人気のある 同人作家 らに呼びかけて 原稿 を集め、それで 同人誌 を作って売りさばいたり (いわゆる 委託編集同人誌 や 合同誌)、酷い場合は売りさばいた後にお金を持ってドロンしちゃうとか、印刷所 に代金後払いで同人誌を作ってもらい、納品後に姿をくらますなど、ほとんど犯罪的な手口でこの世界に巣くう人々の事を指しました。 面妖本 を無断で複製しまとめた、いわゆる 海賊版同人誌 辺りも、この手合いのテリトリでしょう。 が、最近では、こうした人々はほとんど見かけなくなりました。
現在は、ちょっと売れ行きの良かった知人の 同人サークル さんへ、冗談交じりに 「同人ゴロじゃ〜ん」 などと投げかける為の “軽口用語”、“憎まれ口用語” になりつつありますね。 ある地方では、「同人やくざ」 とか呼んだりもするらしいですが… (^-^;)。 もっとも、前後して現れた 嫌儲 のムードや流れもあり、「金儲けしてる時点でもう同人ゴロだ」 と、意味が広がっている傾向もあります。
海賊版の不正出版、転売厨、違法ダウンロードサイトなどなど…
イマイチわからない、同人ゴロって? |
筆者 は人気のある 大手サークル の 限定本 などを イベント会場 で買い漁り (当然不正な方法で入手した サークルチケット の利用や フライング などで)、それをネットオークションなどで高値で売りさばく 転売屋 などが、この言葉に現在最も近い人たちじゃないかな、とか思います。
前述した海賊版同人誌や、最近激増している 「無許可同人誌 ダウンロード 販売サイト」 などもそうですが、あんまり近づきたくない方々ですね。
また同人は基本的に自分が好きな作品の 二次創作 や オリジナル の作品を作ったり 頒布 したりしますが、好きでもない作品を 「売れるから」「人気があるから」 と手当たり次第に食い荒らすようなサークルも、イナゴ (175) や 同人ゴロ と呼ばれる場合がありますね。
同人に関わる人間の数が多くなり、「一発当てるとでかい」 などといった状況になると、詐欺行為まではしないものの、有名作家やサークルを集めて半商業誌的な同人誌を定期刊行に近い頻度で頒布し荒稼ぎするセミプロの編集サークルを 「同人ゴロ」 と呼んだりするケースは多いようです。
あるいは ネット の アフィリエイト でそこそこの稼ぎが可能になると、同人 界隈 の面白い ネタ を集めてページビューとアフィリエイト収入をひたすらに追及する人たちが 「同人ゴロ」 と呼ばれたり、特定の MAD 作品を商売に結びつけ儲けをたくらむ人に対しても (よく話題になるのは、「ニコニコ動画」 での ゲーム、「アイドルマスター(アイマス)」 の 「MAD」「ニコマス」 界隈で、ブームを利用する特定の人たちに否定的な立場の人からなど)、よく見かける言葉となっています。
こうした旧来の同人ゴロに加え、2011年3月以降は、東日本大震災のチャリティがらみの企画の一部でも、よくない噂を聞くこともあります。 多くの同じような企画はきちんとした企画ですし、何でもかんでも疑ってかかるのは寂しいものです。 なるべくなら善意は信じたいものですが、世の中には普通の常識や善意が通じない人もいるという点は、しっかり踏まえたいものですね。
なおコミックガム創刊号 (1996年11月号/ ワニブックス社) より連載が始まった人気漫画家 平野耕太さんの一般誌デビュー作となるマンガ 「大同人物語」 では、登場人物が同人ゴロぞろいとなっており、作品そのものはその後未完のまま終わってしまったものの、カルト的な人気を同人関係者の間で博しており、この言葉がその後広く使われるきっかけの一つとなっています。
儲け第一主義の同人に対する風当たり…
前述の通り、“同人活動でお金儲け” をする人たち一般を、侮蔑的にこう呼ぶ事もありますが、元々の意味が意味ですから、冗談でも使い方を誤るとトラブルの元です。 確かに同人ゴロ的な “売り上げ最優先” な活動をしているトコもありますが、当然ながらそのほとんどが、真面目に活動していらっしゃるサークルさんなのですから。 イナゴ と並び、同人ゴロと呼ばれることを極端に嫌悪する人も少なくありませんから、気をつけるようにしましょう。
ちなみの蛇足に、筆者が描いているセラムン同人作品は、“必殺! 同人ゴロ ほたる” なるタイトルのブツなんですが、意味合い的には “野望たくましく人気サークルを目指す” と云った、グッ…っとソフトな感じの内容になってます。 パソ通 上でネタ 書き込み として始まり、その後マンガとして描き始めたもので、コミケット50 (夏コミ/ 1996年8月3〜4日) で頒布した オフセット本 が同人誌としての初出でした。 なので指し示す意味はともかく、この言葉そのものには妙な愛着があったりしますw