業者や個人が多数参加する業態、「リセール」
「リセール」(Resale) とは、再販、再販売という意味です。 具体的には、生産元のメーカーなどが出荷して小売店に並ぶ 「一次流通」 に対し、これを利用して商品を仕入れ (店頭で客として購入する)、再度販売することになります。 二次流通 や 転売 などと呼ぶ場合もあります。
一般的には中古販売がそれに当たり、それを専門に行う業者を 「リセール業者」「二次流通業者」 や 「転売屋」(テンバイヤー) などと呼びます。 リサイクルやリユース (リサイクル業者、リユース業者) と呼ぶ場合もありますが、この場合はリセールとはまた違った ニュアンス を付加し、別のイメージで使われるケースが多いようです。
扱う商品は原則として中古となりますが、誰かが購入して使用した商品という意味の中古ではなく、単に一次流通業者から一度購入しただけの、実質新品もあります。 この場合は形式上は中古となりますが、使用した中古と区別するために、未開封品と呼ぶ場合もあります。
国内の商品をリセールする場合もあれば、海外の製品を自主的に輸入して販売する場合もあります。 この場合は海外にバイヤーが出向き、ショップで商品 (自動車やバイク、ブランド品、家具、アクセサリー など) を購入して販売します。 こうしたケースでは並行輸入や輸入代行、個人輸入販売と呼ぶ場合もあり、そうした業者や店舗をセレクトショップと呼ぶ場合もあります。 なお国内メーカーの国内生産品で、国内に販売 供給 されていない海外輸出専用モデルを輸入販売する場合は、「逆輸入」 と呼びます。
同人の世界では、リセールは嫌われるケースが
同人 の世界では、古書販売としての 同人誌 の中古本の販売があります。 同人ファンなどが、不要となった自分の所有する同人誌を同人専門の書店などに売却し、それを書店がリセールする形です。
ただし初期の頃から、こうした書店が コミケ などの 同人誌即売会 にスタッフを派遣し、壁サークル や 大手サークル と呼ばれる人気の 同人サークル の 新刊 や 限定本 を買いあさり、それを店舗で法外な利益を乗せて転売するケースがあり、そのやり方に批判が集まっていました。
こうした書店のうちいくつかは、イベント会場 で同人誌を調達するのではなく、サークル側から販売の委託を受ける形の販売に順次移行し (書店委託)、その後は イベント で買いそびれた本などを手軽に入手できるルートとして重宝されている場合もあります。 一方で同人の市場が大きくなり、ネット のオークションが広がるとともに、ある種の 同人ゴロ のような悪質な転売屋がプロ、アマチュア問わず増えたことにより、リセール問題がより大きくなっているケースもあります。