作り手と受け取り手がいてはじめて成り立つ… 「聴き専」
「聴き専」 とは、主に YouTube やニコニコ動画などの 動画共有サイト に動画として アップロード される音楽的な創作作品の世界 (音楽系の MAD や 歌ってみた、初音ミク などのボーカロイド関係など) で、自分では作品を作らずに受け取るだけ、聴くだけの立場です…といった意味の言葉です。
動画共有サイトが登場する以前は、音楽作品などはオーディオテープや CD などに記録され 同人イベント などで 頒布 されていましたが、同じ 会場 で頒布されている 同人誌 などにおける 読み専、買い専 (一般参加) などと同じ ニュアンス の言葉となっています。
音楽の世界では、昔から使われていた 「聴き専」
聴き専という言葉それ自体は、音楽業界や カラオケ の好きな人たちの間で昔から使われていた言葉ですし、音楽の演奏や歌唱活動などを全く行わない人というよりは、特定の ジャンル や カテゴリ でのみ活動していて、そのジャンルは好きだけれど聴くだけですの意味でもよく使われていた言葉でした。 例えば 「パンクはやっているがヘビメタは聴き専です」 みたいな使い方です。
同人 や おたく の 界隈 では、受け取り手であると同時に作り手側の人間であるケースはとても多いですし、ネット にはそうした人たちが集うコミュニティがたくさんありますから、「受け取るだけで何も作品を提供できない」 という自分の立場に少々の引け目を感じて、へりくだった意味で 「聴き専」 を使う人もいます。
もっともどんな作品であれ、それが外部に向けて公開されている作品である以上、それを受け取る人がいてはじめて作品が完結するとも云えますので、必要以上に卑下する必要もないでしょう。 それでも受け取るばかりで申し訳ない…と思う人がいるなら、ぜひとも素敵な作品を制作した人へ、感想や応援のメッセージなどを寄せてみれば良いのではないでしょうか。 「自分なんかが感想を書いても別に嬉しくないだろうな」 と思う人も少なくありませんが、単に 「聴いた」「読んだ」 だけでも創り手はとても嬉しく感じますし、そこにちょっとした好意的な感想がつけば、次作品へのモチベーションも高まるというものです。