同人イベントごとに発行されるカタログ 「パンフレット」
「パンフレット」(pamphlet) とは、何らかの情報を伝えるために作成される小冊子や一枚ものの 印刷物 のことです。 略してパンフと呼ぶこともあります。 広告や宣伝、情報提供や 告知 などに用いるもので、おおむね無料かそれに近い価格で 頒布 されることが多いでしょう。 目的が 商業 にせよ何らかの考えや文化的なあれこれの紹介にせよ、扱う対象物を魅力的に見せるために文章はもとより視覚的に訴えるデザインが施されており、出来る限り伝える内容を簡潔かつ明確にまとめたものになっています。
同人 の世界では、同人イベント を 主催 する団体が発行する、その イベント に サークル参加 する サークル の名前や 配置位置、サークル側の 作品 や 自己紹介 (サークルカット など) がまとめて載っている小冊子のことを指します。 イベントパンフレットとかカタログ (イベントカタログ) と呼ぶこともあります。 通常はこのパンフレットの購入代金 (300円程度から 1,500円くらいまで多様) が、イベントへの 一般参加 の費用 (入場料) となり、また会場への入場証代わりにもなっています。
またサークルの紹介だけでなく、イベント会場 へのアクセス、イベントの趣旨や参加にあたっての各種の注意事項やルール、主催団体の紹介、場合によってはイベント会場そばの各種アクティビティについて詳しく紹介がされることもあります。 またそのイベントに協賛している企業 (例えば 印刷会社 や アニメ、ゲーム の関連企業など) の広告が含まれることもあります。
一般的なパンフレットの目的
パンフレットの主な目的は、プロモーション の一環として特定の製品、サービス、イベント、または企業などについての情報を提供し、パンフレットを手にした 読者 の興味を引いて行動を促すことです。 例えば観光地のパンフレットでは、その場所の魅力やアクセス方法、宿泊施設、観光名所としての見どころや遊ぶ場所などが連絡先などと共に一緒に掲載されます。 企業のパンフレットでは会社の概要や提供するサービスの概要が掲載されます。
これらは一般の書店流通に乗ることはなく、イベント会場で配布されたり、パンフの発行元である企業や団体が請求に応じる形で送って人々の手に渡ります。 また公共交通機関の窓口や、地方自治体などが都市部に設けたアンテナショップのような情報発信拠点に設置したパンフレット用のスタンドなどに並べられることもあります。
商業用のものは上質な紙にカラーで印刷されたものが多く、印刷会社にとっては重要な収入源のひとつとなっています。 また個人商店などが作成した モノクロ の一枚ものの簡便な体裁のものもあります。 ちなみに一枚もののパンフレットの場合は、いわゆる チラシ やビラ、フライヤー などと区別がつかない場合もあります。 同人の世界ではこうした一枚もののパンフレットは ペーパー、あるいは インフォメーションペーパー と呼ぶことが多いでしょう。
視覚的に魅力的なパンフレットは、情報を効果的に伝えるための重要なツールのひとつです。 適切なデザインと内容で作成されたパンフレットは手に取ってもらえる可能性を高めますし、他との差別化を図るポイントにもなるため、工夫が必要です。 そのためには 色 やレイアウト、フォント選び、図案 (挿絵 となる写真や イラスト、図解など) をどう選ぶかは重要でしょう。
伝える内容によって何を選ぶかは様々ですが、企業パンフなら企業のロゴや CI に合う色使いや他の資料などと共通する振る舞い (トンマナ/ トーン&マナー) を守りつつ信頼感を与えるデザインが必要ですし、観光地のものなら楽し気な 雰囲気 になる色使いやポップなデザインが必要です。 思わず手に取ってしまうような魅力と共に、中に何があるか表面や 表紙 を見ただけで想像できる (期待を裏切らない) 表現が必要です。 また子供向けなら平易な表現、高齢者向けであれば分かりやすい言葉や大きなフォントが好まれますし、想定するターゲットに合わせたデザインも大切です。
様々なパンフレットの形
パンフレットには印刷方法や配布の方法などに応じて、いくつかのタイプがあります。 一般にチラシではなくパンフと呼ぶ場合は小冊子のように数ページに渡るものが多いのですが、折りたたみパンフレットのように、一枚の紙を折りたたんで作成されるものもあります。 これは一般的に三つ折りや二つ折りが多く、コンパクトにまとめられ安価に作成できる上に一枚ものに比べて情報量が比較的多く、とてもよく見られるものでしょう。 これはリーフレットと呼ぶことが多いでしょう。
冊子型パンフレットは複数のページを持ち、綴じられた形式のものです。 中には数十、あるいは数百ページを超えるようなものもあります。 詳細な情報を提供したり、イベントのパンフなら情報の全てを網羅しているものとなります。 とくに コミケ のもの (コミケカタログ) は分厚く重いもので、しばしば ネタ として人を殴り殺せる 鈍器 の扱いがされます。
また一枚もののパンフをいくつかまとめて使うもの、冊子型パンフの一部を組み合わせて自由な形に分離して使えるようなタイプのパンフもあります。 こちらはバラバラにならないよう、紙やポリプロピレンで作られたファイル (クリアファイル) に入れてまとめられるケースが多いでしょう。 様々な商品を発売している企業などが、それぞれの商品のチラシと会社概要などの共通する部分とを必要に応じて組み替えて使うもので、費用対効果 が高いパンフの作り方と云えます。 これの対概念としては、全てを網羅した総合パンフレットがあります。
1990年代から2000年代になり、パソコンや ネット が普及すると、電子化 されたパンフレットも登場します。 これはデジタルパンフレットと呼ぶこともあります。 配布は ホームページ や 電子メール、DM などを通じて行われ、単に紙のパンフレットを電子化しただけでなく、何らかのインタラクティブな要素を取り入れたものもあります。 手渡しができる場合、CD-ROM や DVD といった物理的な媒体の形で頒布されるものもあります。
揶揄・蔑称としての 「キャラクターパンフレット」 なども
パンフレットから派生した言葉に 「キャラパンフ」 があります。 これはやたらとたくさんの キャラクター が登場するアニメやゲームなどを、「まるでパンフレットのようだ」 と揶揄する言葉で、そうした作品をキャラパンフとかパンフ作品みたいに呼ぶこともあります。 より批判の意味を込めて 露悪的 に 「美少女動物園」「品評会」「回転ずし」 みたいに呼ぶこともあります。
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