同人用語の基礎知識

フライヤー

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ちょっと小さくて、ちょっとおしゃれ?… 「フライヤー」

 「フライヤー」(Flyer) とは、一枚もの (ペラ) の印刷物を指す言葉で、何らかの 告知 や宣伝、案内などのために配布するのを前提に作られるものです。 似たものとしてリーフレットもあります。 ほとんど同じような目的・体裁の印刷物にはこの他、チラシ や ビラ、ペーパー、プリントなどもあります。

 どれもそれほどの違いはありませんが、一般的なチラシなどに比べると紙のサイズはやや小さく、またそこそこ厚みのある高級紙が用いられることが多いかもしれません。 厳密な定義はあやふやながら、それまでの慣行などから、特定の分野ではそれなりに分けて使われるケースも多いでしょう (後述します)。

元々は、航空機から地上へとばらまいていたフライヤー

 言葉の語源・元ネタ は英語の flyer そのままに 「空を飛ぶもの」 という意味です。 すなわち、元々は航空機などから空中散布するチラシやビラを指す言葉でした。 戦時中に自国や敵国の上空から、戦意高揚やプロパガンダのビラを地上に向けてばらまくイメージですね。 大きさ的にははがき大あたりが多いでしょうか。

 戦時中はともかく単なる広告や宣伝で空から紙をバラまかれても困ってしまいますが、日本においては 戦前・戦中のみならず戦後も、国家的な イベント とか百貨店の開店などの際に行われることもあったようです (航空機からではなく高層建築物の屋上からまいたり)。 当然ながらその他の配布方法と比べてもコストは高く、またモータリゼーションが発達すると走行中の車のフロントガラスに貼りついたら事故必至みたいな声も高まり、テレビと云ったメディアが登場し普及するに従いその役割を終えたとして 1964年には法律で禁止されています。

音楽やアート系の配布物で比較的よく見る表現かも

 同人 の世界では、一枚ものの印刷物はペーパー (インフォメーションペーパー) と呼ぶことが多いですし、新聞の折り込み広告はもっぱらチラシ、駅前でまいたりポストに投げ込まれるものはビラ、学校から渡されるものはプリントと呼ぶことが多いでしょう。 フライヤーはこれらに比べるとちょっとお上品というかおしゃれというか、レコード店 (CDショップ) やライブハウスといった音楽関係の場とか、アート系のお店、おしゃれなカフェのレジのそば、音楽イベントやアート系のイベントで入場者らに手渡し配布するようなケースで比較的見かける感じかもしれません。

 ただし前述したように言葉自体にそれほど厳密な定義はないので、別にペーパーをフライヤーやビラと呼んでも間違いではありませんし、自分の サークル雰囲気 にあった言葉を使ってみるのもいいかも知れません。 プリントなんて、ちょっとゆるくていい感じです。 一般にペーパーなどは A4 か B5 サイズくらいのものが多いと思いますが、A6 くらいの小さいサイズで色のついた紙に気取ったデザインを施すと、だいぶフライヤーっぽい感じになるかもしれません。 印刷業者 によっては、A4 までのサイズをフライヤー、それ以上をチラシみたいにサイズで呼び分けていることも多いみたいですし。

 A6 ならば、サイズ的に年賀状印刷のようなはがき (ポストカード) 印刷での対応もできる場合があるので比較的手ごろです。 1990年代前後あたりまでは、個人が自宅で 印刷 をすることが機材的にとても難しかったので、大学や文房具店などに設置されていたコピー機を使わなければ、手書きをするかプリントゴッコ (プリゴ) を使ったフライヤー作りくらいしか方法がなかったんですよね (ていうかせっせと刷ってましたw)。

 その後コピー機がコンビニなどにも並ぶようになったり、家庭用のパソコンやプリンターが普及してかなり手軽になってきました。 その場合、より低予算で作るなら、A3 とか A4 とか大きいサイズでコピーして何等分かにするといい感じです。 業者に頼む場合は安くて少部数 (100枚程度) から発注もしやすいので、名刺 を用いたフライヤーもあります。 駅前の路上ライブで配布されるバンドのライブ告知とかメンバー募集のフライヤーなんかも、だいたいそんな感じのものが多いかも知れません。 いやまぁ、真っ白な B5 のコピー用紙に Word や Excel で作った文字びっちりの行政文書みたいな印刷物でも、別にフライヤーとして使って全然かまいませんけれど。

 同人サークルにせよ音楽やアート系の集まりにせよ、自身の名を冠して配布するものは全て自分たちの 世界観 を構成する作品であると考える人もいます。 単なる告知のための配布物とはまた違ったこだわりや作る楽しみもあります。 そうした同人サークルやインディーズ系のフライヤーは、単なる告知や活動の記録としてではなく、ファン ならコレクションとして後々まで保管しておきたいようなものが結構あったりしますね。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2006年6月21日)
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