なんといっても本の印象と売り上げ? を左右する 「表紙」
「表紙」 とは、書籍類の最初と最後のページ、紙のことです。
最初のページを 「表表紙」(おもてびょうし/ 表1)、最後を 裏表紙 (表4)と呼びます。 それぞれの紙の裏側 (表2、表3) は何も印刷しない場合が多いのですが、印刷する場合は 裏刷り と呼びます。 またこの場所に特殊な飾り紙を貼り付けたりすることを 「裏打ち」 と呼びます。
なお 本文 ページで 作品 がいくつかに区切られる際に (複数作品掲載や、章で割るなど)、それぞれの冒頭に入れる個別の作品タイトルページなどは、扉 などと呼びます。 「内表紙」 とか 「第二表紙」 などと呼ぶケースもあり、「内表紙」 などは別に間違いではありませんが、似たような言葉を使うと混乱して間違いやミスを招くケースもあるので、意識的に 「表紙」 と 「扉」、あるいは 「表1」 とか 「表4」 のように、他の意味にはならない 限定的 に指し示す言葉を求められるケースもあります。
もっとも力の入る 「表紙」 用原稿の作成
同人誌 に限らず書籍類の 「表紙」 は、最初の1ページ目と最後の1ページであるということ以外にも、「外から見える」 という点で、極めて特殊で、かつ重要度の高いページと云えます。 雑誌や 商業出版 物などでは、表紙を替えただけで売り上げが変わる…なんて云われますが、注目度が上がったり、思わず手に取りたくなるなど、中身は同じでも多くの 読者 に見てもらえるアイキャッチとして重要なものとなっていますね。
「同人誌」 でもそれは同じで、「本文」 ページとは異なって光沢のある厚手の紙にフルカラーで印刷された イラスト などは、構図など自由に体裁を選べますし、本作り、同人誌作りのひとつのクライマックスでもあり、いわば本全体の 「包装紙」 ともなります。 とりわけ表表紙 (表1) は、その本を作る時にもっとも力を入れ、また神経を使う部分といえます。
作成方法は本文ページと基本的に変わりませんし、カラー印刷なら 原稿 をカラーで描けば良いだけの話なんですが、本全体の内容を表すような力の入ったイラストを描くなど、腕の振るい甲斐のあるカンバスといえます。
良い 「表紙」 とはどんな 「表紙」 なのか
表紙の描き方や テーマ の選び方ですが、「自分のものにしたくなる」「保存 したくなる」 ようなものが良いでしょう。 といっても、これはかなり難しい話なんですが、「同人誌」 を買ってくれる読者は、そもそもその同人誌を発行している サークル なり 同人作家 なり、あるいは作品傾向なり絵柄なりを気に入ってくれているからこそ、買ってくれるわけです。 そういう人に向けて、気合を入れながらも飾らない自分のありったけを ストレート に出すのが、小手先のテクニックより大切なのかなと思います。
現在は表紙をフルカラーにするのが当たり前となっていますが、「私は モノクロ のイラストの方が好きだし、自信がある」 のなら、あえてモノクロ単色の表紙にするのも賢明な選択でしょう。 フルカラーが安価になって主流から外れた 多色刷り も、味わいがあるものです。 さらにタイトルなどに 箔押し (文字が浮き出るような印刷加工) をしたり、「窓」(切り取った穴) を空けて 遊び紙 で一風変わった印象を与えたり、原稿段階以外の装丁で工夫することもできます。 自宅のプリンターでは出力できない厚紙への印刷のために、表紙のみプロの印刷業者に依頼し、本文は自分で作るような コピー誌 の作り方もあります。
「中身」 と 「表紙」 があまりにかけ離れると…
他の 「表紙作り」 のポイントとしては、「中身をある程度きちんと反映させる」 というのも、とても大切です。 「本文」 部分の マンガ や小説 (SS/ ショートストーリー) に登場しないキャラクターや関係のない作品のキャラなどを描くのは、ご法度かも知れません。 表紙にだまされた…なんて思われたら悲しいですものね。
なお 「同人バブル」 などと呼ばれた 1980年代から1990年代頃の同人誌の中には、高価な画集のようなハードカバーの立派な表紙を持った同人誌なども結構ありました。 頒布 価格も 2千円3千円を軽くオーバーするようなものがありましたが、本棚に並べても、商業美術書に負けない貫禄を持っているようなすごい本もあります。
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