印刷面を保護し、見た目も高級感がある 「PP貼り加工」
「PP貼り加工」(P.P.加工) とは、糊付けしたポリプロピレン・フィルム (PP/ PolyPropylene film) を紙の表面に熱圧着してコーディングする加工のことです。 PP加工、PP処理などとも呼びます。
通常は 同人誌 の 表紙 などによく使われ、イラスト などが 印刷 された紙の表面を、PPで覆う形になります。 PPの種類は大きく分けて2つあり、光沢と透明度が高く比較的安価のグロス (つやあり) と、光沢のないマット (つや消し) となります。 いずれも撥水性があり、印刷面を汚れや色落ち、摩耗から保護でき、また紙を補強し高級感もあるなど、多くの印刷物でよく見かける処理となっています。
短所としては、どのような紙にも使える訳ではなく、また使ってもほとんどが同じようなビニール状の手触りとなってしまい、紙独特の手触り、風合いを スポイル してしまう点があります。
また処理が不十分だった場合、一部に圧着むら が生じたり、ホコリやごみが圧着面に付着して気泡ができたり、折り曲げが入っている表紙の背の部分 (背表紙) などから剥がれたり、割れてくる場合もあります。 さらに保存方法によっては、経年とともに 色 がついてきたり、硬化してボロボロと剥がれてくる場合もあります。
とはいえ、かかる費用に対して得られるメリットが大きいので、とくにフルカラーで印刷された表紙などでは、多くの場合で利用される加工といって良いでしょう。
好みと用途、予算に応じて使い分けられる PP加工
同人誌の印刷・製本を請け負っている 印刷所 などでは、PPのあるなし、PPの種類などを選べる場合もありますが、印刷セット や フェア などで、特別な料金の追加なしでPP貼りつけ加工をしてくれる場合も多くなっています。 好みや表紙の 絵 などに応じて、選ぶようにすれば良いでしょう。
なおとても近い加工方法に、ラミバッヂ などでおなじみの、ラミネート加工 (ラミ加工) というものもあります。