独特の立ち位置でオリジナル作品を盛り上げる 「コミティア」
「コミティア」(COMITIA) とは、オリジナル作品 に 限定 した創作マンガ同人誌即売会 のことです。 ただし一般的な 同人イベント という名称や、それらで 頒布 される作品を 同人誌 や 同人 マンガ などと呼ぶことに対し、コミティアでは 「同人に仲間内」 の ニュアンス があるため、広く外に向けて開かれた イベント とするためにイベント名を 「自主制作漫画誌展示即売会」、販売する本をプロ・アマ・商業・非商業問わず制作される 「自主制作漫画誌」 だとしています。 当然ながら、既存作品の 二次創作 や パロディ は範囲外となります。
こうした理念の元、「創作物の発表の場」 を掲げて東京では 東京ビッグサイト で年4回 (2月・5月・8月・11月)、その他、大阪・名古屋・新潟・北海道・福島・福岡の全国6都市でも年1〜2回のペースで開催されています。 オリジナル 限定 ではあるものの、マンガ以外の作品も多数集まり、小説や評論、グッズ、音楽や映像作品の CD や DVD の頒布も行われています。 主催 はコミティア実行委員会、運営 は有限会社コミティアです。
単に人が集まり作品をやり取りするだけでなく、「出張マンガ編集部」 と呼ばれる、商業漫画雑誌の編集者が集い、持ち込み作品にアドバイスなどを行うコーナーもあり、創作や表現を様々な形でバックアップする橋渡しを果たす場としても機能しています。 その独特のスタンスでのイベント開催は他の同人イベントとは一線を画し、1984年11月18日に練馬産業会館で開催された第1回コミティアを皮切りに、「何でもあり」 な巨大同人イベント コミックマーケット (コミケ) とは重複するところもありつつ独自の存在感を持ち、コアな賛同者やマンガ好き、ファン を獲得する存在ともなっています。
なお著名なオリジナル創作オンリーと云えば、コミティアに先立つ 1982年1月から長らく関西で開催されてきた 「そうさく畑」 がありましたが、2016年11月の 「そうさく畑FINAL」 開催を持って惜しまれつつ終了しています。
充実したカタログ 「ティアズマガジン」(ティアマガ)
カタログ・パンフレットである 「ティアズマガジン」(ティアマガ) は 会場 へ入るための通行証として 一般参加者 の購入が義務づけられていますが、サークルカット やイベント規約を並べる一般的なカタログであると同時に 参加 する サークル へのインタビューなど内容も盛りだくさんで資料的価値も高く、最新のマンガや創作に関する事情を押さえた季刊誌の趣があります。
2013年には多年にわたる積極的な取り組みが評価され、実行委員会代表の中村公彦さんが第17回文化庁メディア芸術祭で功労賞を受賞、また2014年には開催30周年を迎え、全3集にも及ぶ 「コミティア30thクロニクル」 を刊行、またそれを全国図書館へ寄贈しています。
なお開催規模は、東京ビッグサイトの場合でサークル・個人の スペース が 約3,000〜5,000、総来場者は2〜3万人程度とアナウンスされています。 公式 のウェブサイトは こちら です。
コスプレ参加はできません
コスプレ による 参加 は禁止されていて、普段着やそれに準ずる節度ある服装のみ参加できます。 ただし 版権もの の二次創作ではないコスプレ、すなわち一般的な メイド服 といった服装やオリジナル衣装によるコスプレの写真集といった作品を、自分のスペースで頒布することは可能です。