たいてい最後の作業になりますが、意外に時間と手間が掛かってパニックする事も…
「写植」(しゃしょく) とは、マンガ などで登場人物が喋るセリフ (ネーム) を、ワープロなどで活字にしたもの一般を指す言葉です。 マンガの 絵 の部分の執筆が終了した 原稿 の フキダシ 部分にこの 「写植」 を貼って、やっと製版・印刷が可能な完成原稿となります (もちろん、活字ではない手書きでも、全然OKですけれど (笑)。
ちなみに 同人サークル の発行する 同人誌 などでの写植は、マンガ本にせよ小説などの文字本にせよ、ワープロなどを使って自分で作る場合がほとんどでしょうけれど (最近では、Illustrator などのデータによる データ入稿 を受け付ける 印刷所 さんもあります) 、商業出版 の世界では、それ専門の 「写植屋」 さんが存在します (業務用の和文写植機やタイプライタで活字版を使って作りますが、最近ではワープロ (コンピュータ) も随分と一般化しているみたいですね)。
商業マンガの世界では、締め切り間近の 修羅場 となると 「確定したネームだけでも先に入れろ」 と編集からせっつかれます
漫画家さんはこれを 「背後霊」 と呼んで嫌いますが…身から出た錆なので何とも。 そのまま恒常的に遅れ続けると今度は 「地縛霊」 となってしまう場合も…。 くれぐれも締め切り破りは程々が良いようです…。
縦組み、横組み、和欧混植…写植作りは面倒もたくさん
なお写植には縦組みと横組みがあり、マンガのセリフの場合は縦組み (縦書き) が多いと思うのですが、もうひとつのポイントに、和欧混植 (和文と欧文の混成) の問題があります。 縦書きですと、英文は載せづらいですし、さらに日本語と英語の文字フォントのベースラインの違い、さらには全角半角や句読点、疑問符や記号 (約物) の違いもあります。
商業印刷などでは一定のガイドラインがあるようですが、同人誌の場合は自分が読みやすい、作りやすい体裁で良いと思います。 ただし写植を印刷屋さんや印刷屋さん経由で写植にしてもらう場合は、指定された決まりを守るようにしましょう。