1996年よりつけられるようになった 「成コミマーク」
コミックスにつけられている、代表的な成年マーク |
「成年コミックマーク」「成コミマーク」「成コミ印」「識別マーク」 とは、1990年代初頭の 18禁 マンガ雑誌、単行本などに対して吹き荒れた 子供向けポルノ追放運動 に対して出版社などの団体が 1996年より自主的に取り決め行った 自主規制 措置のひとつです。
「識別マーク表示」 とも呼びます。
内容は 「露骨な性描写を中心とする成年向け雑誌に発行出版社の判断で 「成年向け雑誌」 マークを表示し、小売書店等において 「成年コーナー」 等へ区分陳列販売を徹底し、青少年への販売上の注意を喚起する」 となっています。
その際、識別のために楕円や四角形などの黄色い背景に、黒字で大きく 「成年コミック」「成年向け」「成人向け」 などと表示をするよう求めています。 こうした作品ごとの対象年齢を定め制限することは レイティング、未成年・成年との分離措置は ゾーニング と呼びます。
アダルトビデオやアダルトサイトなどに表示が義務付けられている成年マークと異なり、こちらの成年マークについては形状や寸法、色彩、どんな作品につけるべきなのかといった基準が厳密に決まっている訳ではありません。 しかしおおむね黄色地に黒いゴシック文字で作られ、各自治体で 青少年健全育成条例 で 有害コミック とされるような書籍類の第一表紙の四辺隅などに目立つサイズで入っています。
こういったマークは、それ以前も各々の出版社や編集プロなどが自主的にいろいろな形でつけていました。 しかし様々な社会的要請から、業界団体だけでなく政府与党の関係者らも加わり、1996年から事実上の大雑把な規格の統一と業界網羅的な規制が始まったと考えて良いでしょう。 ただし強制力はなく、あくまで 表現の自由 や出版の自由の範囲内で、出版社側の自主規制の形で定着することとなります。
後に、より目立つ 18歳未満禁止、成年マークも登場
後により目立つ赤い 枠 に黄色地に黒文字で 「18」 に進入禁止マークを重ねたマークも登場し、現在はこれらを表紙に入れてしかるべき販売に対する小売店側の配慮がなければ、実質 美少女コミック誌 の販売はできなくなっています。 なおこの措置がとられた当時は、黒字に白抜き文字の 「ストップ エイズ」 ロゴとセットで成人成年向け雑誌の表紙によくつけられていたものです。
規制そのものの概要は 雑誌や出版物等に関する青少年関連施策 にてお読みください。