パソコンが一般化し、言葉のニュアンスも変わる… 「CG」
「CG」(Computer Graphics/ コンピュータグラフィックス) とは、コンピュータ (パソコン、PC) を道具、画材 として使用して描いた (作成した) 絵 や イラスト、絵画 などのことです。
ごく大雑把に分類して、人間が画材・絵筆としてパソコンを使い描画したものと、様々なプログラムによってパソコンが生成・描写・出力したもの (レンダリング/ Rendering した 画像) の2種類があります。 初期のCGは後者のような描き方しかできず、例えば画面 (モニタ) のどこに点を表示させるかといったプログラムを組み、そのプログラムを走らせて表示させるようなものが中心でした (そのために、方眼紙スキャン などといった画像取り込みテクニックなどもありました)。
パソコンの普及と低価格化・高性能化でCGが当たり前のものに
その後、グラフィックツール (ペイント系ソフトウェア) と呼ばれるCGを人間が手動で描くためのソフトウェアが登場。 大きく分けてペイント系 (フォトショップ など) とドロー系 (イラストレーター など) の2種類がありますが、紙に描いた絵をパソコンに取り込んで着色したり、マウスや ペンタブレット などを使って、パソコンの画面の中で絵やイラスト、マンガ などを描くことが可能になりました。
一方、プログラムのレンダリングによって図案を描画する方法も進化し、初期の頃は 2D (二次元) の平坦な静止画を出力するのが精一杯だったものが、その後は 3D (3次元) のデータ処理なども可能に。 画面内に3Dオブジェクトを作り、視点 (カメラ) の位置とオブジェクトの形などを 設定 し、自由にリアルな画像などを描くことも可能になりました。
こうした方法は映画や ゲーム など、業務用・プロユースのハードとソフトが必要な時代が長く続きましたが、1990年代に入ると一般のユーザーも利用することが可能となり、2000年代に入ると アニメ などの動画作成の 環境 なども、安価・手軽に構築することが可能となっています。
独特の存在感、マルチペイメントなどのピクセルエディター
なおこうしたペイント系ソフトの登場と同時に、いわゆる 「ピクセルエディター」「ビットマップツール」 と呼ばれる独特のグラフィックツール (マルチペイメント/ MPS (1992年7月1日) など) も登場しています。
これはパソコン画面の発色数がまだ少なかった時代に ドット絵 や 16色CG を描くために使われていたソフトで、絵を描くと云うより、点 (ドット) を1つずつ手で打ってゆく ( 色 をおいてゆく) ような独特の操作系のツールでした。 ドット=ピクセルを編集するから、ピクセルエディターだったのですね (一応、ペイント系ツールのように絵筆を使って描くような使い方もできましたが、凝った絵を描くためには当時の低い 解像度 の環境下もあって大雑把すぎ、あまり使えませんでした)。
こうしたCG (MAG (鮪) など) は、インターネット が登場する前、パソコン通信 の時代には、主流としてもっとも利用されていたCGでした。
2000年代後半からは、レンダリングされた画像をもっぱら指す言葉に
本来はパソコンを画材として使ったイラストなどは、全てCGと呼んでも良いのでしょう。 しかしパソコンが一部のプロや おたく、パソコンマニアの道具から、誰でも持っているのが当たり前のような道具に一般化したことにより、ペイント系ソフトウェアを使って描いた手書きのイラストなどをわざわざCGとは呼ばず、そのままイラストやマンガなどと呼ぶように変わってきています。