こんにちでは事実上、MAGの代名詞となってます
「16色CG」 とは、文字通り16種類の 色 を使った CG画像作品 (Computer Graphics) の事ですが、普通 「16色CG」 と云えば、パソコンのハードウェアやソフト類の機能制限により、画像 データで 16色 (アナログ16色) しか扱えなかった時代のCG作品、およびそのフォーマットを指します。
そもそもなぜ 「16色」 なのか
典型的なドット絵、16色CG |
そもそも 16色など色数の少ないCGは、CG作成や配布が ネット で本格的に現れ一般にも大きく普及し始めた 1990〜1995年頃、日本でもっとも普及していたパソコン、NEC の 98 (PC-98) シリーズ、およびその互換機 (EPSON) のハード (グラフィックボード/ モニタ) 的、あるいは基本 OS、MS-DOS (Microsoft) のソフト的な、使える色 (発色) 数の制約から来ています。
当時でも、グラフィックに定評のあった Macintosh や SHARP の X-68000 シリーズ (「Pi」「PIC」) など、フルカラー (1,677万色) やハイカラー (65,536色) を扱えるパソコンはあったのですが、その後急速に普及した Windows パソコンでない限り、ユーザの多かった PC-98 では 16色までしか扱えなかったのですね。
ドット絵を拡大するとこんな感じ |
またPC/ AT互換機 (PC/ AT compatible machine) でも事情は同じでした。 モバイル 専用機どころか携帯電話の液晶でも 256色や 65,536色程度、いやフルカラーさえも当たり前! …の現在では、ちょっと考えられない 環境 でしたね
なお画像データのフォーマットでは、ベタファイル形式や、それから発展した 「Q0」「Q4」 形式、アメリカで 開発 された GIF 形式などこの時代に活躍した16色画像データフォーマットには様々なものがありますが、我が国で一世を風靡したフォーマットは、MAKI、及びその後継フォーマットである MAG がその代表でしょう。
とくにパソコン通信を通じてCGブームを巻き起こした 「MAG」 は、「16色CG」の事実上の標準フォーマットとなっていました。
色をうまく組み合わせることで、目の錯覚により色数を増やすテクニック
ところで 16色といっても、“色と色との掛け合わせ” でそれ以上の色数を使っているようなカラフルな作品に見せる様々なテクニックが生まれ、いわゆる ドット絵 文化が発展したのは、制限からくるひょうたんからこま、怪我の功名といったところでしょうか。
左上にあるCGは、筆者 が昔描いた16色CGなんですが、こんなヘナチョコCGではなく、達人のCGなんかだと、「ほ…本当にこれが16色か?」 と驚くほどカラフルな画面を16色の組み合わせで作っていました。 マルペなんかのCGツールで開いて拡大して見ては、その超絶技巧に唸っていたものでした (真似しようにも、真似の仕方すらわからない状態でした)。 最終的には1ドットずつ手で打ってゆくこのCGは、絵 の才能もさることながら、忍耐力が強く求められる作品でしたね。
またフラットな印象のある 多色CG にはない独特な色彩感や質感、雰囲気 が16色でタイリングされたCGにはあり、まだまだ根強い ファン もいらっしゃるようです。
って、筆者もモロにそうなんですけどね… (^-^;)。