いかにもオタクが好みそうな絵柄…「アニメ絵」「オタク絵」 とも
なんだかんだいってアニメ絵は落ち着くのよね (同人する子) |
「アニメ絵」 とは、アニメ の登場 キャラ っぽい 雰囲気 の イラスト、絵柄のことです。 ほとんどのアナログアニメ制作で使われるセル画の意味で 「セル絵」 とか 「セル画風」 とか、「マンガ絵」「オタク絵」「エロゲ絵」(本来はそれぞれ別の意味でも使われる言葉) と呼ぶ事もあります。 「アニメの 絵」 という意味だけではなく、「アニメっぽい絵柄」「アニメが好きな人が好きそうな絵柄」 という訳ですね。
読んだまま、見たまんまの意味の言葉となりますが、とは云え一口にアニメと云っても作品や ジャンル、作者 などによって様々な絵柄、膨大なバリエーションがありますので、実際には “目が大きく口が小さく、デッサンに極端なデフォルメ・誇張のある美少女・美少年系” の画風を指す言葉となります。 ジャンルや時代によっては特徴的な画技や表現 (例えば オタク線 とか) が使われる場合もあります。
また美少女の中でも特定の傾向を持つもの、萌え っぽいものは、「萌え絵」 と呼ぶ場合もあります。 指し示す絵や絵柄によって、上記の類似後をそれぞれ厳密に使い分ける場合もありますが、たいていは、だいたいどれも同じような意味で使われます。
あまり褒め言葉としては使われない 「アニメ絵」
「アニメ絵」 の使いどころですが、言葉の中には若干の揶揄、皮肉や批判の要素があり、あまり褒めるようなシーンで使う言葉ではありません。 自分の絵柄を卑下して自嘲気味に使う場合も多く、「所詮わたしが描いているのはアニメ絵ですから…」 なんて使い方がポピュラーですね。
伝統的・正統的な技法にのっとった絵、あるいはきちんとした絵画の訓練を受けていない、例えばデッサン、素描などの指導や訓練、練習をほとんど受けていない絵、画風、作者といった意味もあり、見よう見まねで マンガ やアニメの真似絵を描いているだけだ、もしくはそうした レベル の絵だという意味もあります。 マンガの場合、絵の上手い下手よりは、作品に合う個性がきちんと発揮できているか、物語や作品の 世界観 と合致した画風であるかどうかが重要ですが、それらに関わらず描くのは常に同じアニメ風だ…なんて意味で否定的に使われるケースもあります。
ただし 「下手だ」「絵として未熟だ」 というような意味はあまりありません。 単に伝統的技法で描かれた絵画ではないといった程度の意味になりますね。 逆にそういった訓練をきちんと受けた人 (美大や工房などで技術を習得し学んだ人) が、いかにもアニメチックでポップな絵を描くと、「お前もアニメ絵に堕ちたか」 なんてからかい気味に使ったりもします。
もちろん人によってはアニメ絵やマンガ絵を手抜きだ下手だと評する場合もありますが、このあたりは何を目的として描いた絵かという部分と、純粋な絵画としての技術的な部分とでまた意味が変わってくるので、判断は難しいでしょう。
例えば猫の絵を描くとして、猫の姿を正確に伝えるための絵なら写実的な絵が目的を達成するために必要で、そのための正確なデッサンや色使いができている絵が上手い絵でしょう。 一方で、猫の可愛さを伝えるための絵なら、写実的なものよりも、かわいらしい特徴だけを誇張して描いたデフォルメされた絵が上手い絵だとされることもあるでしょう。
マンガ絵の場合はこれの積み重ねであり、例えば読者に恐怖を伝えるための不気味な絵なら、むしろデッサンを意図的に崩して現実ではありえない違和感や嫌悪感を与えるような歪んだ絵が上手い絵になるかもしれません。 絵の上手さの定義はあまりに多角的・多元的・横断的な視点や考え方があり、逆に云えば特定の絵を安易に 「下手だ」 と論評するのは、自らの視野の狭さや不見識を示すだけに終わるかもしれません。
なお似たような絵ばかり描くことは 判子絵、絵に描かれたキャラ、絵そのもののことは 二次元 (二次、虹) などと呼んだりもします。 またセルアニメ風に塗られた 色 は、アニメ塗り などと呼びます。 3D モデリングによって描かれる 3DCG をセルアニメ風に寄せることはセルルックと呼ぶこともあります。