ネットで全て完結! 小部数印刷に強い 「オンデマンド印刷」
「オンデマンド印刷」 とは、ネット を通じて オンライン で 印刷 を行うサービスのことです。
オンデマンド (On Demand) とは、利用者やユーザーからのリクエスト、要求 (Demand) があってはじめてサービスを提供する方式を指す言葉ですが、オンデマンド印刷の場合、単に インターネット で注文を受け付ける 印刷屋 やそのサービスだとの意味ではなく、印刷 (出力) に使う機材や全体の作業フロー自体が大幅に 電子化 し、その他の 商業 印刷 (例えば オフセット印刷) とは根本的に違っている場合がほとんどです。
本来のオンデマンド印刷とは、印刷方法そのものを指す言葉ではないのですが、実質的に 「その他の印刷方法とは異なる印刷方法」 といっても良いくらいの違いがあります。 なお 「オンデマンド出力」「オンデマンドプリント」「オンデマンドP」 と呼ぶ場合もあります。
メリットとデメリットを調べ、オンデマンド印刷を賢く利用
通常の印刷では、原稿 を元にした版 (印刷版) を作り、それを使って紙に印刷します。 一方オンデマンド印刷では、パソコンで使うプリンターやカラーコピー機の大型版のようなデジタル印刷機 (オンデマンド印刷機) を使ってそのまま出力し、通常印刷版は作りません。 こうしたことから、ダイレクト印刷方式とも呼ばれます。 また印刷のためのインク (インキ) も、通常のオフセット印刷とは違い、プリンターで使うような印刷インクを使うことになりますし、プリンターで扱えない特殊な紙なども利用することができないでしょう。
コストのかかる印刷版を作らないので、少部数の印刷 (1部や2部) でも安価に印刷が行えるメリットがありますが、逆にある程度以上の刷り部数、大量印刷が必要となると、かなり割高になってしまう場合もあります。 激安をうたう業者も多いですが、必要とする 部数 によって本当に安くなるのか、きちんと考えて使い分ける必要があるでしょう。 また印刷インクも通常のオフセット印刷のものに比べるとコストが高く、とくにカラー印刷の場合、発色も劣る (とくにカラー写真や グラデーション表現 など) とするのが一般的な評価でしょう。
一方納期に関しては圧倒的に短縮化が可能で、即日発送を行なっているところもあります。 デジタル原稿をそのまま印刷することができるので、スピーディーな発注納品が行える (すなわち イベント あわせの場合に、締め切り が遅くできる) という長所もあります。 速い上に小部数で安上がりになるので、新鮮な ネタ が勝負の 突発本 の制作などにも、柔軟な対応が可能でしょう。
同人グッズやペーパーづくりに適したオンデマンド印刷
同人 の世界では、一般に 同人誌 などの印刷にはあまり使われず、一枚ものの ペーパー や 同人グッズ (便箋 や 封筒、同人用紙袋 (同人手提げ紙袋) などの印刷で比較的利用例をみかけます。 同人以外の用途では、小冊子や 名刺、簡便なパンフレットなどが多いでしょうか。
ただしオンデマンド印刷の品質は年々上がっていますし、印刷機械も以前まではアメリカのゼロックスによる DocuTech の独壇場だったのが、今では多くの日本企業も参入、コストも下がる傾向にあります。 利用する時点でのメリットとデメリット、自分の印刷の用途にあわせて、オプションの1つとして検討してみるのも良いと思います。
また製本を自分たちで行う予定ならば、表紙 をオフセット印刷であらかじめキレイに仕上げてストックしておき、時間ギリギリまで原稿を描いてオンデマンド印刷で 本文ページ を仕上げ合体させる、ハイブリッドな手作りも面白いでしょう。
今後ますます広まり、進化する可能性の高いオンデマンド印刷。 同人誌や同人グッズ作りに便利になるよう、これからも期待したいものです。