あまりの衝撃的な内容からブレイク 「主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました」
「主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました」 とは、2006年7月前後に大量に配信された迷惑メール、スパムメール の件名です。 メーラーで見た瞬間に釘付けになるそのあまりのインパクト、斜め上 にぶっ飛んだ衝撃的すぎる内容から、ネット ですぐに大きな話題となり、そのままある種の ネットスラング としても流行しました。
実際の メール の内容は、筆者 当てに届いたメールを引用しますが、次のようなものになります。
「主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました」 スパムメール
主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました。
いきなりのメール失礼します。
久光さやか、29歳の未亡人です。
お互いの ニーズ に合致しそうだと思い、連絡してみました。
自分のことを少し語ります。
昨年の夏、わけあって主人を亡くしました。
自分は…主人のことを…死ぬまで何も理解していなかったのが
とても悔やまれます。
主人はシンガポールに頻繁に旅行に向っていたのですが、
それは遊びの為の旅行ではなかったのです。
収入を得るために、私に内緒であんな危険な出稼ぎをしていたなんて。
一年が経過して、ようやく主人の死から立ち直ってきました。
ですが、お恥ずかしい話ですが、毎日の孤独な夜に、
身体の火照りが止まらなくなる時間も増えてきました。
主人の残した財産は莫大な額です。
つまり、謝礼は幾らでも出きますので、
私の性欲を満たして欲しいのです。
お返事を頂けましたら、もっと詳しい話をしたいと
考えています。連絡、待っていますね。
過酷な運命に翻弄される 久光さやか さんに話題集中
この衝撃的なスパムメールが届き始めると、ネットでは話題騒然。 2ちゃんねる や はてな 界隈 で情報が 共有 され、そのメールの信憑性について様々な考察がなされました。
疑問点は2つあります。 まず第一に、そもそもおとなしく温厚そうに見えるオオアリクイ (大蟻食/ Myrmecophaga tridactyla) が人間を襲うのかどうか。 そして第二の疑問点としては、それがシンガポールに生息しているのかどうか、です。 この2つを焦点に、ネット民 が 叡智 を結集。 その結果、「オオアリクイは温厚で人間を襲うことはない」「そもそもシンガポールに生息していない」 との調査結果を得、「どうやらデマであったらしい」 との結論を得たようです。
しかし南米に生息するオオアリクイは、人間に捕獲され世界中の動物園などで飼育されていますし、闇の組織の ボス によりシンガポールのアジトに秘密裏に運ばれ、裏切り者を抹殺するための道具として凶暴化したオオアリクイが飼育されているという可能性も否定しきれません (恐らくその可能性は大きいです)。
あるいはご主人が関わっていた闇の組織の名前が、「オオアリクイ団」 だった可能性もあります (恐らくその可能性は極めて大です)。 「そうか、よかった、オオアリクイに殺された主人はいなかったんだ…」 などと、ノンキに安心できる状況にはないといって良いでしょう。
ともあれ、その後はこうした 書き込み が、掲示板 などに現れるようになったのでした。
ところがどっこい、オオアリクイが人間を惨殺?
オオアリクイの襲撃で死亡例、遭遇リスク増に 懸念 ブラジル (AFP/ 2014年7月28日) |
こうしてオオアリクイスパムの話題はある種の伝説となり、以降、オオアリクイがらみのニュースや話題が出るたびに思い出されるようになった訳ですが、その後、「実際にオオアリクイが人間を襲う」 とのニュース報道があり、一部で 「あれは事実だった」 との衝撃の展開に。
2014年7月28日に AFP がワシントンD.C.発のニュースとして伝えた 「オオアリクイの襲撃で死亡例、遭遇リスク増に懸念 ブラジル」 によれば、人間の生活域とオオアリクイの生息地が近年接近、臆病で視力がきわめて弱いオオアリクイに人間が不意に近づくことにより、おびえたオオアリクイが10cmほどもある鋭利で強力な前足の鉤爪を振りかざし、それによって大けがを負ったり、死亡することもあるとの内容でした。
スパム流行以降にこうしたニュースが全くなかったわけではありませんが、この報道を機に広く情報が伝わると、「やっぱりあれは事実だった…久光さやか、29歳の未亡人さんにごめんなさいしないといけないよね (´・ω・`)」 的な意見も現れ、またしてもこのスパムの伝説化に拍車がかかることになりました。
なおアダルトサイトのスパムメールがらみの言葉で一世を風靡したものには、なにやっとるん?あんたのお母ちゃんよ などがあります。 またハングル (韓国語) によるスパムメールの文字化けが 元ネタ となった言葉には シコタホア や コッックーカーキョッッョ、コッッョオョッソ などもあります。