仕事や趣味の世界における自分の活動領域や住処… 「生息」
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| 同人やおたく界隈に生息してはや〇年 もはや終の棲家よね いまさら変えられん… (同人する子) |
「生息」(せいそく) とは、生物がある特定の場所や 環境 に住みついて生活していることを指す言葉です。 単にその場に 「いる」「いられる」 のではなく、持続的に生活できることを含意します。
言葉としてはもっぱら動植物や微生物などに用い、それぞれが住んだり住むに適した場を生息地とか生息域、実際に生息しているなら生息中と呼びます。 通常は複数の個体が一つの生息地に存在し、大小さまざまな個体群 (グループ) を形成して天敵から身を守ったり餌の獲得、繁殖を行ったりします。 渡り鳥のように広範囲を移動する動物の場合は、繁殖地や巣営地、越冬地、およびそれらの間を中継地と呼んだりします。
使われる分野はもっぱら動物学や植物学、生態学、あるいは自然保護や環境科学などで、動植物ごとに生息地の分布や個体数の変動、それに基づく自然環境の変化とか希少動植物の保全計画、生息地破壊の影響評価などの文脈でよく使われます。 また近年では漁業や農業における資源管理とか、外来種の侵入評価といった実務的な場面でも用いられます。 ただし養殖とか人工的な環境下での飼育などは、一般に生息とは呼ばないことが多いでしょう。
おたくや腐女子、ネット民における 「生息」
一方 おたく や 腐女子、ネット民 の世界では、仕事や 趣味 の世界で自分たちが活動している業種や ジャンル (自ジャンル)、界隈 や クラスタ、あるいは実際に生活している場所や ネット のコミュニティを含むよく行く場所、常駐 している居場所などを、やや謙遜・卑下して使います。 「例えば ゲーム 業界に生息しています」「〇〇の 二次創作 界隈に生息」 みたいな云い方ですね。
単に住んでいるとか住民といった云い方でも良いのですが、生息という言葉がもっぱら人間ではなく動植物に使うことから、やや強めの 自虐的 な (一方でちょっと捻じれた自負心やプライドはある) ニュアンス も持っています。 さらに自虐というか 露悪 な表現として、「潜む」 とか 「蠢く」(うごめく)、「巣」 などが使われることもあります。
こうした言葉の使い方についてはおたく・腐女子やネット利用者らの自虐表現だけではなく、例えば文学作品などで情緒的・比喩的な表現として用いられたり、あるいは差別感情に基づいて自分たちと異なる 属性 の人々への攻撃的な使い方もありますが、いずれにせよ自虐的な傾向をいくらか持った ネガティブ な意味を持つ言葉となっています (文脈次第ではありますが)。
いずれにせよ中学生くらいのちょっと 痛い おたく・腐女子あたりから好んで使うような カテゴリ の言葉でもあり、これは交尾とか 浮上 とか 需要 と 供給 とか 生物学上は女 とかと同様、ちょっと堅苦しい専門用語っぽい語感と場に合わない大仰な表現から、背伸びして使いがちなもののひとつともなっています。






