腐女子の子は腐女子…? 「腐の連鎖」
「腐の連鎖」 とは、腐女子 が 結婚 し親となった時、その子が親と同じように腐女子、もしくは 腐男子・腐兄 となってしまうことです。 つまり親子二代にわたって腐女子の 属性 を持つ、場合によっては孫を入れて三代、あるいはそれ以上にわたって属性をリレー、バトンタッチしてしまうことを指します。
言葉としての 元ネタ は 「負の連鎖」 で、こちらは貧困層の親に育てられた子供が経済的に十分な教育を受けられないなどの理由により、同じように貧困層になることが多い、すなわち貧困が連鎖する、固定化するとの意味の言葉です (家庭内暴力の連鎖でも使われます)。 腐の連鎖は、この 「負」 を 「腐」 に 誤変換当て字 にした ネタ 用語、シャレとしての 同人用語 や ネットスラング のひとつとなります。
腐女子自体も 「婦女子」 の誤変換当て字によって作られた言葉ですから、こうした 「ふ」 を 「腐」 に変えた言葉は膨大に存在しますが、いずれも意味としては やおい や BL (ボーイズラブ)、あるいは ショタ などの ジャンル を愛する ファン や 同人作家 などを指す言葉となっています。
ただし本来の 「負の連鎖」 が救いのない言葉だったり、それによって苦しんでいる人もいる言葉であるので、こうした誤変換ネタを、冗談でも使うのは不謹慎だとの話もあります。
なお子供の 「腐」 が逆に母親や祖母に遡上する場合もあります。 ジャニーズなど 芸能系 でよく見られる現象で、娘が熱心にファン活動をしているから興味半分で見てみたら、親のほうが ハマって しまった…などというパターンです。 この場合も腐の連鎖と呼ぶ場合もありますが、親公認しすぎ の他、逆腐の連鎖と称する場合もあります。
腐ったリンゴ…? ミカン…? ていうか腐るって?
なお自分の子供ではなく、姉妹や親しい友人に影響を与えること、あるいは 布教活動 (腐的なエンロールメント、いわゆる 腐教) を施すことにより、近親者が次々に腐の道に至ることを 「腐の連鎖」 と呼ぶこともあります。 この場合、最初の一人となる腐女子は、腐ったリンゴ (もしくはミカン) と呼ぶことがあります。
これは、リンゴがたくさん入った箱に1つだけ腐ったリンゴが混じっていると、他のリンゴもそれに影響を受けて腐りだす…だから早く取り除かないといけないといった意味で、こちらの元ネタはテレビドラマ 「3年B組金八先生」(1979年〜) の第二期 (1980年) の劇中設定、及び 概念 から生じています (本来は 「腐ったミカンの方程式」)。 このフレーズに対する返しとしては 「俺は腐ったリンゴじゃねえ」 になりますが、これは様々な家庭の事情から素直になれず、また勉強もできずに素行も悪かった生徒、加藤優 (直江喜一) のセリフ、「俺達はみかんじゃねえ、人間なんだ」 に由来します。
あまりに衝撃的でインパクトのあるセリフだったこと、第二期が歴代金八シリーズ最高の視聴率 (平均視聴率/ 26.3%) を獲得し社会現象ともなっていたこと、名エピソードの多い 「金八先生」 でも屈指の名作とされる話だったことから、その後も事あるごとに取り上げられ、モノマネ芸人 (とくに松村邦洋) のネタになったり、パロディ などが次々に登場。 「俺は腐ったミカンじゃねえ」 をネタとして取り上げたことから広く定着しています。
一方、英語圏で 「腐ったリンゴ」(a rotten apple spoils the barrel) ということわざ、言い回しもあり、後年これとごっちゃになる形でミカンではなく 「腐ったリンゴ」 という言い回しも定着、さらに腐女子の腐との掛け合いのネタの中で、使われるようになっています。
まさに 「腐老腐死」? 「腐の連鎖」
なお腐女子が年齢と経験を究極まで積み上げると究極最終形態 腐ェニックス (腐死鳥) へと進化しますが、この腐ェニックスが再生を繰り返して永久に腐の心とともに生き続けることを 腐老腐死 とも呼びます。
本来の 腐老腐死 は輪廻と転生を表すことが多いので、子供や孫に腐の心を伝える、あるいは遺伝する…といった考え方とは根本的に違うものです。 しかしネタとしてイメージしやすいので、この 腐老腐死 と 腐の連鎖 を同じような言葉として扱う場合もあります。 とはいえかなりネタ的要素の 強い言葉 ですし、使われている場所もごくごく一部なので、厳密な定義が存在する訳ではありません。