見ているこっちが恥ずかしくなってきます…アイタタタ…な
「痛い」 とは、「見ていて思わず頭が痛くなってくる」「アイタタタ…」「あまりに突飛で見ていて痛々しい」「回りで見ているこっちが恥ずかしくなってくる」 などといった状態を指す言葉です。 そうした状態の人のことは、「痛い人」 とか 「痛いやつ」 などと呼びます。
「痛い」 と一口で云っても、いろいろな状態があるのですが、ネット の 掲示板 やら 同人 やら おたく 界隈 での使われ方としては、「行動が子供っぽくて幼い」「気持ちは分かるがやりすぎで常軌を逸している」「はた迷惑だ」 なんて意味が強く、ニュアンス としては 厨房 にかなり近い使われ方をします。
ただし罵倒語・侮蔑語としての強さは人によって、時代によって異なるとはいえ、全体的にあまり強い非難、罵倒をするような言葉ではなく、ちょっとした 「困ったちゃん」 に使うくらいの言葉と云えましょうか。 また時代が下るにつれ、ネガティブ な意味がどんどん薄まっている印象もあります (他にもっと便利で強烈な罵倒語が生まれたというのもあります)。
なお 「痛い」 という表現自体は昔からあるのですが、ネットの中で使われる場合には、しばしば 「おたく」 系の人たちに当てはめる場合が多く、2000年代からは、ある種の キモオタ (気持ち悪いオタク) を指して罵倒するような言葉としてのニュアンスが強くなっています。
接頭語としての 「痛い」…痛車、痛PC、痛デスクトップ、痛ルーム…
ところで 「痛」 という文字単独で接頭されて使われる場合には、アニメ や ゲーム の ファン であるのを隠そうともしない」「一般人の前で堂々とオタク 趣味 を暴露している」、もう見るからに 「おたく」 や アニヲタ、大きなお友達 であるのが丸出しである、などという状態をあげつらう (他人だけでなく、本人が面白がって使う) 使い方が多いようです。
こうした使い方は、厨サイト とほぼ同じような意味の 「痛いサイト」(管理人 が痛い人のウェブサイト) のような使われ方も以前はされてきましたが、イタリア車 = イタ車 と同じ音で語感のよい 痛車 (痛い車) という言葉が 2000年代に造語されると、むしろこちらの使い方が広まって一般化。
以降は、「アニメや美少女ゲームの キャラ」 などを大きくペイントしたり貼り付けたり、それらのグッズや ポスター で飾り立てられた様子のことを、広く 「痛○○」 と呼ぶようになりました。 また 「痛車」 の他には、「痛PC」「痛デスクトップ」「痛ルーム」「痛携帯」「痛ファッション」「痛ンブラー」(痛いタンブラー) などが一般的です。
それ以前は、オタクを接頭して、「オタ車」 とか 「オタパソコン」「オタ部屋」 などと呼んでいましたが、これに 「痛」 が取って代わった格好でしょうか。 ただし 「オタクの芸」 は オタ芸 と呼ばれ、「痛芸」 とはあまり呼ばれていませんので (呼ぶ場合もあり、その場合は 「オタ芸」 より否定的なニュアンスが強い)、「アニメキャラの 絵 や図案が大きく使われている」 という基本ルールを除けば、使い方のルール、言葉のニュアンスはかなり自由、あるいはいい加減です。