この三種を持たずんばおたくに非ず! …みたいなモノたち
おたく三種の神器といえば、ビデオデッキ、「パソコン」「ゲーム機 (or 「一眼レフカメラ」)」 を指します。
時代とともに三種の神器も移り変わりがあり (「テレビ、ラジオ、マンガ とか)、あるいは 趣味 の3大カテゴリとしてこの言葉を使うケースもありますが (「アニメ、ゲーム、アイドル」 とか、「同人誌、コスプレ、フィギュア」 とか)、一般的に おたく と云う名称が誕生した 1983年前後から 「ほとんどのオタクが持っていたグッズ」、趣味、作品を楽しむための 「道具」 と云えば、やはりこれら三種が神器、神秘的な力を秘めた宝具ではないでしょうか。
どれも基本的には情報を記録するための道具だったりします…その筆頭がビデオ
ビデオは高画質ハイエンドマシンにこだわる |
とりわけ重要な アイテム は、オタクがオタクであることの証左でもある、アニメや特撮、アイドル番組などを記録するための ビデオデッキ (それ以前はテープレコーダー) となりましょうか。
今でこそビデオデッキなんてどこにでもありますし、現在では デジタルビデオを経て HDD レコーダーなどが 「新 おたく三種の神器」 の筆頭扱いにもなってその影が薄くなっている 「ビデオデッキ」 ですが (2006年以降になって、YouTube や ニコニコ動画 なんかでパソコンもその一部を担うようになりました)、1980年代から90年代にかけては、まだビデオしか存在していませんでした。
しかも スペック の良い高画質 (S-VHS や ED-beta など) だったり、コマ送りやら FE ヘッド搭載やら予約録画の予約数やらの高機能・高性能機ともなるとハード、記録媒体であるテープも価格が高く、どれだけコストをかけて高画質、大量のアニメや特撮動画を保存しているのかが、ある意味 「おたくの格付け」 を決めるひとつの指標でもありました。
マイコン→パソコン→PCと、内容や名称も微妙に変化、そしてゲーム機
パソコンは自作機が多くレイアウトも特殊 CPUやマザーボードだけでなく、 グラフィックボード類の強化やメモリ増設なども |
パソコンもおたくアイテムとして忘れられないものです。 かつてはパソコンを個人で所有してるだけでオタク扱いされたものですが、パソ通 や インターネット の現在になっても、ネット やパソコンを取り巻く最大勢力のひとつが 「おたく」 やそれに近い カテゴリ の人間であるのは間違いのないところでしょう。
そしてある程度以上の年代の 「そうしたカテゴリの人々」 の多くが、1976年に日本電気 (NEC) から発売されたマイコンのトレーニングキット 「TK-80」 を (88,500円/ 回路図がつき、パーツを半田付けするタイプのマイコンで、我が国で初の本格的キット) のユーザーだったりします。 秋葉原 に同年誕生した TK-80 ユーザやマイコン ファン が集う 「Bit-INN (ビットイン)」 に足を踏み入れた人も多いのではと思います。
その後マイコンはパソコンの時代となり、PC-98 (1982年) やその互換機、X68000 (1987年)、FM-TOWNS (1989年) を経て、現在につながる DOS/V パソコンの登場となりました。 筆者 は PC-98 ユーザでしたが (FM-TOWNS も一時自宅にありました)、今から見るとありえないショボい性能でしたが、「これが未来につながる魔法の箱か」 などと、ワクワクしていたのを思い出します。
ゲーム機も忘れられないおたくアイテムですが、任天堂のファミコンやスーファミは一般にも爆発的に売れましたから、「オタクならではの神器」 ってイメージはあまりしませんね。 それでも、わざわざ SEGA のゲームハードを選ぶような人は、やっぱりおたくと呼べるかも知れません。 とりわけ、親がクリスマスプレゼントなどで任天堂のゲーム機と間違って セガゲーム機を買ってきた…なんて 「お父ちゃん、これ違うー」 なケースではなく、あえて自らセガハードを選ぶような子供は、「セガ志願兵」 と呼ばれて同世代の子供たちの間でも、それなりの尊崇の念を持たれていたようです (やっぱり、持たれてなかったようです)。
現在でもゲーム機は広範なオタクにとって必携のアイテム、グッズのひとつですが、オタクでなくとも持ってる人が多いので、複数のハードを使い分けるような使い方をしている人、昔のハードをわざわざ中古で買って古いソフトを楽しむような人の場合に 限定 されるようです。 また 「パソコン」 と重複しますが、グラフィックボードやメモリ関係を大幅に強化した、いわばゲームに特化した自作機パソコンなども、ゲーマー御用達の広義のゲームハードと云えるでしょう。
パソコンもずいぶん一般化しましたが、3Dグラフィックのゲームが主流となり、また動画編集などが当たり前となる中、一般人の使うパソコンとオタクが使うパソコンとでは、大きな性能差が依然としてあるイメージです。
メカっぽいアイテムのまさに横綱格といえばカメラ
ゴツい一眼レフカメラは、「おたく」 ならでは |
一眼レフカメラを 「オタクグッズ」 として認識している人は多いようです。 おたくにもアニメやゲーム、特撮など専門分野がありますが、コスプレイヤー やアイドルを追っかけるようなカメラオタク (カメラオタ、カメコ) の場合は、イベント会場 で振り回す大口径・望遠レンズつきの一眼レフカメラは持っていると心強い相棒です。
またオタクは本業以外に鉄道やら軍事 (ミリタリー) やら航空やら警察やらの副業があるものですが、これらの場合も写真での記録用にそれなりの性能のカメラは欠かせません。
カメラに関しては、俗に 「ニコ爺」「キャノ坊」 なんて言葉があるように、比較的若い人はキヤノン使いが多いようです (それ以外だと 「ニコノタ」 とか 「キャノネット」 などなど)。 キヤノンの高性能レンズと云えば筐体が白い 「白レンズ」 が有名ですが、200mm やら 300mm やらの長さの比較的明るいレンズ使いには、やっぱり 「その筋の人」 が多いようです。 元々は銀塩 (フィルムカメラ) がその座を担っていましたが、現在はデジタル一眼にほぼ移行したと云って良いでしょう。
スマートフォンの Advanced/ W-ZERO3 [es] 「おたく」 は、この手のおもちゃが大好き |
なおレンズ交換式一眼レフデジタルカメラが極めて高価だった頃、コンパクトデジカメ (コンデジ) と一眼の間を埋めるような高画質カメラ (一体型機) が流行った時代もありました (ファインピックス 4700Z やサイバーショット DSC-F828 などなど)。
また 2006年〜2007年にかけて盛り上がったデジタル一眼レフブームで価格が安くなると、2台目3台目を買い求めるマニアも増え、さらには一眼レフを持ちながら特殊な一体型機 (超ハイスピードの動画モドキが撮れてしまう CASIO EXILIM (エクシリム) PRO EX-F1) なんかもマニア心を擽られるカメラですね。
これ以外にも、「アマチュア無線機」「リュックサック」「電子手帳」「ウィルコム携帯 (京ぽんや W-ZERO 3) や、一部のガラケー (ガラパゴス携帯、転じて国産高スペック携帯)」「ドライビンググローブ」、痛車 っぽいドレスアップがされたクルマ、とりわけ 「ランエボ」「インプレッサ」 あたりは、サブ神器として 装備 している人が多いようです。